第11回アルメニア日本語弁論大会 

昨日未明にトルコ南部で大規模な地震が発生し、トルコとシリアで数千人もの死者が出ています。懸命な救助活動が行われていますが、死傷者は増え続けています。厳冬期の上に、被害規模を考えると、死者数は1万人を超える可能性もあります。シリアでは、アルメニア系住民にも被害が出ているようで、あまりに甚大な自然災害に言葉を失います。

この地震の影響で、昨日アルメニアでも震度3〜4の地震が観測されました。母国・日本は地震国で、ここアルメニアも34年前に2万人以上が亡くなったスピタク大地震がありました。だから、全く他人事には思えず、トルコやシリアの被災者のことを思うと胸が締め付けられます。一人でも多くの命が助かりますように…

世界各国が支援を表明していますが、アルメニアもトルコ・シリア両国に人道支援を提供するそうです。素晴らしい!虐殺の歴史問題などを抱えるトルコへの支援については、よく思わないアルメニア人は少なくないでしょう。でも、困った時はお互い様だし、アルメニアも同じ大地震を経験した国です。また、アルメニアとトルコは国交正常化に向けて交渉を進めているので、今回の支援提供は両国関係にとって大変重要だと思います。

ところで、息子たちはこの二日間、学校を休んでいます。昨日アレンは鼻をズルズルさせて、お腹の調子もよくなかったから休ませることにしました。そうなると、レオも通学したがらないから休み。そして、昨日二人が家で遊びまわっている時に、アレンが足の指を強く打ってしまい、今日も歩くのが辛いので休み。そうなるとレオも休み…なんという悪循環。さすがに明日からは学校に行ってほしい!

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仲睦まじい兄弟なのはいいんだけど、仲良く一緒に学校まで休むのはちょっと…

さて日曜は、第11回アルメニア日本語弁論大会が行われました。いつもは秋頃に実施されますが、今回は年明けのこの時期となりました。学生部門には3名、一般部門には10名が参加しました。当日のエレバンは大雪で、交通のことが心配されましたが、無事に参加者全員が会場に来ました。

会場となったロシア・アルメニア大学の副学長、また福島日本大使の挨拶で弁論大会が幕を開けました。まずは一般部門からで、大学生以外の人たちが日本語でスピーチしました。やはり人前で、しかも日本語で話すのは緊張するから、途中で忘れてしまったり、言葉に詰まったりする人もいましたが、みんな頑張って話しました。

私は今回も、スピーチの後に質問する担当でした。難しくない質問を用意したので、みんなちゃんと答えられましたが、「ブラッククローバー」というアニメについて話した男子高校生との質疑応答は面白かったです。子供の頃、そのアニメの主人公に似た素晴らしい友人がいたと言うから、「その人とは今も友達ですか?」と聞くと、「いいえ!」と即答。取りつく島もない感じで、私はポカンとしてしまいました…スピーチでその友人のことをめっちゃ褒めてたのに、まさかの返答に会場からも笑いが起こっていました。

一般部門の7名の参加者がスピーチを終えた時に、司会が「では、今から漫才をご覧ください」と言いました。そう、また私と南江さんとで漫才をしたのです。昨年のいろはセンターの年末イベントで初漫才を披露しましたが、意外に評判がよかったらしく、ルザン会長から弁論大会でも是非やってほしいと頼まれました。

今回も私がネタを考えて、ツッコミを担当、南江さんがボケを担当しました。弁論大会に絡めて、結婚式のスピーチをテーマにした漫才を披露しました。初漫才では会場のリアクションを気にする余裕など全くありませんでしたが、今回は日本人の審査員らの笑い声が聞こえて、それなりにウケていることが分かりました。とはいえ、やっぱりテンポとかが難しいですね。漫才は奥が深い!って、別にこの道を極めようなんて微塵も思っていませんが…

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弁論大会当日、エレバンは大雪でした

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アニメ「ブラッククローバー」についてスピーチしてくれた男子高校生。質問への予想外の返答には驚きました…

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二回目となる漫才に挑戦!動画もあるらしいけど、もちろん載せません。というか、私は初漫才の動画さえ恥ずかしいから見てない…

私たちの漫才の後、一般部門の残りの参加者がスピーチして、それから学生部門のスピーチが始まりました。学生部門は3名と少なかったですが、みんな頑張って日本語で話しました。テーマもけっこう深いものばかりで、とても難しかったと思います。全員がスピーチを終えて、審査員らが別室で結果を決めることになりました。

審査が終わって、お待ちかねの結果発表!まず、福島日本大使から一般部門の結果が発表されました。優勝したのは、「私の人生におけるアート」というテーマで、大好きな芸術について話してくれた女子高生。いろはセンターで日本語を学んでいます。福島大使から賞状や賞品を受け取って嬉しそうにしていました。おめでとうございます!

次に、アルメニア外務省のアジア担当局職員から学生部門の結果が発表されました。3名だけだから全員入賞にはなりますが、映えある1位は、「私の人生における言語の役割」というテーマで、言語を学ぶ面白さや大切さについて話してくれた女子大生。彼女もいろはセンターで日本語を学んでいます。優勝トロフィーを受け取って、とても幸せそうにしていました。おめでとうございます!

入賞者だけでなく、参加者みんなが本当によく頑張ったと思います。ただ、個人的な感想として、もっと本人たちの個性や経験などを掘り下げた内容を話してほしかったと思います。弁論大会のスピーチで重要なのは、知識や情報ではなく、話者がどういう人間かということ。それが伝わる内容じゃないと、どれだけテーマが素晴らしくても、心に残るスピーチになりません。逆にそれがよく伝わるものだと、たとえ何気ないテーマでも印象的なスピーチになります。

とはいえ、難しい日本語の原稿を覚えて、人前で話すというのは本当に大変なことです。少々ミスっても笑いになる漫才でさえ緊張するんだから、真面目にスピーチをする時はその何倍も緊張するでしょう。そんな中で、みんなよく頑張りました!お疲れさまでした!これからも日本語の勉強を頑張ってください!

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「私の人生におけるアート」というテーマでスピーチした女子高生

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彼女はスピーチも質疑応答も上手で、一般部門で優勝に輝きました。おめでとう!

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「私の人生における言語の役割」というテーマでスピーチした大学生

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彼女は学生部門で優勝しました

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福島大使から優勝トロフィーが授与されました。おめでとう!

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みんなお疲れ様でした!これからも日本語の勉強を頑張ってください!

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