久しぶりの観光視察のアテンド
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週末に体調を崩していましたが、火曜あたりから回復しました。けっこう高い熱が出たので、熱が下がった後もだるさが続きました。大輔さんも週末から具合が悪くなって、周りもそういう人が多いので、どうも流行り風邪みたいです。共通の特徴としては、前触れもなくいきなり熱や悪寒が出ること。さっきまで元気だったのに?!と自分でも驚きます。
一昨日9月21日はアルメニアの独立記念日でした。旧ソ連から独立して今年は31周年。しかし、アゼルバイジャンとの軍事衝突が起こり、多くの犠牲が出たばかりなので、華やかな記念行事などは行われませんでした。その軍事衝突では、207人のアルメニア人兵士と市民3人が亡くなったそうです。たった2日の戦闘で、それだけの犠牲が出たとは…心が痛みます。
先日プーチン大統領が予備兵の部分動員を発令しましたが、徴兵逃れのため、その翌日から多くのロシア人が国外へ脱出しています。もちろんアルメニアにも来ていて、普段は200ドルぐらいの航空券が10倍以上に跳ね上がっているそうです。またロシア人が増えますね。そして、不動産価格がまた急騰するかもしれません…
日本で10月から個人旅行者の受け入れ開始など水際対策が大幅に緩和されると思ったら、なんとマスクの着用などを拒否した人をホテル側が宿泊拒否できるという悪法が検討されているとのこと…もうアホすぎて、呆れるのを通り越して笑ってしまいました。日本に行こうと考えている外国人が、もしこのニュース見たら、「日本って大丈夫???」と驚くでしょうね。実は世界に向けたジョークだったと思いたいです。
さて、先週は3日間、日本からの訪問者のアテンドをしました。大輔さんの知り合いの城戸さんという方で、アルメニアは初訪問。私もかなり久しぶりのアテンドの仕事でした。城戸さんは、長く勤めた会社を退職して、地方開発など様々なことに挑戦するため起業されたばかり。いつも大輔さんに、「アルメニアに来てください」と誘われていたらしく、今回来てくださいました。
初日は、大輔さんと空港に迎えに行き、そのままエチミアジンに向かいました。エチミアジン大聖堂敷地内にあるアルメニア料理のレストランで昼食を取ってから、大聖堂や宝物館、ガヤネ教会やリプシメ教会、またズヴァルトノツ遺跡を観光しました。すべて世界遺産に登録されています。残念ながら、大聖堂の修復はまだ終わっておらず(長すぎ…)、内部は入れませんでしたが、着いて早々、アルメニアの古い歴史や素晴らしい文化遺産に城戸さんは感心されていました。
その後にエレバン中心部のホテルにお連れして、近くのレストランで夕食を取りましたが、城戸さんはアルメニア料理を気に入ったみたいで、特に野菜の美味しさに驚いていました。味が濃くて美味しいんですよね。アルメニアのビールやワインも美味しそうに味わっていました。初日から楽しく過ごされたようでよかったです。
到着後、エチミアジン大聖堂敷地内にあるレストランで食事
アルメニア正教総本山のエチミアジン大聖堂。改修中で中は見学できませんでした。
宝物館にあるノアの方舟の木片
ガヤネ教会。ちょうど結婚式が行われていました。
リプシメ教会。当時の面影が現存している貴重な教会です。
ズヴァルトノツ遺跡。当時は高さ45mの立派な大聖堂でした。
2日目も朝から晴れ渡って、最高の観光日和!まず世界遺産のガルニ神殿とゲハルド修道院に向かいました。途中チャレンツアーチという場所に立ち寄ると、とても美しいアララト山の姿を見ることができました。その雄大な風景に城戸さんも大輔さんも感動していました。
