アルメニア人虐殺否定禁止法案 

24日の夜は友人宅で食事会が開かれ、とても楽しい時間を過ごしました。お陰で、素敵なクリスマスイブとなりました。

さて、先週フランスの下院で、「アルメニア人虐殺否定禁止法案」が可決されました。上院での採決はまだですが、当然トルコは猛反発しています。駐フランス大使の召還などを表明し、「フランスは自国の血塗られた歴史をを見直すべき!」と激しく抗議しています。

仏下院がアルメニア人虐殺否定禁止法案を可決

確かにフランスは、アルジェリアでは無差別攻撃で市民を虐殺したり、ルアンダ内戦では虐殺に加担したりという歴史があります。アルジェリアの大統領が公式謝罪を求めた時、フランス政府は「歴史を明らかにするのは政治家ではなく、歴史家の仕事だ」と拒否したそうです。

そのフランスが可決したのが、「オスマントルコによるアルメニア人虐殺を公の場で否定することを禁止する」法案。実は、前回選挙前の2006年にも下院で可決されたのですが、4年間も未処理のまま放置され、今年上院が不受理を決めました。ですから、今回も来年の選挙をにらんだ集票対策との見方が強いです。

フランスには、50万人ものアルメニア系住民がいますからねえ。しかも、フランスのアルメニア・ロビーの力は相当強いそうです。このタイミングを見ると、あからさまな選挙対策に思えて、真剣に成立させる気があるのかどうか怪しいです。

とはいえ、さすがに2度目ですから、今回は上院でちゃんと審議されて可決される可能性もあります。しかし、それはちょっと…というのが、私個人の気持ちです。虐殺の事実はあっただろうという立場ですが、国家権力で思想や主張を制限することには賛成しかねます。

4年前、フラント・ディンクというジャーナリストが、極右のトルコ人青年に暗殺されました。アルメニア系トルコ人だったディンク氏は、ずっと虐殺の事実を告発してきましたが、フランスのこのような動きには反対していました。ジャーナリストだった彼は、言論の自由の大切さをよく分かっていたのでしょう。

しかし、もうすぐ100年が経つ虐殺の記憶はどんどん風化しています。アルメニア人が伝え続けても、国際的には忘れ去られる恐れがあります。そういう意味で、今回の法案問題は、虐殺の歴史が改めて注目される良いきっかけかもしれません。ただ、言論の自由の観点から、法案の可否には慎重になるべきだと思います。

過去にもう一つのブログで、この問題について書いたことがあるので、そちらもどうぞご覧ください。

旅をする木 「言論の自由」

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