被爆者の体験談 

今日から、エレバンの公共バスの運賃が、50%値上げされました。ガス・電気も、今月から約20%値上がりするし、恐らくタクシー代も上がるでしょうし、物価が高くなる一方…今年は、かなりの数の人が出稼ぎのために出国しているのも頷けますね。

さて、今週木曜日、アルメニアの日本文化センター「ひかり」と、広島平和文化センターの共催で、「ウェブ会議システムによる被爆体験証言」というイベントが開催されました。ネットで両国を繋ぎ、被爆者の体験談を聞くというものです。私と妻も招待されたので、行ってきました。

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イベント冒頭では、広島平和文化センターの小溝理事長、また駐日アルメニア大使のグラント・ポゴシャン氏から、ご挨拶がありました。

証言者は、梶本淑子さん。当時14歳だった梶本さんは、爆心地から2kmしか離れていない工場で働いていらっしゃった時に、原爆が投下され被爆されました。

一瞬にして瓦礫と化した広島の街、必死で友人を助けながら生き延びたこと、ガラス片が体中に突き刺さり、肌が焼けただれて恐ろしい姿になった人々、目の前で死んでいく子供、無数の死体の山、残留放射能を浴びながら、3日間自分を探し続けた父親との再会、そして被爆によって1年半後に急死した父親…

思い出すだけでも辛い体験を、限られた時間の中で、梶本さんは一生懸命に語って下さいました。こちらも聞いていて胸が苦しくなるお話で、参加した人たちも時折涙ぐんでいました。実際は、私たちの想像など遥かに越える地獄だったと思います。

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今回の証言者・梶本淑子さん。本当に辛い自身の体験を、アルメニアの子供たちのために話して下さいました。

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当時の様子を描いた絵も出てきました。まさに地獄…小学校時代に読んだ漫画「はだしのゲン」を思い出しました。

その後、アルメニアの子供たちとの質疑応答の時間になりましたが、私はふと、「梶本さんは、アメリカのことをどう思っていらっしゃるのか」「核の恐怖を味わった経験から、原発についてはどう思っていらっしゃるのか」と考えました。

幼い子供たちから、勿論そんな質問は出ませんでしたが、後日ネットで調べると、ある講演会で、梶本さんは、「当初はアメリカが大嫌いだったが、どんどん好きになった。今は、憎悪の心や原爆が、何より恐ろしくて嫌っている」と述べられていたそうです。憎しみの連鎖は同じ悲劇を生むだけ…戦争の悲惨さを身をもって知る方の、このお言葉は大変重いと思います。

そんな梶本さんが、82歳のご高齢にも関わらず、今も精力的に自身の体験を語っていらっしゃるのは、「同じ悲劇を繰り返さないために、次世代に伝えなければいけない」という使命感だそうです。

アルメニアも、過去に虐殺や戦争を経験し、今も隣国と対立状態にあります。そのアルメニアの子供たちに、戦争がいかに悲惨なものであるか、平和がいかに大切なものであるかということが、梶本さんの貴重なお話を通して、きっと伝わったと思います。

イベントの終わりには、故郷の広島の街を破壊され、自身も被爆するという辛い経験を話して下さった梶本さんのために、アルメニアの子供たちが「ふるさと」を歌いました。遠く離れた日本とアルメニアが、平和を願う気持ちで、お互いに繋がりあえたように感じました。

大変有意義なイベントで、私も改めて平和や戦争について考えさせれました。このような機会が、もっと増えていってほしいと思いますし、イベント主催者の「ひかり」センターと広島平和文化センター、そして証言者の梶本淑子さんに感謝したいと思います。

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