アルメニアまでの経緯2 

週末は、アルメニア第二の都市ギュムリに観光に行ってきました。妻が通訳をしている日本の専門家の方々にご一緒させて頂いたのです。楽しかったけど、寒かった…

さて、前回の記事の続きです。

彼らが私のパスポートを見て驚いた理由とは…何と私と彼は同じ誕生日だったんです!彼の身分証明書を見せてもらうと、私より20年上ですが、確かに同じ誕生日。「なんだ、そんなことか」と思うかもしれませんけど、グルジアでたまたま仲良くなった人が同じ誕生日という出来事に、私は何か運命的なものを感じました。

その時は誕生日の約1か月前で、「来月、一緒に誕生日を祝おう!」と彼らに言われました。しかし、当時グルジアのビザは2週間しかなく、そのためには、ビザを延長するか、一度出国してビザを取り直すしかありません。そんなに長く滞在するつもりはなかったので、私は「ウーン、ちょっと難しいかなあ…」と答えました。

その話はそこで終わったのですが、彼らとはとても仲良くなり、ほとんど毎日お宅にお邪魔して、一緒に飲んだり食べたりしました。当時、彼は無職で(グルジアの多くの人がそうでした)、私という外国人と交流するのが楽しかったのでしょう。私も、その家族と一緒にいると温かい気持ちになれました。

そうやって共に楽しい日々を過ごしていると、「せっかくだから、誕生日を一緒に祝いたいなあ」と次第に思うようになりました。ビザを延長するか、もしくは一度出国するか…でも、またトルコに戻るのも面倒だし…と悩んでいる時、ふとアルメニア行きを思いつきました。「アルメニアを観光して戻ってくれば、誕生日祝えるやん!」

当時アルメニアビザは高くて躊躇しましたが、その方法がベストだと思ったので、ビザを取ってアルメニアに行くことにしました。つまり、最初アルメニアに行ったのは、グルジアの友人と誕生日を祝うための時間つぶしだったんです。まさか将来、自分がアルメニアに住むことになろうとは想像もしませんでした…

実際行ってみると、アルメニアも人が素朴で親切でとても良かったんですが、所詮は時間つぶし。そのうち、「早くグルジアに戻って友達に会いたいなあ…」と思い始めました。そんな時、エレバンの街中で、褐色の男性に声をかけられました。見た目、絶対にアルメニア人ではありません。聞くと、国際法を学ぶマレーシア人の留学生。

英語が話せるし、同じアジア人という親近感から仲良くなって、その後も数日会っていました。結局、彼は信用できないところがあり、次第に私は避けるようになりましたが、彼がある日、「ここで日本語を勉強している学生たちがいる」と言いました。

それを聞いて、私は信じられませんでした。だって、日本の大使館も企業もなく、日本人もいないのに、日本語を勉強している人がいるなんて…彼は「じゃあ、その大学に行ってみよう」と言うので、半信半疑のままついて行くと、ある建物の前に着きました。ちょうど授業が終わったのか、学生たちがぞろぞろ出てきました。

その中の2,3人の女の子が、私を見るなり驚いて、「日本人ですか?!」と叫びました。私は一瞬何を言っているのか分かりませんでした。まさか、アルメニア人に日本語で話しかけられるなんて思いもしませんから。しかし、彼女たちが発した言葉は、どう考えても日本語…

戸惑いながらも、「は、はい、日本人です」と答えると、彼女たちは「こんにちはー!」と嬉しそうに叫びながら駆け下りてきました。興奮のあまりか、一人は階段から転げ落ちました(本当です)。「だ、大丈夫?」と声をかけると、その子はヨロヨロと立ち上がって、「は、はい、すみません。大丈夫です!ありがとう!」。やっぱり日本語を話してる!本当に勉強してるんだ!マジ?!しかし、なんで???

そこからは、他の学生たちも集まって質問攻め。「お名前は?」「いつアルメニアに来ましたか?」「どうしてアルメニアに?」 全て日本語なのに、なぜか戸惑ってしまう私…やはり、アルメニアで日本語を聞くことが不思議でしようがありません。そんな私の戸惑いを他所に、学生たちは日本人と話せるのが嬉しくてたまらない様子。あの時の彼らの目の輝きは、今でも忘れられません…

この出会いをきっかけに、ただの時間つぶしだったはずのアルメニアが、その後の人生を変えるほど、私にとって大切な国になるのです。

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出会ってすぐに、観光案内をしてくれた学生たち。その後も毎日のように、いろんな学生が日本語で案内してくれました。

と、ここまでで既に長くなってしまったので、続きは後日。すみません、また途中になってしまって。なるべく早くアップします。しかし振り返ってみると、あの怪しいマレーシア人との出会いも、私の人生を変えるきっかけだったのか…

コメント

人生を変えた出会いに乾杯!
そんなマスオ先生に私の大好きな詩をひとつ。

そのときの出逢いが人生を根底から変えることがある
よき出逢いを

相田みつを

出逢いを大切にしたからこそ素敵な人生が開けたにちがいない! これからも応援していますよ ガンバ♪

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