ドゥドゥク 

今週大学で試験をするので、昨日は部屋にこもって試験問題を作っていました。すると、外から物悲しいドゥドゥクの音が聞こえてきました。誰かが大音量のステレオで聞いているのかと思いましたが、どうも生演奏のようです。

 

「何だろう?」と思い、ベランダから外を見てみると、下でお葬式をしていました。同じアパートの誰かが亡くなったのでしょう。人がたくさんいて、親族の一人が泣き叫んでいました。そして、数人の男性たちがドゥドゥクでレクイエムを演奏していました。

不謹慎ですが、暫く美しいドゥドゥクの音色に聞き惚れていました。まあ、全く面識のない人のお葬式ですから仕方ありません。しかし、そのレクイエムを聞いていると、こちらも少し悲しくなってきました。それほどドゥドゥクの音は、心に染み渡るものなのです。

ドゥドゥクは、アルメニアの伝統的な楽器です。アンズの木から作った縦笛で、その起源は何と三千年前にも遡るそうで、グルジアやウクライナ、ロシアなどにも分布しています。「世界で最も悲しい音色」と呼ばれ、映画「グラディエーター」のサントラにも使われています。

YouTubeから、巨匠によるドゥドゥク演奏の動画を拾ってきたので、その素朴で物悲しい音色を聴いてみてください。


巨匠ジヴァン・ガスパリヤン。彼の演奏が、映画「グラディエーター」に使われています。


巨匠ゲヴォルグ・ダバギャン。ジャズ要素が加わっていますが、やはり物悲しい音色。

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