社長紹介に載せた座右の銘 

まだ日中は暑いですが、夜は風が吹いて少し肌寒く感じることがあります。日も次第に短くなっているし、夏も終わりに近づいているんでしょうね。

さて、昨日は家族やお世話になっている友人たちと集まって、会社JASCの設立を祝う夕食会を開きました。妻が中華料理を希望したので、共和国広場近くの北京というレストランに行ってきました。みんなで乾杯して、会社の成功を祈りました。お陰さまで、すでにお仕事を頂き、少しでもお客様のお役に立てるようにと頑張っています。

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JASC設立のお祝い、そして成功を祈って開いた夕食会。いつも支えてくれる家族や友人のためにも、できる限り頑張りたいと思います。

ところで、HPの会社概要に社長紹介の文章を載せています。自分のことを社長という肩書で紹介するなんて照れ臭いですが、私の経歴を簡単にまとめてみました。その最後に、「人生とは、何かを計画している時に起こる別の出来事」という言葉を座右の銘として書きました。

これは、アラスカの大自然を撮り続けた故・星野道夫のエッセイにあった言葉。20数年前に出会ってからずっと、私にとって大切な言葉となっています。当時学生だった私は旅の世界にのめり込んでいました。その旅というものを教えてくれたバイト先の先輩から、星野道夫のことを聞きました。

大学生の時に1枚の写真を見てアラスカへ旅立ったこと、親友の死をきっかけに写真家になろうと決意したこと、そして、ヒグマに殺されるという壮絶な最期を遂げたこと…妻子を残して43歳という若さで亡くなった悲劇にやるせない気持ちになりましたが、そのドラマチックな人生に強く惹かれたのを覚えています。

もっと星野道夫のことを知りたくなり、すぐにエッセイを読み始めました。写真と同じく彼の文章には優しさが溢れ、ハッとする言葉、そしてスッと自然に心に染み入る言葉がたくさんありました。その中でも特に胸を打たれたのが、彼の友人の女性パイロットが発した前述の言葉です。実は似た言葉が、ジョン・レノンが愛息に贈った「ビューティフル・ボーイ」という歌の一節にもあります。

この言葉が、なぜそれほどまでに心に響いたのか…大学に入った頃の私が思い描いていた人生は、大学を卒業して、いい会社に入って定年まで働くというありふれたものでした。しかし、旅に出てから、この世界がとてつもなく広いこと、様々な人生や幸せがあることに気づき、それまで信じていた価値観が大きく揺らぎ始めました。

本当に自分が望む人生を生きようとしているのか、自分にとって本当の幸せとは何なのか…旅で経験するいくつもの出会いや出来事を通して深く考え始めたのです。また、その出会いや出来事は偶然ではなく起こるべくして起こった必然というか、まるで自分が何かに導かれているかのように感じる瞬間が多々ありました。

そんな時に出会った星野道夫の言葉は、1枚の写真によって大きく変わった彼の人生そのものを言い表しています。強く共感すると同時に、たった一度のかけがえのない人生だとしたら、自分もこの言葉のようにドラマチックに生きてみたいと思いました。そして幸いにも、世界中を旅した末にアルメニアに移り住むというかなり面白い人生を歩んでこれました。

振り返ると、やはり一つ一つの出会いや出来事が全て繋がって、私をここに導いてくれたのだと信じられます。でも、まさかアルメニアで日本語を教え、結婚して家族を作り、会社まで設立することになろうとは…昔思い描いていたものとは全く異なる、まさに「何かを計画している時に起こる別の出来事」と言える人生です。

数年前には想像もしなかったことですが、ここで会社を作ったことにも、きっと何か意味があると信じています。そして、人との出会いや縁を何よりも大切にする会社にしていきたいと思っています。

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大学の卒業旅行でアラスカを訪問しました。夜空を舞う美しいオーロラなど圧倒的な大自然に触れて、星野道夫がなぜこの土地をこよなく愛したのか理解できたような気がしました。

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