素晴らしかったポーランド旅行 

今日9月27日は、3年前の第二次カラバフ戦争が始まった日。先週アゼルバイジャンによる攻撃があり、カラバフの自治と独立が失われようとしている今、多くのアルメニア人が辛く複雑な思いでこの日を過ごしているのではないでしょうか…

そのカラバフ情勢ですが、すでに3万人もの避難民がアルメニア本土に到着したそうです。これはカラバフの人口の4分の1。多くの市民は、やはりアゼルバイジャン統治の下で暮らすことに怯え、苦渋の思いで故郷を捨てて、少しでも安全な場所に避難したいのでしょう。今後も増え続けることは確実なため、その受け入れが大きな問題となっています。

今回の出来事は日本でもかなり報道されていますが、それに絡めて、アルメニアの急速なロシア離れを伝える内容も多いようです。確かにパシニャン首相が、「ロシアとの軍事同盟では不十分なことは明らかで、国の安全保障政策を大きく見直す必要がある」と公式に述べるなど、ロシアと距離を置こうとする姿勢が見えます。ただ、西側諸国も信頼に足る相手とは思えないので、その判断が賢明どうかには不安が残ります。

また、昨日夜にカラバフの燃料倉庫の爆発事故があり、これまでに70人近い死者が確認され、多くの負傷者と行方不明者が出たそうです。ただでさえ今カラバフは大変な状況なのに、悲惨なことが続いています…少しでも多くの命が救われることを祈ります。

一昨日、フィリピンから友人の大輔さんがアルメニアに到着しました。昨年も同じ時期に来ていたから、1年ぶりの再会。今回は、大輔さんの会社の役員の一人でもある石井さんもアルメニアを初訪問。4年前に家族でダバオを訪問した時に会って以来です。早速3人で再会を祝って乾杯しました。

元々は一緒に昨日から泊まりがけで旅行に行く予定でしたが、あいにく私が一昨日の夜に急に高熱を出してしまい、今日に延期になりました…家族からうつったのか、流行りの風邪を引いてしまったようです。お陰さまで今朝には熱が下がって、かなり体調も戻ったので、今から出かけます。

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大輔さん、お帰りなさい!石井さん、アルメニアへようこそ!

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大輔さんがフィリピンから持って来てくれたドラゴンフルーツを嬉しそうに切るアレン

さて、アルメニア情勢が混乱しているため、ずっと投稿できていなかったポーランド旅行の続きをご紹介します。やっと今回が最後。楽しい思い出がたくさんできた旅行だったから、すべてご紹介するのに時間が掛かってしまいました…

最後の二日間はワルシャワで過ごしました。1日目の日曜、私と聖美さんはお昼過ぎにウォッカ博物館に行きました。ポーランドはビールが美味しかったけど、やはり有名なのはウォッカ!まだ旧ソ連の衛星国だった時代に「ウォッカのルーツはロシアではなく、我がポーランドだ!」と異議を唱えるぐらい誇りを持っています。

実際にポーランドのウォッカの歴史は古く、11世紀頃には存在していたという説もありますが、少なくとも600年前から製造されていたそうです。そんなポーランド人の誇りであるウォッカの博物館は、酒好きの私にとって外してはいけない場所。ということで、同じく酒に目のない聖美さんと訪問しました。もちろん聖美さんは過去に訪問したことがあります。

ガイドが映像や資料を見せながら、ポーランドのウォッカの歴史や製造工程などをユーモアを交えながら説明してくれました。ガイドの説明からも、自国のウォッカに対する強いプライドが伝わります。その国産の原材料にこだわって作られる高品質のウォッカは世界中で愛飲されています。

ツアーの最後はもちろんテイスティング!原材料や金額が異なる4種類のウォッカを試飲します。ガイドが「口に数秒含んでから喉に流し込むと、ウォッカの風味や味をより楽しめる」と教えてくれたので、その飲み方で順番に飲んでいきました。最後が一番高価なものでしたが、私はその前の3番目のウォッカが気に入りました。というか、どれも美味しかった!そして、4杯も飲んだのに、大して酔いが回らないのも驚き!酒好きには堪らない楽しい見学になりました。

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ワルシャワのウォッカ博物館を訪問

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ポーランド人の誇りであるウォッカの歴史や製造工程の説明を興味深く聞くことができました

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過去の様々なブランドのウォッカが飾られているスペース。ボトルやラベルも芸術ですね!

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お楽しみのテイスティング!4種類のウォッカを試飲しました。

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どれも美味しかったー!個人的には3番目に飲んだのが好み!

それから、ワジェンキ公園の無料コンサートに行ってきました。夏の毎日曜にショパンの曲がピアノで演奏されるので、前の週末に続いて、また聴きに行くことにしたのです。妻と息子たちと公園で合流し、木陰に座って美しい音楽を満喫しました。こんな素晴らしい機会が無料だなんて、本当に羨ましい!

コンサートを聴いてから、公園内を散歩しました。ワルシャワ水上宮殿などを見ながら、美しい自然の中を歩くのは気持ちが良かったです。多くの市民がくつろいでいました。とにかくワルシャワは緑豊かな公園が多くて、これも本当に羨ましい!ちなみにアレンとレオは、聖美さん宅の近所の公園でハリネズミを見つけたそうです。リスはよく見かけるけど、ハリネズミまで見つけるとはすごい!

