アルメニアの議会総選挙の結果 

あまりスッキリしない不安定な天気が続いていますが、寒さはまだそれほどでもないです。といっても、日中でも10℃を余裕で下回っていますけどね。まあ、アルメニアの12月中旬にしては大したことありません。

さて、日曜に行われた国民議会の総選挙の結果ですが、大方の予想通り、パシニャン首相が率いる政党「マイステップ」が70%もの得票率で圧勝!過半数の議席を獲得したので、ねじれ現象は解消され、パシニャン氏も年内に首相に再選される予定です。日本でも下の記事のように報道されていました。

パシニャン氏政党が圧勝 アルメニアで議会総選挙

まあ、これは完全に想定内の結果です。私がもっと気になっていたのは、革命前までずっと与党として権力を握っていた共和党の得票率で、なんと、たったの4.7%…議席獲得に必要な5%に届かなかったので、野党にもなれない小政党に落ちぶれてしまいました。自業自得とはいえ、何ともみじめな転落劇。

だって、20年もの間この国を強大な力で支配してきた政党が、たった半年で全議席を失ったんですよ。自民党が全ての選挙区で大敗するようなものです。いや、自民党は過去に下野したことがあるから、このアルメニアの選挙結果はもっと衝撃的かもしれません。盛者必衰の理とは、正にこのことですね。

この結果で証明されたのは、過去の選挙が有権者の意志など全く反映していなかったという事実。今は特に忌み嫌われているとはいえ、5%以下の支持しか得ていない共和党がいつも選挙で圧勝していたんですから、いかに腐敗していたのか改めて痛感します。そういう意味で、今回の選挙は共和党の独裁に終止符を打った歴史的な出来事だと言えるでしょう。

これまでの権力構造が完全に一変し、無血革命の目標が達成されたわけです。しかし、まさかこんなことがアルメニアで起こるなんて…もう10年近く住んでいますが、ずっと共和党の一党独裁は微動だにせず、国民も諦めきっているように見えました。だから、元大統領も、権力の座に居座ろうと首相職に横滑りするなんてアホなことをやらかしたんでしょうね。

それがきっかけで、虐げられてきた国民の怒りが爆発し、元大統領を辞任に追い込むほどの巨大デモに発展しました。そんな国民の鬱積したエネルギーと団結力を侮ったことが、共和党にとって致命傷になりました。やはり国の主権者は、為政者ではなく国民だということです。

とはいえ、今回の投票率がたった約49%と、5割に満たない低いものだったことは残念です。まあ、これも個人的には予想していましたけどね。革命直後ならともかく、すでに半年以上経っていて当時の熱狂はかなり落ち着いていますし、今回はいい意味で結果が見えていたから、けっこう投票率は低いんじゃないかなあと…

でも、やっぱり選挙は国民が政治に直接参加できる貴重な機会なので、もっと多くの人が行くべきだったと思います。しかも、これまでのような政府が恣意的に操作する出来レースじゃなく、有権者の意志が反映されるまともな選挙だった訳ですから、なるべく国民は投票権を活用するべきです。権利は行使しないと意味がありませんからね。

パシニャン首相率いる政党が圧倒的な支持を集めて勝利して、行政府だけでなく、立法府でも実権を持つことが決まりました。パシニャン政権の指導力、そして責任はより重大になります。しかし国民が関心を失い、国の舵取りを政府任せにしてしまったら、また権力が暴走するかもしれません。

やっと公平かつクリーンな選挙が実現して、アルメニアは民主国家として大きなスタートを切ることができました。でも、何より大切なのはこれから!国民の政治参加の意識も良い方向に変わっていってほしいと願います。

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記事と関係ありませんが、週末は家族で出かけました。息子たちも仲良く手を繋いで、妻が幸せそうでした。

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アレンがレオの靴を脱がしてあげていました。お兄ちゃんらしくなってきたなあ

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一緒に粘土遊び。以前はアレンの真似ばかりしていたレオも、今は自分一人で工夫して遊べるようになりました。

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アルメニアの未来が子供たちにとって明るいものでありますように!

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