それからガルニ神殿を見学し、その渓谷を下りてストーン・シンフォニーと呼ばれる場所も訪問しました。マグマ等が冷却凝固したり、地殻変動などによって玄武岩が六角形の柱状になった光景が見られる場所です。この柱状節理という自然現象で有名な所は、アメリカのデビルズタワー、沖縄・奥武島の畳石などがありますが、アルメニアのストーン・シンフォニーもすごいです。大輔さんも今回が初訪問で、「こんな場所があったんだ!」とその大自然の迫力に驚いていました。
ゲハルド修道院では、見所の一枚岩を掘り抜いて作った岩窟教会に、城戸さんは感心しきりでした。ちょうどその岩窟教会の礼拝所で、女性4人のコーラスグループが賛美歌を歌っていました。透き通るような美しい歌声に感動すると同時に、その物悲しい旋律には、最近起こった軍事衝突のことが思い出されて、胸が締め付けられるような思いがしました。
そこからセヴァン湖に向かいました。右手に真っ青で広大な湖が見えてくると、城戸さんが「オーッ!すごい!」と声を上げました。湖の辺りのレストランで魚料理を食べました。そこは、大輔さんが5年前に初めてアルメニアに来た時にも一緒に食事した場所です。その思い出の場所で、美味しくシグという淡水魚のBBQを頂きました。天気がよくて、標高が1900mあるセヴァン湖もそれほど寒くありませんでした。
そして、湖の半島にあるセヴァン修道院を見学しました。半島の丘を登ると、美しい湖の景色を一望できます。頭上には青空が広がって、とても気持ちがよかったです。修道院を見学してから、丘の上を散策しました。その辺りは観光地で平和そのものですが、最近の軍事衝突の一部はセヴァン湖の北東部でも発生しました。「ずっと向こうの方角の地域ですね」と、城戸さんに説明しました。
エレバンに戻ってから、いろはセンターを訪問して、授業を見学したり、日本語を学ぶ学生たちと交流しました。一生懸命に日本語で話そうとし、日本への憧れを語る学生たちの交流は、城戸さんにとって楽しいひと時になったようです。けっこう盛りだくさんの一日でしたが、城戸さんと大輔さんと楽しく夕食し、最後はコニャックが飲めるバーで語り合いながら過ごしました。
アララト山の素晴らしい景観が見渡せるチャレンツアーチ
城戸さんにアララト山の美しい雄姿を見せられてよかったです
アルメニアに唯一残る異教の神殿ガルニ
気持ちの良い天気で、思わず寝転がる大輔さん
ガルニ神殿の周辺に広がるストーンシンフォニー
ゲハルド修道院では、聖歌隊の美しい歌を聞くことができました
ゲハルドは槍の意味で、今はエチミアジンに保管されているキリストを刺した槍が保管されていることに由来しています
セバン湖のほとりで魚料理を食べました
セバン修道院から広がる雄大な景色
いろはセンターで学生たちと交流しました
3日目は、午前中にアルメニア人虐殺記念碑を訪問しました。その日も雲ひとつない快晴で、アララト山がくっきりと雄姿を見せてくれました。虐殺博物館で、オスマン帝国による大虐殺の歴史や資料を見学しました。悲しくなる場所ですが、日本ではあまり知られていない歴史的悲劇について学べる貴重な場所です。鎮魂の火が絶やさず燃やされている慰霊碑には、その日も花が献げられていました。アルメニア人の苦難の歴史に想いを馳せながら、真の平和がこの国に訪れるように祈りました。
その後は、大輔さんが経営する会社のアルメニア支社の新オフィスにお邪魔しました。私は大輔さんが到着した日に一緒に訪問していますが、「エッ?これがオフィス?!」と誰も驚く大きく立派な一軒家で、100人に達した従業員が働けるようにと先月引っ越したそうです。その日が初訪問の城戸さんもやっぱり驚いていました。まだ新オフィスに出社している人は少ないですが、アルメニアに進出してからたった3年で、こんなに成長しているのはすごいですね。その新オフィスに、トビリシから出張中のJICA事務所の方々も訪問されて、みんなで一緒に昼食を取りました。
ちなみに、そのアルメニア支社は、多言語によるマンガやゲームの翻訳、カスタマーサポートなどの事業を行っているので、興味のある方は下のリンク(英語のみ)をご覧ください。
