音楽家コミタス 

楽器シュヴィを演奏していたという音楽家がいます。コミタス・ヴァダペットという音楽家で、「アルメニア近代音楽の確立者」、「アルメニア・クラシック音楽の父」と呼ばれています。エレバンには、彼の名を冠した通りがあります。

彼はトルコで生まれたアルメニア人。孤児だった彼は、聖地エチミアジンで修道士となります。そこで音楽の才能を開花させて、アルメニアの民謡収集や作曲活動を行いました。彼の音楽はヨーロッパでも高く評価されて、国外での演奏活動も積極的に行ったそうです。

1915年にオスマントルコによる虐殺が始まり、当時イスタンブールにいたコミタスも検挙されて、僻地へ移送されてしまいます。移送されたアルメニア人のほとんどが亡くなりましたが、コミタスは奇跡的に生き残りました。しかし、その悲惨な経験によって、コミタスは精神を病んでしまいます。

その後もほとんど回復することはなく、音楽活動もできなかったそうです。そして、病に苦しみながらパリで逝去しました。遺体はエレバンに送られ、今も大音楽家として尊敬されると同時に、アルメニア人虐殺の悲劇の象徴とされています。

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エレバンにあるコミタス像。すぐ近くには音楽大学もあります。彼の音楽は、今もアルメニア人に親しまれています。

彼の「Chinar es」という曲。とても美しくて、大好きな曲です。

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