大輔さんとロリ地方に一泊旅行
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水曜から3日間、日本から来られた方のアテンドで忙しくしていました。かなり久しぶりのアテンドの仕事でしたが、無事に終えることができました。天気にも恵まれて、楽しい時間を過ごすことができました。ただ、私は最終日の夕方ごろに急に発熱して、昨日はずっと寝込んでいました。今日になって熱は下がりましたが、まだ体の節々が痛くてだるい…
13日と14日に起こったアルメニアとアゼルバイジャンとの軍事衝突ですが、ロシアの仲介で停戦合意がなされてからは、特に戦闘は起こっていません。しかし、この衝突によって、アルメニア側の兵士135人が亡くなり、10人以上が捕虜としてアゼルバイジャン軍に拘束されたそうです。多くの尊い命が失われたことにが胸が痛みます。CSTOの使節団がアルメニアに派遣されるなど、国際社会も解決に向けた対応に動いており、事態が早く収束してほしいと願います。
ちなみに、昨日からペロシ米下院議長がアルメニアを訪問しています。今回の軍事衝突を受けての緊急訪問ですが、先月の台湾訪問と同じく、退任前の個人的な政治パフォーマンスとしか思えません。というか、アルメニアとアゼルバイジャンとの問題に対して、米国はいつも口先ばかりでほとんど何もしないので、ペロシ氏の訪問は状況を無駄に混乱させるだけです。
さて、前回投稿を見合わせた、北部ロリ地方の旅行についてご紹介したいと思います。先週末、大輔さんとロリ地方に一泊旅行に行ってきました。私は先月も含めて何回も行ったことがありますが、大輔さんは初訪問。今回もティグランが運転を務めてくれました。土曜は朝から青空が広がる絶好の旅行日和。気分よく出発して、野郎3人旅の始まりです!
エレバンを出てしばらく走ると、丘の上に立つ大きな十字架が見えてきたので、そこに立ち寄りました。キリスト教が国教になってから1700周年の2001年に建てられた十字架で、大小さまざまな十字架で作られています。そこからは、アララト山もきれいに見えて、大輔さんも久々のアルメニアの雄大な風景に見惚れていました。
その後に昼食を取ってから、ロリ地方のホロマイル修道院を訪問しました。7世紀に基礎が作られた崖っ淵に建つ古い教会で、その裏にまわると、深い谷底を見下ろす風光明媚な場所に出ます。ここも何度か訪れたことがありますが、その雄大な渓谷の風景には、いつも息を呑みます。その渓谷の下を覗いてみると、断崖絶壁にへばり付くように建つ小さな教会があります。どうやって建てたのかと驚かされます。大輔さんも、「ここはすごい!」と感動していました。
大輔さんと十字架の前で記念撮影
そこからは遠くにアララト山が見えました
ホロマイル修道院裏にある渓谷
崖の端っこに立ってみました
その渓谷の崖に張り付くように建つ教会
それから、アルドゥヴィ村を訪問して、アルドゥヴィ修道院と「蛇のへそ」と呼ばれる場所を見学しました。アルドゥヴィ修道院は8世紀の古い教会で、独特の美しいハチュカル(十字架石)が残されています。過去にも訪問した時は、いつも教会の扉が閉まっていましたが、今回は開いていたので、神聖な雰囲気に満ちた教会内部を見ることができました。
「蛇のへそ」は、岩山の一つだけ色の違う石の層がくねくね曲がっていて、まるで蛇のような形をしています。伝説によると、大蛇がアルドゥヴィ村を襲った際に、当時の大司教が村を守るために7人の修道士を送りましたが、彼らはみな大蛇に殺されてしまいました。そのため、大司教が祈って、大蛇を石に変え、その石からは聖水が流れるようになったそうです。実際に、そのおへそ辺りの場所から湧き水が流れていて、私と大輔さんもその聖水を汲みました。
歴史あるアルドゥヴィ修道院
神聖な雰囲気が漂う教会内部
「蛇のへそ」と呼ばれる石。一つだけ色の違う断層があります。
私も大輔さんも聖水を汲みました
その後は、6世紀に基礎が作られたというオズン教会を見学しました。この歴史ある教会は、美しいアーチと鐘楼跡が有名です。内部も荘厳な雰囲気で、心が洗われるような気持ちになります。教会で働く女性が、内部の壁に飾られたマリアとキリストの石像を見せて、これは5世紀のものだと説明してくれました。そんな古いものなの?!と驚きましたが、長い歴史を持つアルメニアだったら十分あり得ますね。
それから、宿泊先のハグパット村に行って、世界遺産にも登録されているハグパット修道院を見学しました。10世紀から13世紀にかけて建設された修道院で、最盛期には500人もの修道士がいたそうです。聖堂や教会、鐘楼などがほぼ完全な状態で残り、アルメニア人映画監督パラジャーノフの「ざくろの色」の舞台にもなりました。その一部の壁の端から端まで落ちずに歩き切ると夢が叶うと言われていて、大輔さんが何度か挑戦しました。結局、最後まで渡り切れませんでしたが…
