和解に向けた署名 

先週10日に、スイス・チューリッヒで、アルメニアとトルコの国交樹立合意文書の署名式が行われました。文書への署名はなされましたが、両国の声明文の読み上げは結局取りやめになったようです。

アルメニアが実質支配するナゴルノ・カラバフの領土問題を巡って、互いに主張を譲らなかったのが原因だと伝えられています。アゼルバイジャンはトルコの友好国ですから、トルコとしては、立場上アルメニアに擦り寄ることはできなかったのでしょう。

歴史的な和解の瞬間になるはずだったのですが、やはり両国間の溝が深いことが露呈してしまいました。今回揉めたナゴルノ・カラバフの問題だけではなく、過去のアルメニア人大虐殺を巡る歴史認識の対立は根深いです。トルコはいまだに虐殺の事実を認めていませんし、謝罪もしていませんから、アルメニアでは国交回復に対して強い反発があります。

共和国広場では、先月から一部の市民によって、ハンガーストライキが行われています。「虐殺の歴史に目をつぶって国交樹立を進めるべきではない!」というのが、彼らの主張です。毎日多くの人々が足を止めて、ストライキの詰め所で賛同の署名していました。行動に出ていなくても、同じように考えるアルメニア人が多いのでしょう。

教え子の一人も、「トルコの地図には、アルメニアの国がありません(本当か?)。これでは仲良くなれないと思います。トルコを信じられません。」と言っていました。私としては、いつまでも対立し続けるのは良くないのではないか、交流していく中で認め合い、許しあっていけるのではないか…と考えるのですが、やはり当事者であり被害者のアルメニア人にとって、それは決して簡単なことではないのです。

とにかく両国の和解へ至る道は、まだまだ前途多難です。和解の背景にある思惑はともかく、せっかく動き出したのですから、少しずつ良い方向へと向かっていってほしいと思います。

 

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共和国広場のハンガーストライキ。30人ほどの市民が、水だけ飲んで泊り込みでストをやっていました。「アルメニア人虐殺は事実だ!トルコの提示する条件にはNO!」と書かれています。トルコによる虐殺の生々しい写真も展示されていました。

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