昨日はアルメニア人虐殺記念日 

一昨日4月23日に、多くの市民の要求していたサルグシャン前首相の辞任が実現し、アルメニア中が歓喜の渦に包まれました。前首相を支持していた人もいたでしょうけど(それも尊重すべき一つの立場)、ほとんどの国民は、「ついに私たちが勝利した!」と心から喜んでいました。最後は軍人や警察までもがデモに参加し、首相辞任のニュースが報じられると、市民と共に喜びを分かち合っていました。

だって、アルメニアの政府権力の腐敗ぶりは半端ないですからね…辞任した前首相の兄弟は多くの土地や不動産を所有しているし(アメリカにも持っているらしい)、有力な政治家たちは、賄賂やビジネスなどで莫大な資産を築いています。一方、多くの国民の生活は苦しく、海外流出に歯止めがかかりません。そういえば、その代表格の政治家の一人が所有する「CITY」という最大手のスーパーマーケットに対する不買運動が起こっていて、実際に今すごく利用者が減っているそうです。

大きな変革が起きたアルメニアですが、市民たちは興奮に酔いしれたままではなく、自分たちの手でより良い国を作っていきたいという気持ちを強くしたのか、昨日の朝は、デモ集会が行われていた共和国広場をみんなで掃除していました。これは素晴らしい!前首相の辞任は最初の一歩であって、大切なのはこれからですからね。


ずっとデモが行われていた共和国広場を掃除する人たち。「新しいアルメニアは掃除から始めよう!」と、一部の市民ら自主的にしたそうです。偉いですね!

新しく生まれ変わろうとしているアルメニアですが、実は今日も大規模な抗議デモが発生し、エレバン市内の交通が混乱しています。というのも、今日予定されていた野党勢力指導者のパシニャン氏と、臨時で首相を務めるカラペチャン氏との会談がキャンセルされたからです。事前に提示されたお互いの条件や要求が全く合致しなかったことが理由だそうです(パシニャン氏側の提示した条件がちょっと無茶すぎだった…)。

そのためパシニャン氏は、「サルグシャン前首相が影で操る共和党の一党支配を終わらせ、市民が求める候補者を選ぶべきだ!」と訴え、市民らがデモを継続しているのです。確かに10年も国のトップに居座った権力者が、「私が間違っていた…」と潔く非を認めて辞任したからって、彼の支配する政党が強権を握っている限りは大して何も変わりませんからね。

かといって、パシニャン氏が本当に首相としてふさわしいかどうか分かりませんし(もちろん今は圧倒的に支持されていますけど…)、今回の事態に大国の思惑が絡んでいないとも言えません。何より人々が冷静さや寛容を失って一つの方向に振り切ってしまうのは危険ですが、真の変革のためには、腐敗した既存権力や腐敗システムに抗議する必要があります。そういう意味で、アルメニア市民の闘いは決して終わった訳ではなく、今まさに始まったばかりだと言えるでしょう。

ところで、昨日4月24日はアルメニア人虐殺記念日でした。今年は103周年になります。毎年その日の朝に大統領や首相などの要人が虐殺記念碑を訪問するのですが、やっぱりサルグシャン前首相の姿はありませんでした。私は午後に家族と一緒に献花してきました。住み始めてから毎年のことなので、これで9回目になります。

しかし、今年は一番混雑していて大変でした。記念碑が建つ丘の上までやっと着いたと思ったら、そこからほとんど進まない…けっこう暑かったせいもあって、子供たちが疲れ切ってしまったし、とりあえず列から外れて公園の日陰で休むことにしました。長男のアレンは「足が痛い」と言うし、次男のレオはそのまま妻に抱かれて寝てしまいました。

さすがに「もう帰ろうか…」とも思ったんですが、日が傾いて涼しくなり、休憩を取ったからか、子供たちも少し元気になりました。それで試しに人の列に戻ってみると、けっこうスムーズに前進します。それでも記念碑まで40分ほどかかりましたが、何とか到着して、犠牲者のために献花することができました。結局、全部で4時間近くかかってしまい、私も妻もぐったり…

今年は、前日に革命と言えるような歴史的出来事があったので、訪問するアルメニア人が多かったんだと思います。疲れましたが、無事に虐殺の犠牲者への追悼をすることできました。同じような悲劇が繰り返されないよう祈ると同時に、アルメニアが過酷な歴史の中で犠牲になった人たちに誇れるような国になってほしいと、心から願います。

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献花するチューリップを持って嬉しそうなアレン。この時はまだ元気でしたが…

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あまりに進まないので、公園で休憩することに。家族みんながしんどそうな表情…

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列に戻った時は5時過ぎでしたが、それでもこの人の多さ!

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何とか無事にアレンも献花できました。辿り着くまで時間がかかってしまい、花はヨレヨレでしたけど…

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永遠の炎の周りに無数の花が積まれています。毎年のことですが、この光景には圧倒されます。

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何とか慰霊ができて一安心の家族。今年は疲れたね…犠牲者の冥福とアルメニアのより良い未来のために祈りました。

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