その日の夜は、ベトナム料理を食べました。ベトナム人がやっている本格的なお店で、どれもめっちゃ美味しかった!だから、食べ過ぎてしまいました。ポーランドで私は少し太りましたね…帰宅してから、ポーランドで過ごす最後の夜ということで、聖美さんと遅くまで飲んで語り合いました。というか、毎晩遅くまで飲んでましたけどね。「来てくれてありがとう!」と聖美さんは何度も言ってくれましたが、いろいろとお世話になった私たちの方こそ本当に感謝です。

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ショパンの銅像の下で開かれる無料コンサート。美しい音楽を堪能できました。

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コンサート後に自然豊かな公園内を散策しました

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ワジェンキ水上宮殿

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木の葉が色づき始めていて、秋の気配を感じました

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公園には放し飼いの孔雀もいました

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首都なのに美しい自然に恵まれたワルシャワ

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本格的で美味しいベトナム料理!

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ポーランド最後の夜も、聖美さんと夜中3時ぐらいまで飲みました。飲まないとこぼれるように傾いた形のグラスが面白い!

出発の日は、聖美さんの知り合いの日本人美容師が来てくれて、妻にヘアカットとマッサージをしてくれました。日本で知り合ったポーランド人男性と結婚して、今年春にワルシャワに移住したそうです。美容師の経験と腕前を活かして、個人で仕事をしているとのこと。彼女は、その前の週に聖美さんたちが開いた夕食会にも来ていました。

ヘアカットは見学させてもらいましたが、腰のシザーケースにいろんなハサミやクシなどが入っていて本格的!例えば、濡れた髪と乾いた髪とで切る時は異なるハサミを使うそうです。そこまで使い分けたりするんですね。見ていると、明らかにアルメニアの美容師とは仕事のレベルや丁寧さが断然違う!そんなプロにきれいに切ってもらって、妻も嬉しそう。

ヘアカット後のマッサージは寝室でするので、なるべく邪魔しないよう、私は息子たちを公園に連れて行きました。近所の公園には、大人用の筋トレ器具や子供用の遊具が置いてあり、それでアレンとレオも楽しそうに遊んでいました。妻の後に私がヘッドスパを受ける予定だったので、1時間半ほど経ってから家に戻りました。

帰ると、妻はきれいに髪を切ってもらって、またマッサージも気持ちよかったみたいで、とてもスッキリした顔をしていました。私も頭と首筋を30分マッサージしてもらいましたが、すごく気持ちよくて寝そうになりました。自分では気づかなかったけど、首筋がすごく凝っていたらしく、よく揉んでもらってかなり柔らかくなりました。まさかポーランドで日本人美容師のサービスを受けられるとは…瑞季さん、どうもありがとうございました!

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サービスで、ワカメちゃんカットになっていたアレンの前髪をすいてもらいました。シザーケースがすごい!

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妻のヘアカット。丁寧な仕事に妻はすごく満足していました。ありがとうございました!

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公園の筋トレ危惧で遊ぶアレンとレオ

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兄弟仲良く遊具で遊ぶアレンとレオ。公園に安全な遊具がたくさんあるのも羨ましい!

それから、最後の昼食と観光を兼ねて旧市街方面に向かいました。もちろんポーランド料理を食べました。ジュレックやピエロギを食べて、ビールを飲みました。ポーランドは食事もビールも美味しかった!そして、アルメニアから行っても、あまり物価が高いとは感じないから、とても過ごしやすかったです。

食事後は、聖十字架教会を見学しました。ここの柱の一本には、ショパンの心臓が眠っています。ショパンの遺体はパリにあるのですが、ロシアなどの支配下にあった祖国ポーランドに帰国できず、せめて心臓だけは祖国に埋葬してほしいというのが、彼の生前からの願いでした。ショパンの最期を看取った姉が、その心臓をドレスの下に隠して国境を越えたそうです。

第二次世界大戦中、心臓はナチスによって持ち出されたらしいですが、戦後に教会が再建された後、無事に元の柱の中に戻ったそうです。荘厳な雰囲気が漂う教会の中で、ショパンの心臓が眠る柱を前にした時は、彼が祖国愛を込めて作ったマズルカやポロネーズのメロディが心に流れてきました。今回ポーランドを再訪問して、ショパンの音楽家としての偉大さ、また彼の音楽の素晴らしさを改めて認識することができました。

最後の観光を終えて、ダグラス・聖美さん夫婦と空港に向かいました。子供連れだったから、優先的にチェックインできました。今回も二人のお陰で、毎日がとても楽しく充実した旅行となりました。本当の孫のようにアレンとレオにも優しくしてくれました。心から感謝しています!本当にありがとうございました!また会いましょう!

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みんなで最後の食事。ポーランドの料理とビールは美味しかったー!

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ダグラスさんに軽々と引きずられるレオ

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ショパンの心臓が安置されている聖十字架教会

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ショパンの心臓が眠る柱。その前に立つと、厳かな気持ちになりました。

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バロック様式の教会内部も美しかったです

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空港で記念撮影。ダグラスさん・聖美さん、本当にありがとうございました!素敵な夏の思い出になりました!

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