日本文化セミナー
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先週末、アルメニアで日本文化セミナーが開催されました。日本から山田みどり先生が来られて、生け花、茶道、墨絵のレクチャーをして下さいました。
実は、去年も同じセミナーが行われる予定でしたが、震災のために取りやめになってしまったのです。今年は無事に開かれて、私と妻も参加してきました。
初日のオープニングは、生け花のデモンストレーション。間近で花を生ける様子を見るのは、恐らくこれが初めてだったと思いますが、そこには深い哲学があって、日本人の私にとっても新鮮なものでした。例えば、「天地人」という三要素を花や枝で配置し、宇宙を表現するそうです。
たくさんの人が集まり、山田先生が花を生ける様子を興味深く見ていました。美しい先生の作品。いろいろな国でセミナーをされるので、山田先生はその国にある花を使って生けるのだそうです。
翌日は、茶道のセミナー。先生と一緒に来られたロシア人の先生が、お茶をたてて、先生は茶道の歴史などを説明されました。一つ一つの動作が美しく、「お茶を飲む」という日常的な行為が芸術として昇華されているのを実感しました。華道も茶道もやったことはないですが、とても面白くて真剣に見入ってしまいました。
お茶をたてるロシア人の先生たち。その堂に入った佇まいは、外国人だと全く感じさせませんでした。山田先生が、一人ひとりにお茶菓子を配って下さいました。久々に飲む抹茶は美味しかったです。
そして最終日は、一番楽しみにしていた墨絵。私は絵が好きなんですが、初めて挑戦する墨絵は思った以上に難しかったです。筆を入れる前に、その濃淡やにじみなどが予想できず、思うような線や形が描けないのです。先生は、さっと上手に描かれるのですが、やはり同じようにはいきません…でも、楽しかったですね。
先生がまず見本を書いて下さいました。墨の濃淡を使い、一筆で様々なものを表現します。私は、一回目は全然で、2回目にまあまあの出来となりました。参加者はみな楽しそうに描いていました。もう少し上手くなって、学生に教えたいですね。
今回紹介してくださった日本文化に共通して言えるのは、「足すのでは削る」「一瞬のはかない美」ではないかと感じました。とにかく余分なものを削って、シンプルさを重んじるということ。そして、一瞬の刹那の中にある美を表現するということ。「侘び錆」とか「儚さ」という言葉で表現される日本の伝統美を、久々に再認識することができました。本当に素晴らしいセミナーでした。
何より、これだけの日本文化に精通されている山田みどり先生が素晴らしい方でした。崩壊直前のロシアに単身渡られ、20年近くロシアで日本文化の普及に尽力されてきたすごい方です。凛とされていますが、とても気さくな方で、同じように単身アルメニアに来た私と親身に話して下さいました。
「いろいろ大変でしょうけど、頑張ってくださいね」という言葉に、大変励まされました。先生との出会いが、このセミナーの何よりの収穫だったと思います。先生、本当にありがとうございました!またアルメニアにいらっしゃって下さい!
山田みどり先生についての記事
- [2012/03/26 23:34]
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