アルメニア大統領の辞任とウクライナ情勢
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かなり寒い天気が続いているせいか、木曜の夜中に熱を出して、2日ほど安静にしていました。なるべく無理せずに休んだおかげで、土曜の夜にはほとんど回復しました。それで、昨日は片岡さんを我が家に呼んで、一緒に昼食を食べました。片岡さんは、PCR検査も無事に陰性と出たので、明日には帰国します。寂しくなるなあ…
さて、昨晩アルメニアのサルグシャン大統領が辞任を発表しました。辞任の理由として、憲法などで大統領の権限が著しく制限されているため、国家や国民のために十分に任務を全うできないからという趣旨を述べました。戦争とその後の混乱を通じて、そのわだかまりに一層苦しんだと推測しますが、最初から彼は政治的な権限のないお飾りの立場なんですけどね。
4年前に、アルメニアは議院内閣制に移行し、首相が実権を持つようになりました。この改憲を行ったのは、革命前の前大統領で、彼は大統領任期終了後も首相になって権力を維持しようとしたのです。実際に首相になり、今回辞任したサルグシャン氏を大統領に任命しました。この恣意的な政治劇に国民の怒りが爆発して、革命が起こるきっかけとなりました。
私にすると、4年前に彼が大統領職を引き受けた時点で、実質的な権限はない象徴的な立場に留まることは承知していたに違わないわけで、今更そんな嘆くようなことか?と思います。なので、辞任理由は他にあったのかもしれませんね。とりあえず彼の辞任によって、アルメニアの政局に大きな変化が起こる可能性はほぼありません。
それよりも、ロシア・ウクライナ情勢が世界の注目を集めています。日本の報道を見ると、「国境に10万規模の軍隊を集結させて、ウクライナ侵攻の機会を窺うロシアが悪い!」という相変わらず欧米寄りの情報ばかり。さらには、ロシアがウクライナの政権転覆を計画しているなど、まるでウクライナ全土を占領しようとしているかのような扱い…
だいたい「侵攻」という言葉を一方的に使うから、この問題に対して大きな誤解が生まれます。なぜこれほど緊迫した状況が生まれているかというと、NATO拡大によって国家の安全保障が脅かされかねないため、またウクライナ東部のロシア系住民を保護するために、ロシアは軍隊を集結させて圧力を掛けているのです。
そのNATOは、ロシア敵視をしないと約束したにも関わらず、その後も東に拡大し続けています。だから、プーチン大統領の「NATOが約束を破った」というのは正論です。しかも、ウクライナに弾道ミサイルが配備されたりでもしたら、ロシアにとっては喉元にナイフを突きつけられるようなもので、深刻な安全保障上の驚異です。メキシコにロシアの弾道ミサイルが配備されるとなったら、米国は同じ反応をするでしょう。
あと、クリミア同様に、ウクライナ東部、特にロシアとの国境周辺の住民の多くはロシア系で、彼らはウクライナよりもロシアへの帰属意識が高いです。親ロシア派武装勢力に実行支配されてる地域もあるし、ロシアのパスポートを所持している人が数十万人もいます。しかし、ゼレンスキー政権は、ナショナリズムを煽って同地域のウクライナ主権を回復させようとし、実際にウクライナ軍による挑発や攻撃などは頻繁に起こっています。
もしウクライナ軍による攻撃でロシア系住民に甚大な被害が出た場合は、ロシア軍は同胞民族の保護のために動かざるを得ないでしょう。そのような事態を牽制するために、国境付近に軍隊を集結させて圧力をかけています。だから武力衝突という最悪の事態が起こったとしても、ウクライナ側から仕掛けた可能性も否定できないので、一方的に「ロシアによる侵攻の危機」と報道することには強い疑問を感じます。
しかし、私は別に親ロシア・親中というわけではありません。専門家でもないので、上記の見方が正しいかどうかも分かりません。ソ連時代の迫害の歴史によって、ウクライナ系住民がいまだに根深い反露感情を持つことは理解できます。友人がいるので、一刻も早く事態が収束してほしいと心から願っています。私が言いたいのは、世界情勢を把握する上で、メディアが流す欧米寄りの情報を鵜呑みにするのではなく、異なる視点から見ることも大事だということです。
それはコロナの問題についても同じです。オミクロン株になってから、最近はやっと現在の状況に異議を唱える報道が出てきましたが、そんな情報は一昨年から普通にネットにありました。現役の医師など専門家が科学データと共に客観的に説明している情報で、少し立ち止まって違う視点で調べたら、誰でも見つけることができます。もちろんそれも鵜呑みするのではなく、バランスよく情報を得て、何が正しいのか自分の頭で考えることが重要だと思います。
私が風邪を引いている間、息子たちはリビングのソファベッドで寝ていました。新鮮で嬉しかったのか、ぬいぐるみを並べまくっていました。
- [2022/01/24 21:31]
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