難航する両国の和平プロセス 

雲が空を覆うことが多く、すっきりしない天気が続いていますが、気温は少し上がって、それほど寒くはありません。しかし、来週は一気に寒くなって雪も降るという予報が出ています。

イランとパキスタンの間で緊張が高まりました。中東の紛争が拡大化している時の出来事でヒヤッとしましたが、その後、両国は関係を正常化する方向で動いているようです。しかし、今年も世界情勢は波乱含みの様相を呈しています。

ロボティックスのクラスを終えたアレンが、先日プログラミングのクラスを少し体験しました。本人はあまり関心なさそうですが、ロボティックスで仲良くなかった子供が通うからということで参加しました。悪くはなかったようですが、実際に続けるかどうかは考えたいとのことです。

髪がかなり長くなっていたアレンとレオは、今日いつもの子供用の床屋に行って散髪しました。二人とも長めの方が好きなのと、寒い季節ですから、そんなにバッサリとは切りませんでしが、二人ともけっこうすっきりしました。

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プログラミングのクラスの説明会にはレオも参加しましたが、質疑応答の時間になると、「もう終わり?」と質問して、周りを笑わせていました。あまり関心がないようです。

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前髪を上にまとめて散髪してもらうレオ。女の子みたい!

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散髪後に近くのレストランでハンバーガーを食べるアレンとレオ

さて、記事タイトルにあるように、アルメニアとアゼルバイジャンの和平プロセスに暗い影を落とすようなニュースがありました。それは、先日アリエフ大統領が自国メディアとのインタビューで述べた発言内容です。

アリエフ大統領は、アルメニア領内を通ってアゼルバイジャン本土と飛地ナヒチェバンを結ぶ治外法権を持った回廊、またソ連時代に自国領土であった飛地や国境付近の村の無条件返還を要求し、3年前の戦争以降に占領した国境地域からの自国軍の即時撤退を拒否しました。

アゼルバイジャンが「ザンゲズル回廊」と呼ぶ上記の道路については、これまでも両国間で問題となりました。アルメニアは、停戦合意には「すべての通信輸送ブロックの解除」という文言はあるが、ザンゲズル回廊という言及はないと反論しています。また、たとえ回廊が開通したとしても、アルメニアの管轄下に置かれて管理されるべきだと主張しています。

アルメニアは、その回廊ではなく、イラン領内の交通網を発展させて、アゼルバイジャン本土とナヒチェバンを結ぶ計画を提案しています。ちなみに、イランもそちらの計画を支持し、ザンゲズル回廊には強く反対しています。自国のアルメニアやその北へのアクセスが遮断される可能性があるからです。

昨年9月にカラバフへの軍事作戦を行った後、アゼルバイジャンはイランとの交通開発の協力を進め、ザンゲズル回廊については言及しなくなったのですが、アリエフ大統領はインタビューで、アルメニアが同回廊の開通を受け入れない限り、両国が国境を開くことは決してないと明言しました。

また、アルメニアが和平プロセスに不可欠と主張する国境確定についても、アリエフ大統領は、平和条約締結後に解決すればよいと主張しました。そして、国境確定作業では、アルメニアが基準とする1991年時の境界線ではなく、それより以前のものを参考にすべきであり、当時アゼルバイジャン領だった飛地や村の無条件返還を要求しました。

その上で、国境が確定しない限り、3年前の戦争以降に占領した国境地域から自国軍を撤退させるつもりはないと述べました。つまり、アルメニアが平和条約の前提条件と考える相互の領土承認および国境からの軍撤退について、アゼルバイジャンは相容れない立場であると明確にしたのです。

さらに、平和条約締結において、アルメニアは第三国の保証人が必要だと主張していますが、アリエフ大統領は、それは必要なく、二国間で決定すべき問題だと述べました。アルメニアは、米国やフランスなど西側諸国の仲介を重視しており、それに反発するアリエフ大統領との間には大きな意見の隔たりがあります。

これについては、私個人も欧米による仲介や干渉には疑問を感じています。先日ロシアのラブロフ外相は、「アゼルバイジャンは平和条約に署名する準備があるが、アルメニアの立場は明確ではない。西側諸国による積極的な介入が、元々合意したフォーマットによる交渉の進展を阻害している」と述べました。

アルメニアにすると、不信感から安全保障をロシアに依存したくないという思惑があるでしょう。かといって、西側にすり寄って、この地域に東西対立の構造を持ち込むことは危険です。この地域の問題は、当事国と周辺関係国が話し合って解決すべきであり、西側諸国が自分たちの利害を持ち込んで干渉することではありません。

ウクライナの戦争も、欧米諸国が反ロシアのイデオロギーの下で行う介入のせいで、余計に長期化・泥沼化しています。混乱が続く中東情勢も、欧米は口先ばかりで、これまで現実的な解決を試みることはありませんでした。世界は今ものすごい勢いで多極化しており、アルメニアも自国の利益や立ち位置について長期的な視点で考える必要があると思います。

当然アリエフ大統領による上記の発言や主張に対して、アルメニア政府は反発し、「和平プロセスへの深刻な打撃だ」と非難しました。しかし同時に、交渉は今も継続されており、いかなる困難があっても平和を実現するために努力を行なっていくと表明しました。

アリエフ大統領も、アルメニアと全く相容れない意見を主張すると同時に、なるべく早期に平和条約を締結すべきであり、その基本条件は整っているとインタビューで述べています。どちらも平和条約締結の必要性については一致していますが、そのプロセスや条件に関しては、まだ様々な対立や相違があるわけです。

やはり早期の締結は難しいことが露呈し、残念には思いました。しかし、30年も領土を巡って争い、最終的に武力によって解決されたことを考えれば、融和への道が簡単ではないのは当然のことでしょう。互いの主張や利害がぶつかるのは避けられないことです。

それでも、双方が新たな戦争を望んでおらず、平和条約締結を目指していることは確かで、私は希望を持ち続けています。平和は、どれほど困難があっても達成する価値があるもの。両国が現実的な譲歩や妥協によって歩み寄り、いつかきっと平和が訪れると信じたいと思います。

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