カンニング問題の続き
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さて、問題のテストを家で採点したら、やっぱり同じ答え、同じ間違い、更には同じひらがなやカタカナの間違いまで続出。途中で採点する気が失せました。そりゃ、あんな無法状態ですからね…あまりのひどさに戸惑って、半ば放置してしまった私にも責任はあります。
しかし、テスト結果を見て、「学生には反省してもらわないといかん!」と思い、再テストをすることにしました。しかも、次の授業で予告なしにやりました。当然、学生はブーブー文句言いましたが、監視の手伝いで来てもらっていた友人が、厳しい口調で叱りつけて強引にテスト開始。
その友人も、私の話を聞いて呆れ返っていたんです。同じアルメニア人として恥ずかしい気持ちもあったんでしょう。「言うこと聞かなかったら、私が学生を叱りつける!」と息巻いていました。実際どっちが先生か分からないぐらいに、学生たちは彼女にビビってました。
再テストに対する反発から、一つのクラスでは白紙で出してさっさと退出する学生も何人かいましたが、彼らは普段から素行に問題があったので、どうせ何もできないでしょう。容赦なく0点つけます。幸い、ほとんどの学生が残ってテストを受けました。さすがに誰もカンニングはしませんでした。
しかし、残った学生たちの多くも、あまり出来ませんでした。予告なしにやったのは懲罰の意味合いもあったんですが、彼らの本当の実力もよく分かりました。いかに付け焼刃の勉強だったか、いかにカンニングに頼っていたか…抜き打ちでテストをして良かったです。
テスト後、「絶対にカンニングは許さない。次やったら即0点!自分の実力で受けなさい!」と話しました。学生たちもしょぼくれて、「はい、分かりました」と納得した様子。それでも半信半疑でしたが、授業後に一人の学生が、「先週のテストでは友人と教えあったりして、本当にすみませんでした…」と謝りに来たので、少しは反省したかもしれません。
この再テストだけで評価すると、ほとんどの学生が落第点になるため、先週のテストと合わせて上手く採点するつもりです。白紙で退出した学生は問題外ですが、他の学生たちは素直にテストを受けたことを考慮してあげないと。それに落とすためではなく、ルールを守ることを教えるのが目的でしたから。
いやあ、今回は疲れました。これで改善するかどうか…コロンビアでも、ずっとカンニングの問題には困らされましたから。まあ、普段ニコニコしている私が学生に厳しく接する良いチャンスでした。やはりお互い人間ですから、思うようにはいきません。時には摩擦が起こるものです。
その摩擦も、学生たちと真剣に向き合うからこそ起こるわけで、今回厳しく対処したのは、教師として正しい判断だったと思います。大変は大変ですが、こんな問題をどう乗り越えるかというところが、教師の仕事の醍醐味の一つです。今回のことを糧にして、また頑張ります。
こんな風に前向きに考えられるのも、やはりコロンビアでの日本語教師経験が大きいです。それについては、別のブログの記事をどうぞ。
ひどい学校
コロンビアで日本語教師
記事とは全く関係ない写真ですが、アパート近くの公園です。木々が色づき美しいです。いつもここの落ち葉をパサパサと踏みしめながら、歩いて大学へ向かいます。
- [2010/12/02 12:11]
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コメント
初めまして、アルメニアに興味を持って、ネット検索していたらここにたどり着きました。
ご友人が怒っていたという事は、ご友人が学生だったとき、(おそらくソ連時代)はカンニングはなかったということでしょうか。
「アルメニアを知るための65章」という本には、ソ連崩壊後、アルメニアの教育事情は著しく悪化した、教育予算が減らされたというような事が書いてありましたが。貴方のこの記事はそれの裏付けのように思えました。
教育費が先進国最低レベルの日本も人の心配している場合ではないですが、教育がうまくいかないということは次世代の人材が育たないということであると思いますので、親アルメニアの自分としては憂慮しています。
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