博物館のようなお宅訪問
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4月8日はイースター(復活祭)でした。その前日、ある有名な方のお宅にお邪魔しました。というのも、日本から染織品修復の専門家が来られていて、その方々が招待されました。そして、妻が日本語通訳をやっているので、私も一緒に行くことができたというわけです。
ルシク・アグレツィという、アルメニアの伝統を守り続けている女性で、テレビにもよく出るそうです。大統領夫人や海外のVIPも訪問するというお宅。一体どんな所なのか期待を膨らませてお邪魔したんですが、実際にすごかったです。
「ようこそ」と笑顔で出迎えてくれたルシクさん。何と、身に着けているのは民族衣装。少し現代風にアレンジされていますが、普段から民族衣装を着ている人なんて初めて見たので、本当に驚きました。半端ないですねえ…
まず彼女が案内してくれたのは、亡くなられたご主人の作業場。有名な彫刻家だったそうで、所狭しと作品が飾られていました。息子さんも、彫刻家として活躍されているそうです。
芸術家一家で、普通に芸術作品が家にゴロゴロと置かれています。庭の木には、可愛いリスの彫刻が。
そして、もっとすごいのはお宅の中。価値のある骨董品や芸術品の数々が、普通に家中に置かれていました。まるで博物館です。というか、本当に近い将来、博物館になるという話があるそうです。一つ一つの物が時代を感じさせるというか、とにかく味があるんですよねえ…
自宅の骨董品や伝統工芸品、そしてアルメニアの伝統文化を紹介した本を出版されていて、それを見せて下さいました。500ページに及ぶ立派な本でした。
ただただ驚くばかりで、みんな写真を撮りまくっていました。こんなことには慣れているんでしょう。ルシクさんは、親切に家中を案内してくれます。有名人なのに、すごく気さくな方でした。ルシクさん自身も画家で、アトリエには多くの作品が飾られていました。
広いアトリエ。ルシクさんの作品は、まるでゴッホのようなタッチで強烈な印象を残します。指で絵の具を塗るのだそうです。
夕食の食卓も素晴らしかったです。卵や人形でイースターの飾りが施され、食事もとても美味しかったです。ルシクさんのお話も興味深いものでした。例えば、「どうやって、これだけの物を収集されたのか?」
彼女は、元々ナヒチェバンというアゼルバイジャンの飛び地に住んでいましたが、ナゴルノ・カラバフ戦争のとき、そこのアルメニア人は全て追放されました。彼女も家族と共に逃げてきたのです。
その後、トルコ語が上手なルシクさんは、アルメニア人とばれないように故郷に度々戻り、残された芸術品や骨董品を買って持ち帰ってきました。しかし、最後には怪しまれて、命からがら脱出したのだそうです。
いやあ、波乱万丈の人生ですね。故郷追われた経験から、一生懸命自分たちの文化を守ろうとされているのでしょう…
イースターの食卓。見た目もきれいですし、美味しかったです。年代物のピアノが置いてあり、少し弾かせて頂きました。写真で見ると、すごい所で弾いていますね、私。
- [2012/04/10 18:36]
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