原爆の日の追悼式典に参加 

予報どおり、最高気温が40℃近くに達する暑い日が続いています。まるでドライサウナ状態…週末は40℃を超えるようですが、セヴァン湖に泊まりがけで出かける予定なので涼しく過ごせそうです。向こうの最高気温は30℃以下で、エレバンより10℃以上も低い!

先週土曜は、久しぶりに家族で映画鑑賞に行きました。今年2月にエレバンで開催された日本映画祭で「猫侍」を見た以来だから、約半年ぶり。家にいると息子たちは携帯やタブレットを見ることが多いし、かといって外は暑いし…ということで、映画でも観に行こうかと思ったのです。

調べてみたら、ちょうどショッピングモールで「マイ・エレメント」を上映していました。ディズニーとピクサー制作のアニメーションで、評価は高いみたいです。というか、年齢制限のせいで、息子たちが観れる映画は他にありませんでした。ただ、ロシア語吹き替えだから、私だけさっぱり分かりません。なので、事前にネットで調べて、大まかなストーリーは把握しておきました。

モールにある映画館でチケットを買って、さらにポップコーンも買って、映画館に入りました。大きなスクリーンを前にすると、それだけで気分が盛り上がります。やっぱり映画館っていいなあー!室内が暗くなって映画が始まりました。やはりロシア語のセリフは分かりませんでしたが、子供向けだから内容はシンプルだし、事前にストーリーを調べていたお陰で、おおよそ理解できました。

アレンもレオもロシア語のセリフをほとんど理解できたみたいで、最後まで飽きずに観ていました。そういう環境に生まれ育ったから当然とはいえ、普通にアルメニア語・ロシア語・日本語が分かるなんて我が子ながら感心します。二人とも、「面白かった!」とのこと。やっぱりディズニーって映像がきれいだし、動きがダイナミックだから見応えありますね。私も妻も楽しめました。

364393652_3406966176182829_8062161537899767291_narmenia23-8-9.jpg
久々に映画館で見たのは「マイ・エレメント 」

364423895_643222431108324_3593180261516393292_narmenia23-8-9.jpg
ポップコーンも買って、上映を楽しみに待つアレンとレオ

364396452_598117892237886_3872599157690955965_narmenia23-8-9.jpg
映画鑑賞の後、射的ゲームに挑戦!

364514991_319405463846259_1632413400357721983_narmenia23-8-9.jpg
レオも挑戦!二人とも小さな景品をゲットしました。

さて、8月6日は78年前に広島に原爆が投下された日。今年も広島の「祈りの石」が設置されているエレバン中心部の公園で、ヒカリセンターによる追悼式典が開かれたので、私も家族と共に参加してきました。この祈りの石は、広島に落とされた原爆の爆心地から200mも離れていない市電で使われていた敷石で、9年前にアルメニアに寄贈されました(こちら)

式典では、福島日本大使とヒカリセンターのカリネ会長が、犠牲者への追悼と世界の平和を願ってスピーチをされました。その後、全員で黙祷を捧げました。センターの子供たちが作った折り鶴が祈りの石に掛けられて、日本の歌や平和をテーマにした俳句が紹介されました。そして、みんなで灯籠を捧げました。

同日は広島で記念式典が行われ、知事が改めて核廃絶を訴えました。その中で、昨年と同じく、ロシアのウクライナ侵攻を批判しながら、核抑止論の矛盾を指摘しました。先月のメドベージェフ前大統領の発言に対する抗議もあったのかもしれません。その発言とは、「米国が広島と長崎に原爆を投下したように核兵器を使えば、ウクライナとの戦争はすぐ終わる」というもの。

これが本当であれば非難されて然るべき問題発言ですが、その全体を原文で読むと、マスコミが恣意的に切り取り、歪曲して伝えられているような気がします。以下がメドベージェフ前大統領の実際の発言の内容です。

「あらゆる戦争は、交渉か核兵器の使用で終わせることができるだろう。例えば、米国は広島と長崎に原爆を投下して戦争を早く終結させることはできたが、30万人もの命が失われた。NATO諸国がウクライナへの軍事支援を停止すれば、この紛争は直ちに交渉によって終結できる可能性がある」

私は上の発言を聞いて、「戦争を早く終わらせるために核兵器を使えばいい」という趣旨だとは受け取りにくいです。それよりは、「核兵器使用による犠牲は甚大なもので、戦争は交渉によって解決すべきだが、NATO諸国がそれを阻害している」というのが真意ではないでしょうか。

