尺八・書道、ドゥドゥクのコンサート 

先週の土曜日、あるコンサートに行ってきました。それは、尺八・書道、そしてドゥドゥクがコラボしたコンサート!

このコンサートは、日本・アルメニア国交樹立20周年を記念して、パリ在住の友人・尾崎公美さんが企画されたものです。片岡さんと同じく、尾崎さんの両国の友好にかける思いには感服します。いろいろと大変なこともあったようですが、努力の甲斐あって、コンサートが実現しました。

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挨拶をされる尾崎さん。いつも両国の友好のために頑張っていらっしゃいます。

尺八奏者は吉田公一さん。書道家は、奥さんのエカテリーナ・ナザロヴァさん。ロシア人で、日本滞在はすでに7年になり、日本語はペラペラです。そして、ドゥドゥク奏者はゲヴォルグ・ダバギャン。以前、このブログでも紹介したことがある著名な演奏家です(こちら)

尺八は日本の伝統的な楽器ですが、生音をこんな間近で聞く機会はあまりなかったと思います。日本より海外にいる時の方が、こうやって日本の伝統文化に触れる機会に恵まれるもので、今回もとても楽しみにしていました。

まず、奥さんのエカテリーナさんが舞台に上がり、おもむろに筆を持って書を始めると、会場の後方から尺八の音色が鳴り響きました。吉田さんの登場です。尺八を吹きながら、無心で筆を走らせる奥さんと同じ舞台に上がります。

吹き終わると、エカテリーナさんが書き上げた作品を掲げました。そこには、大きく「禅」の文字。迷いのない筆さばきで書かれた文字は美しく、本当に達筆で驚きました。その後も、尺八の演奏に合わせて、「無」や「空」などの文字、そして墨絵も書いて下さいました。

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サハリン出身のエカテリーナさんの書く字はどれも力強さがありました。日本語もとても流暢です。

吉田さんの尺八の演奏も、本当に素晴らしかったです。そのシンプルで深い音色は、今まであまり聞く機会がなかったとはいえ、日本人の心に染み渡ります。聞きながら目を閉じると、日本の様々な風景が浮かんでくるのです。「やっぱり自分は日本人なんだなあ…」と感じました。  

私にとっては、どこか懐かしく感じる尺八の音でしたが、アルメニア人にとっては初めて聞く音色。しかし、多くの人が真剣に聞き入っていました。「侘び寂び」という日本固有の美意識を理解するのは難しいかもしれませんが、きっと何かが心に伝わったのだと思います。

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吉田さんの演奏はすごかったです。聞き惚れてしまいました!奥さんのエカテリーナさんが、ロシア語で尺八や演奏曲について説明して下さいました。

コンサート後半は、アルメニアの伝統楽器ドゥドゥクの登場です。巨匠ゲヴォルグさんの演奏はさすがでした。リラックスした雰囲気の中、アルメニア人にとって馴染みのある曲を次々と演奏し、観客もとても盛り上がっていました。

そして、最後に吉田さんも舞台に上がり、尺八とドゥドゥクの共演が始まりました。吉田さんがアルメニアの曲を尺八で吹くと、観客は大喜びで拍手喝采!すごい盛り上がりでした。遠く離れた二つの国の伝統楽器が、一緒に音楽を奏でる様子は感動的でした。

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物悲しいドゥドゥクの音色も、私は大好きです。ドゥドゥクと尺八の共演が見れるとは…これには会場全体が盛り上がりました。まさに、両国の友好親善のコンサート!

とても素晴らしいコンサートで、忘れられない一時を過ごすことができました。企画された尾崎さん、はるばるアルメニアまで来て下さった吉田さん、エカテリーナさんには心から感謝したいと思います。本当にありがとうございました!

それでは、コンサートの様子を動画でご覧下さい。



ちなみに、その晩は吉田さん・エカテリーナさん夫妻と一緒に食事をして、いろんな話に花を咲かせました。やはり芸術家の道というのは苦労が多いようですが、とても仲が良く楽しいお二人で、たくさん元気をもらえました。

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