アルメニアとトルコが和解 

9月1日に、アルメニアとトルコがスイスの仲介によって和解し、国交樹立などで合意したそうです!(こちら) こんなビッグニュースを、「本を送る会」の会長からのメールで、私は先ほど知りました。テレビがないので、情報に疎くなっても仕方ないのですが、アルメニアに関わっている者として恥ずかしい…これからは、毎日ネットでアルメニア関係のニュースをチェックするようにします。

 

両国が和解に向けて交渉を始めていたのは知っていました。昨年はトルコの大統領がアルメニアを訪れ、来月にはアルメニアの大統領がトルコを訪問する予定です。着実に和解へのプロセスは進められてきましたが、やはりこの合意はすごいことです。第一次世界大戦中に起きたトルコによるアルメニア人虐殺を巡って、両国は1世紀近く対立してきたんですから。

 

しかし、これは、両民族の対立が終わったことを意味しません。あくまで政府間の和解であって、民族間の不信感、特にアルメニア人のトルコに対する憎しみは何も変わってはいません。グルジアとロシアの戦争、EU加盟、石油パイプラインなど、この和解の裏には、政治的また経済的な思惑が多分にあることは確かです。両国が真の和解に至るまでの道のりは、まだまだ長く険しいでしょう…

 

とはいえ、ずっと閉ざされていた国境が、年内に開く予定です。直接アルメニアとトルコを行き来できるようになるのです。アルメニア人が、聖地アララト山へ自由に行けるようにもなるのでしょうか…とにかく、両国間の人や物の行き来は増えるでしょう。アゼルバイジャンと国交を断絶しているアルメニアにとって、トルコという外への窓口が開かれるというのは、とても大きな意味があります。

 

第三者の意見ですが、やはり憎しみからは何も生まれません。虐殺を巡る歴史認識の対立も、両国が話し合いの場を持たなければ進展するわけがありません。国交が樹立されて交流が始まれば、いろいろと摩擦も生じるでしょうが、真の和解に向けて乗り越えていってほしいと心から望みます。

 

個人的には、これでアルメニアという国の重要性が増して、日本大使館ができれば…と願っています。

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