アルメニアとアゼルバイジャンが軍事衝突
- アルメニア情勢
- | トラックバック(0)
- | コメント(1)
今日は、先週末にロリ地方を旅行した時のことをお伝えしようと思ったのですが、深刻なニュースがあったので、急遽そちらを記事にすることにしました。
日本でも報道されていたように、昨日深夜にアルメニアとアゼルバイジャンとの間で激しい軍事衝突が発生しました。アルメニア本土の国境で起こった衝突で、国境近くの村や街も砲撃を受けたそうです。政府発表によると、少なくとも49人の兵士が亡くなり、3人の市民が負傷したとのこと…首都のエレバンなどは紛争地から離れているため、今日も至って普通でした。
アルメニア本土が攻撃を受けたということで、アルメニア政府は、CSTO(集団安全保障条約機構)に正式に支援を要請しました。また、パシニャン首相は、プーチン大統領らとも電話で会談を行いました。その後も一部の地域で衝突が続いていましたが、ロシアの仲介によって、両国は停戦合意に達したようです。とはいえ、前線付近は今も緊迫したままで、予断を許しません。
2年前の戦争後も、両国は険悪な関係にあり、カラバフ地域で小規模の戦闘が発生することはありました。しかし、今回はアルメニア本土の国境線だったため、大規模な争いに発展するのでは…と懸念されました。個人的には、様々なファクトを見る限り、そこまでの事態になる可能性は低いと思っています。
しかし、今回はかなり深刻な衝突だったので、2年前の戦争の記憶が蘇り、最悪の展開もあるかも…と少し不安になりました。憎悪と対立の連鎖に終わりが見えず、暗澹たる気持ちになりました。犠牲者が出たことに深い悲しみを感じました。そして、戦争ほど悲惨なものはなく、平和ほど尊いものはないと改めて痛感しました。
いつものように両国とも、相手が先に挑発行為を行ったと非難し合っているので、アルメニア人は自国の正当性を信じ、愛国心とアゼルバイジャンへの敵対心が高揚しています。アゼルバイジャン側も同じ状況でしょう。しかし、2年前の戦争の経験から、私はマスコミの報道、特に有事の際の一方的な情報を鵜呑みにしないようにしています。「そうに違いない」と先入観を持ったり、盲信することは危険だからです。
真実が分からない限りは、なるべく感情的にならず、冷静に見守るように努めたいと思います。とにかく、また悲惨な争いが起こり、多くの尊い命が奪われてしまいました…停戦合意が守られ、一刻も早く事態が収束するよう祈っています。
- [2022/09/13 22:08]
- アルメニア情勢 |
- トラックバック(0) |
- コメント(1)
- この記事のURL |
- TOP ▲
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://armeniajapan.blog54.fc2.com/tb.php/1317-e02d567e
- | HOME |
コメントの投稿