グルジアの大切な友人
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アルメニアのビザが切れるので来月グルジアへ行きますが、友人たちとも再会してきます。その中に、とても大切な友人がいます。10年前の旅で知り合い、今もグルジアへ行く度に会います。彼は私より20歳上の男性で、何と誕生日が同じ。不思議な縁を感じますし、何より私という人間を変えてくれた恩人です。
10年前の私は、結婚や家族というものに否定的な考えを持っていました。子供の頃に両親の不仲を見ていて、「結婚して家族を持っても幸せになんかなれない。自分は絶対に結婚なんかしたくない」と思うようになったのです。しかし、旅行中いろいろな国で家族が寄り添い助け合っている姿を見るにつけ、そんな気持ちが揺らぐのを感じてはいました。
当時彼は失業中でしたが、家族がいました。ずっと船乗りだった彼にとって、40を過ぎてから初めて持った家族。奥さんは再婚で13歳の娘がいました。また二人の間には生まれたばかりの赤ちゃんがいました。養わなくてはいけない家族がいるのに、国の独立と共に仕事を失い、彼は辛い日々を過ごしていたと思います。当時のグルジアは、そんな人がたくさんいました。
しかし家族はとても仲がよく、彼は生まれたばかりの娘さんを溺愛していました。抱き上げては、「これは俺の宝物。俺の全てだ」と顔をほころばせていました。その姿を見ていると、こちらも幸せな気持ちになり、家族って素晴らしいなと思い始めました。毎日のように彼の家に遊びに行きましたが、いつも心が温かくなっていました。
最後の夜、地下鉄の駅まで見送ってくれ彼が、「独立してから、多くの人が仕事を失い貧しくなった。ソ連時代の方がいいと言う人もいる。でも、ここはロシアじゃなくグルジアだ。俺たちの文化と歴史がある。やはり独立して良かった。今は辛くても、いつも神様が見守ってくれている。何より、俺には自分を支えてくれる家族がいる」と言いました。
その言葉を聞いたとき、自然に涙が溢れてきました。私が旅で探していたのは、こんな人間の愛情や繋がりだったんじゃないかと気づいたのです。そして、自分もいつか彼のように素晴らしい家族を持ちたいと思えるようになりました。「家族や結婚なんて信じられない」と意地を張っていた自分の中で、大きな変化が起こったのが分かりました。
まだ私は結婚していませんが、それ以来結婚や家族というものに否定的な考えを持つことはありません。10年経った今も、彼の家族はいつも私を温かく迎えてくれます。自分を変えてくれた大切な友人との再会を心待ちにしています。
左は10年前の写真。写っている女の子は奥さんの連れ子ですが、彼は自分の娘として大切にしていました。右は4年前の写真。10年前赤ちゃんだった娘さんは、可愛らしい女の子に成長していました。とても明るくて素直ないい子です。
彼との出会いのエピソード記事
- [2010/05/22 15:44]
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