102回目のアルメニア人虐殺記念日
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天気も良くて、昼間は本当に暑いぐらいです。でも、まだ朝晩は肌寒いので着るものに困ります。まあ、そのうち日も伸びて、薄着で大丈夫になるでしょう。
昨日4月24日は、102回目のアルメニア人虐殺記念日でした。オスマントルコ帝国領内に住んでいたアルメニア人の多くが強制移住や殺害によって死亡した大虐殺で、1915年4月24日にイスタンブールで起こったアルメニア系の著名人らの逮捕・追放事件が虐殺の始まりと考えられています。
トルコ政府は計画的な民族浄化ではないと虐殺の事実を否定しており、この歴史問題が原因で、アルメニアとは正式な国交がなく国境も閉じられたままです。とはいえ、トルコへ旅行に行くアルメニア人は多いし、経済的な交流はけっこう普通に行われています。
虐殺記念日に先立ち、2週間ほど前に米ロサンゼルスでアルメニア人虐殺をテーマにした映画「ザ・プロミス」のプレミア試写会が行われ、シェールやキム・カーダシアンなどアルメニア系の有名人らが参加したそうです。もし日本でも上映されたら、是非ご覧になってください。
実は私もまだ見ていないので、内容については詳しく知りません。でも、アルメニアがテーマになっている映画ですから、是非とも見てみたいと思います。
虐殺記念日に、多くのアルメニア人はツィツェルナカベルドと呼ばれる虐殺記念碑を訪れて献花します。私も、ここに住み始めてから毎年欠かさず献花しています。今年は、妻と長男アレンと一緒に行ってきました。記念碑周辺には花を売る人がたくさんいて、多くの人が彼らから花を買います。ところで、高くしても絶対に売れるこの日に値上げしないのは本当に偉い!と毎年感心します。
アレンが「紫のチューリップがいい!」と言うので、今年はいろんな色のチューリップを買って記念碑に向かいました。頑張って歩いていたアレンですが、途中で疲れてしまったため、私と妻が交互に抱っこして永遠の炎の場所まで連れて行きました。一説には100万人以上と言われる虐殺の犠牲者を追悼して、家族みんなで献花しました。
いくつもの苦難を乗り越え、脈々と受け継がれてきたアルメニア人の血。それが息子のアレンとレオにも流れているんだなあ…と献花しながら考えました。虐殺の歴史を巡るトルコとの摩擦、アゼルバイジャンとの領土紛争など、今もアルメニアは周辺諸国と根深い問題を抱えています。子供たちが大きくなる頃には、憎しみの連鎖から解放された平和な時代になっていてほしいと願います。
チューリップの花を持って、記念碑までの道を歩くアレン。えらく神妙な面持ちですが、晴れていたので眩しかっただけのようです。
混雑と暑さのせいもあって、途中で疲れてしまったアレン。抱っこして連れて行きました。
多くの市民が花を捧げるために記念碑に向かいます。写真はありませんが、アララト山もけっこうきれいに見えていました。
永遠の炎の周りには、すでにすごい数の花が置かれていました。二度と同じ悲劇が繰り返されませんように!
100周年の時と同じく、アレンも花を捧げました。アレンには実際に虐殺を経験したアルメニア人の先祖の血が流れていますからね。
献花する人々の流れが絶えません。私はもう8回目の訪問ですが、この光景には毎年圧倒されます。虐殺の歴史は、100年以上たった今もアルメニア人の心に深く刻まれているのです…
- [2017/04/25 23:00]
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