立派なオズン教会
教会のアーチが美しい
立派な鐘楼跡も残っています
礼拝堂で祈る女性
5世紀のものと言われるマリアとキリスト像
世界遺産のハグパット修道院
渡り切ると夢が叶うと言われる壁に挑戦する大輔さん
ホテルで夕食を取ってから、タクシーで COAF SMART センターという民間施設を訪問しました。ここはアルメニア系アメリカ人の富豪が運営するNGOが設立したもので、周辺の村々の子供たちのために、無料でITや言語、音楽や絵画などの教育を行なっています。過去に日本人の方を連れて行ったことがあり、その素晴らしい活動に感動したのを覚えています。大輔さんも、モダンで立派なセンター内部、すべて無償で活動を行っていることに驚いていました。
なぜ夜にも関わらず、そこに行ったかというと、たまたまSTARMUSという宇宙と音楽の祭典の一部が開催されているという情報を聞いたからです。実際に行ってみると、ライトアップされて、コンサートが催されていました。多くの人たちが集まっていて、みんな盛り上がっていました。ちょうど着いた時は、Dogmaというアルメニアのバンドが出演していました。民族音楽とハードロックを融合させたような曲と演奏はとても気に入りました。
ホテルに帰ってから、大輔さんとティグランと飲み直しました。私がギターを弾いて歌ったり、いろいろ語り合ったりと、夜遅くまで楽しい時間を過ごしました。やっぱり野郎だけの旅って最高!
COAFで行われていたコンサート。Dogmaというバンドはすごくよかったです。
大輔さんはCOAF初訪問。無償で行われている素晴らしい活動に驚いていました。
ホテルに戻ってからは、3人で飲んで歌って楽しい時間を過ごしました。
翌日は、ハグパット村に住む20年来の友人のアショットさんのお宅を訪問しました。先月会ったばかりですが、いつものように再会をすごく喜んでくれました。初対面の大輔さんのことも心からもてなしてくれて、一緒に食べたり飲んだりして、今回も楽しい時間を過ごすことができました。彼とは会うたびに、本当に素晴らしい友人を持ったなと思います。
それから、昨日は閉まっていて入れなかったハグパット修道院の内部を見学しました。ちょうど日曜ミサをやっていて、とても荘厳な雰囲気でした。ハグパット村に友人がいることもあって、この教会には何度も来ていますが、私は大好きで、来るたびに心洗われるような気持ちになります。
そこから更に北に向かって、ジョージア国境近くの岩山の上に建つアフタラ教会を訪問しました。ここは10世紀に造られた要塞でもあり、その名残で門も堅固な壁でできています。立派な教会の中に入ると、色鮮やかなフレスコ画を見ることができます。あまり装飾のないアルメニアの教会では珍しいですが、ジョージアに近いため、ジョージアの様式が混在するスタイルになっているのです。過去に一度見学したことがありますが、今回もその美しさに思わずため息が出ました。
20年来の友人アショットさんと再会。ティグランの息子さんのゴッドファーザーでもあります。
ハグパット修道院では日曜ミサが行われていました
要塞跡の壁から望むアフタラ修道院
ここは教会内部の美しいフレスコ画が有名です
アルメニアの教会では珍しいスタイルです
そして、最後に世界遺産にも登録されているサナヒン修道院を見学しました。ひっそりと林の中に隠れるように建つ立派な中世の教会です。10世紀頃にアルメニアの宗教文化の中心で、最盛期には500人もの修道士が学んでいたそうです。ちなみに、名前のサナヒンは、「それより古い」という意味。それというのはハグパット修道院のことで、実際にサナヒン修道院の方が早く建造されました。ここも雰囲気でよくて、私の大好きな場所です。
サナヒンからは、セバン湖の美しい景色を眺めながらエレバンに戻りました。大輔さんにとって初めてのロリ訪問となる一泊二日の旅行が終わりました。アルメニアの歴史と文化、そして大自然に触れる素晴らしい旅になったと思います。ティグランとの野郎三人で過ごした時間も、本当に楽しかったです。大輔さんもすごく喜んでくれて、私も嬉しいです。また一緒にどこかに出かけたいと思います。
世界遺産のサナヒン修道院
結婚するカップルの写真撮影が行われていました
教会内部も荘厳な雰囲気に満ちています
美しいレリーフが数多く残されています
- [2022/09/18 17:21]
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