アルメニアで日本語 

アルメニアには、日本大使館も、日本企業もありません。日本人もほとんどいません。それなのに、日本語を勉強している学生がいます。9年前、そんな学生たちに出会って驚きました。「何で日本語を?」と不思議で仕方ありませんでした。しかし学生たちは、「日本人ですか?!」「こんにちは!」と一生懸命に話しかけてきます。

日本語を使う機会のない彼らは、私と話すことが嬉しくて仕方ないようで、誰もが目を輝かせていました。「いつ来たのか」「何しに来たのか」「どこへ行ったか」と質問攻めにあいながら、次第に彼らと少しでも長くいてあげたいと思うようになりました。ただの旅行者である自分の存在が、これほど人を幸せにできるのかと私も嬉しかったのです。

毎日のように授業に参加したり、一緒に観光したりして、彼らと楽しい時間を過ごしました。毎日アルメニアで日本語を話すなんて不思議ですが、遠く離れた国に自分の国の言葉や文化を学ぶ人たちがいるなんて素晴らしいことです。

何より素晴らしかったのは、学生たちが純粋な思いで勉強していることでした。皆に「どうして日本語を勉強するの?」と質問すると、「楽しいから」「面白いから」「日本の文化に興味があるから」という答えがほとんどでした。

仕事のことを考えたら、英語やフランス語を学んだ方がいい。まして貧しいアルメニアでは、仕事にありつくことさえ大変なのに、彼らはひたすら「好きだから」という理由で日本語を学んでいるのです。私と話ができると、「勉強していて良かった」と言わんばかりの幸せそうな顔をします。その純粋さとひたむきさに、私は胸を打たれました。

今、私が日本語教師をやっているのは、アルメニアの学生たちとの出会いが大きなきっかけでした。今もアルメニアには、あの時と同じように、一生懸命日本語を勉強している学生がいます。彼らに、少しでも恩返しをしたいと思っています。

 

18_800armenia2.jpg  

日本語を学ぶ大学生たち。生活は苦しいけれど、皆いつも明るく笑っていました。

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://armeniajapan.blog54.fc2.com/tb.php/4-4982f755