こう書くと反感を買いそうですが、私は別にロシアを擁護するつもりはありません。偏った情報や先入観ではなく、できるだけ事実全体に基づいて物事を判断したいだけなのです。そのために、私はメディアの報道を鵜呑みにせず、一体何が真実なのかを自分で多角的に調べるようにしています。

ウクライナ情勢も調べていくと、ロシアとウクライナの二国間の戦争、またはロシアによるウクライナへの一方的な侵略という捉え方をしていては見えない事実が数多く浮かび上がってきます。そして、それらの事実を冷静に直視しない限り、戦争が起こった原因を理解することはできません。正しく原因を理解しなければ、現実的な解決の道筋を探ることもできません。

戦争が悲惨なものであること、平和が何より尊いものであることは誰もが分かっています。劣化ウラン弾含め、あらゆる核兵器の使用も許されることではありません。なのに、戦争が起こるのはなぜか…その原因や背景は複雑なのに、メディアはそれを追求しようとせず、一方的かつ表層的な情報を垂れ流して、人々を不都合な真実から目を逸らせようとします。

アルメニアとアゼルバイジャンの領土紛争も同じです。30年間も交渉してきたのに解決に至らず、3年前の悲惨な戦争を招いたのは、為政者らが恣意的に情報を操作して国民を欺き続け、自国の大義名分だけに執着し、現実的な譲歩や妥協を避けてきたことが大きな原因です。

どれだけ情報社会が発達しても、人間は見たいものだけを見て、聞きたいことだけを聞き、信じたいことだけを信じる傾向があります。しかし、事実というのは、人間の感情や先入観など関係なく起こります。それどころか、実際は見たくない、聞きたくない、信じたくない不都合なことの方が多いかもしれません。

ウクライア情勢もそうですが、あらゆる戦争には完全な善悪など存在せず、メディアが喧伝する短絡的な善悪二元論だと事実を正確に把握することはできません。現に米英が利己的な大義名分を掲げてイラクやアフガンで行った戦争、対ウクライナ支援という名目で富を稼ぐ政治家や軍需産業などを見れば、この世界がいかに欺瞞と矛盾に満ちているかは明白です。

にも関わらず、まるで西側諸国が絶対的正義かのような報道ばかりで、とにかくロシアを打ち負かすまでウクライナに軍事支援すべきだという論調ですが、それが本当に問題の解決になるのか甚だ疑問です。それどころか、逆に事態を泥沼化させている気がします。偏った情報を盲信し、感情的な善悪二元論に支配されているせいで、多くの人が思考停止に陥り、冷静に物事を見れなくなってはいないでしょうか…

広島の原爆死没者慰霊碑には、「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」という碑文が刻まれています。これは戦争や核兵器の使用という悲劇を繰り返さないという平和の誓い。当時は不可逆的に戦争へと突き進む国際情勢や国内世論があったかもしれませんが、戦争が起こる過程というのは今の時代も同じです。そして、人間が容易く洗脳されて誘導されやすいということも…

3年前に、いかに戦争が悲惨で酷いものかを嫌というほど思い知りました。同時に、人間が感情や先入観、メディアの情報や世論に基づく一方的な正義を盲信してしまう危険性も痛感しました。私自身もそういう部分があったと自戒の念を強く持ちました。同じ過ちを繰り返さないためにも、常に疑う目を持ち、客観的に物事を見つめ、自分で調べる姿勢を忘れないようにしたいと思います。

363900222_843102434009627_5661254741141773928_narmenia23-8-9.jpg
式典に向かう途中、近くの公園を散策しました。ここは噴水が有名です。

364254860_3463856573855805_1095497463165255085_narmenia23-8-9.jpg
暑いから子供たちがびしょ濡れなって遊んでいました

364417278_1022173472244991_2362878043948926133_narmenia23-8-9.jpg
原爆の犠牲者の追悼式典でスピーチされる福島大使

359818088_688815233288958_2206699347604475743_narmenia23-8-9.jpg
折り鶴と灯籠が捧げられた祈りの石。アルメニアにも平和が訪れますように!

364455866_809470307502164_3320990872809246267_narmenia23-8-9.jpg
式典の後でラーメンを食べに行きました。けっこう美味しくて、妻も息子たちも気に入っていました。

364170821_106787925849241_1364545491402518951_narmenia23-8-9.jpg
共和国広場では夏の風物詩の噴水ショーが行われていて、多くの人で賑わっていました

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://armeniajapan.blog54.fc2.com/tb.php/1395-8d74a324