CCC International LLC
午後は、アルメニアのゲーム会社とTUMOセンターを訪問しました。大輔さんの会社が翻訳の仕事を請け負っている Rockbite Gamesという企業で、Deep Townというゲームが大ヒットしたそうです。アルメニア人の富豪夫妻がすべて出資して創設されたTUMOには、城戸さんはかなり驚いていました。12〜18歳の子供なら誰でも、最先端のIT教育を完全無料で受けれますからね。この画期的な活動は海外にも拡大していて、すでにロシアや中東、ヨーロッパに分校がありますが。来年はロサンゼルスにも開校するそうです。
最後は、カスカード展望台に上って、夕陽に染まるエレバンの街並みとアララト山の素晴らしい景色を堪能しました。実は、私はこの直前にいきなり発熱して、かなり体はだるかったですが、その美しい景色は疲れを忘れさせるほどでした。城戸さんも大輔さんも見惚れていました。ずっと天気に恵まれ、アララト山の雄姿を毎日見ることができた城戸さんはラッキーだったと思います。
私はなんとか夕食までお付き合いして帰宅しました。家で熱を計ってみると、なんと38.8度!薬を飲んですぐ寝ましたが、翌朝もまだ熱があって、城戸さんのお見送りはできませんでした。申し訳ですが、あの体調ではさすがに無理…大輔さんが見送ってくれましたが、その直後に大輔さんも急に体調を崩してしまいました。
お見送りに行けなかったのは残念でしたが、城戸さんはとても楽しんでくれたみたいで、「本当に来てよかった!」と仰っていました。日本で「アルメニアに行く」と言っても、「どこそれ?」と周りは全く分からなかったそうです。もちろんそれが普通で、アルメニアはまだまだ日本でマイナーな未知の国です。渡航する人なんてほとんどいません。
そんなアルメニアを実際に訪れ、知られていない国だけに、きっと多くの発見や驚き、そして感動があったと思います。ここでの体験を日本で周りに話して、少しでもアルメニアの魅力を伝えていただけたら嬉しいです。今回は本当に来て下さってありがとうございました。呼んでくれた大輔さんにも感謝です。
その大輔さんですが、2週間の滞在を終えて、今日のフライトでフィリピンに向かいました。今回は短かったし、途中お互いに体調も崩して、それほど多くの時間を共にできませんでしたが、ロリ地方を一緒に旅行したり、城戸さんが滞在中もずっと一緒でした。時々レストランで飲んだり食べたりして語り合いました。今回もとても楽しかったです。大輔さん、来てくれてありがとう!また会いましょう!
実は、私も今日アルメニアを発ちます。仕事でお隣ジョージアに行くのです。2年半ぶりのジョージア、楽しみです。初の空路入国というのも少しワクワクしています。その時のことはまたブログでお伝えします。
アルメニア人虐殺記念碑からアララト山がきれいに見えました。ずっと天気に恵まれました。
悲惨な虐殺の歴史を伝える記念碑。火が絶やさず燃やされています。
大輔さんの会社のアルメニアオフィスを訪問。JICAの出張者の方々とお会いしました。
アルメニアのゲーム会社を訪問
最先端のIT教育が無料で受けれるTUMOセンターを見学
カスカード展望台から夕陽に染まるアララト山とエレバンの街並みを眺めました
この時はすでに体調が悪かったですが、この景観には見惚れてしまいました
城戸さんと最後の夕食会。とても楽しかったです!ありがとうございました!
大輔さんも今日フィリピンに飛び立っていきました。来てくれてありがとう!楽しかったです!
ジョージアに出張に行くので3日間、子供たちと会えません…元気でいい子でいてね!
- [2022/09/23 17:53]
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