アルメニアのビロード革命
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5月に入り、天気のいい日の太陽は眩しく、もう半袖でいいぐらいの気候になりました。心なしかアルメニア市民の表情も明るい気がします。市民の力で政権交代を成し遂げようとしているのですから、今はみんな自信と希望に溢れているのかもしれません。
約20年も実権を握った与党・共和党の支配ネットワークは幅広く、たとえば国立系の大学の学長や副学長なども党員だったりするので、学生たちが彼らを辞任させようとする抗議行動も始まっているようです。アルメニアなどの場合、こうやって政権交代が起こると、あらゆる権力構造が覆されてしまうため、支配層の人間たちは独裁的また排他的になってしまうのでしょう。
その共和党も、一昨日の市民による大規模なデモに屈して、来週8日の特別国会でパシニャン氏を首相に選出することを事実上認めたので、今は市民生活は普段通りに戻っています。ちなみにその8日には、「ホワイト革命」「白い勝利」という集会が共和国広場で行われる予定です。参加者らが出発や平和、明るい未来などを象徴する白のカラーの服を着て、パシニャン新首相の誕生と新アルメニアのスタートをお祝いするのです。新しい政府と国民が力を合わせて、真の民主主義国家を作り上げていくことを心から祈っています。
ところで、やっと状況が落ち着き始めたと思ったら、昨日はエレバンにあるHSBC銀行で強盗事件が発生しました。現金を奪った犯人は駆け付けた警察隊にすぐ拘束されましたが、銀行の守衛と警官一人が死亡しました…こんな凶悪犯罪は治安のいいアルメニアでは珍しく、けっこう衝撃的なニュースです。また、さらに衝撃的だったのは犯人が警官だったこと!犯行動機は詳しく分かっていませんが、現金を奪おうとしたので多額の借金があって追い詰められていたのかもしれません。
そういえば、今回のアルメニアで起こった革命は、「ビロード革命」と呼ばれています。元々これは、1989年11月17日にチェコスロバキア社会主義共和国で共産党支配を倒した民主化革命のことで、大きな流血に至る事態にならなかったことから、軽く柔らかなビロード(ベルベット)の生地にたとえて名付けられました。結局、こうゆう平和的なデモが最も破壊力ある気がします。
そのアルメニアのビロード革命をテーマにした多くの動画がネットにアップされています。また、一部のアルメニア人ミュージシャンも、今回の出来事を歌にしてビデオクリップを作成しているので、それらの一部を記事に載せておきます。いかにすごい歴史的な変革だったか、そして、アルメニア国民の結束と底力がどれだけ素晴らしいものか、少しご覧いただけるかと思います。
私も記事を書きながら動画を見ていますが、「やっぱり、この国と人々がめっちゃ好きやー!」という思いを新たにして猛烈に感動してしまいます…
- [2018/05/04 23:30]
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