アルメニア全土で抗議デモが発生! 

昨日の記事に書いたように、野党勢力指導者のニコル・パシニャン氏の呼びかけに応じて、今日は市民らがアルメニア全土でデモを行いました。エレバン市内の多くの道路は封鎖され、地下鉄も運行停止、空港までの道も通行不能になりました。エレバンだけでなく、地方の道も封鎖されて(けっこう小さな村の道まで)、交通は完全にマヒしました。

さらに、政府庁舎の出入り口の前に車を止めて封鎖したり、パシニャン氏の首相選出に反対票を投じた共和党議員が住む家の周りや共和党の事務所をデモ隊が包囲したりという抗議行動もありました。さすがにこれは違法行為なんですが、警察や軍隊も市民寄りなので、以前のように逮捕や拘束などはしなかったようです。

私が住む地域も道が市民らによって閉じられていましたが、時々そこを通れる車列があって、「エッ、なんで?」と思って見てみたら、主要な共和党議員の葬式を模したデモ隊でした。わざわざ葬式用の花輪まで飾ってあって、本当の葬式みたいです。一つ違うのは、そのデモ隊が通ると、市民らが歓声を上げて応援していること。もう共和党の嫌われ方は半端ない…

でも、これについては同情の余地はあまりないかなーと思います。もちろん党員にもいろんな人がいて、中には崇高なポリシーを持った立派な政治家もいるかもしれませんけど、一つの政党として、また与党として国を長年統治してきたわけですから、今の状況は彼らがやってきた政治の結果として真摯に受け止めるしかありません。

ただ、デモは基本的にのどかなもので危険な雰囲気はありません。それはサルグシャン前大統領の首相辞任を求めるデモの時から同じで、参加者らは踊ったり、楽器を演奏したり歌ったり、バックギャモンやサッカーに興じたりとすごく和やか雰囲気の中でデモを行っています。中にはBBQをやっている人たちもいるんですが、今日のデモ中に私の元学生が撮った写真が秀逸だったので載せておきます。こんな楽しそうなデモだと、政府も武力で制圧しようにもできませんよね。

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道路を封鎖するブルドーザーでBBQをするデモ参加者たち。この発想って最高!こんな楽しく平和的なデモだからこそ成功したんだと思います。

国民の半分以上が参加してるんちゃうかという大規模なデモに、さすがに共和党も妥協せざるを得なくなったのか、今日の夕方、「来週8日の再投票で、議会の3分の1以上の支持を得た候補者を首相に任命する」と発表しました。次回も共和党は候補者を擁立しない方針なので、これってつまりはパシニャン氏を首相に任命することを認めたわけです。またとしても国民の勝利!

この発表を受けて、パシニャン氏は支持者らに明日はデモを行わないよう訴えました。下手したら1週間ぐらい続くかも…と思っていたデモは、とりあえず収まりそうです。まあ、特にデモを起こす理由がないのであれば、そろそろ市民生活を通常通りに戻さないと国家経済にとっても大打撃ですからね。

しかし、ずっと服従していたかのよう見えた国民が連帯して立ち上がり、たった3週間で強大な権力を握る指導者や政党を窮地に追い込むという歴史的大事変を身を持って経験すると、普段当たり前のように存在している社会生活やシステムなどが、所詮は脆く崩れやすいバランスの上に成り立っているのだということを思い知らされます。

今回の出来事を通して、「やっぱりアルメニアに惚れて、ここに住んでいて良かった!」と改めて感じました。まだまだ予断を許さない状況で、たとえパシニャン氏が首相に選ばれても、その後どうなっていくのかは神のみぞ知るです。でも、いつまでも愛するアルメニアのことを見守っていきたいと思っています。


今日の夜、共和国広場で行われた集会で、明日は抗議デモを止めるよう支持者に訴えるパシニャン氏。今日も数万人が集結していました。

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