アルメニア日本語弁論大会と植物園のピクニック
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今週半ばは不安定な天気で、それからグッと気温が下がりました。一昨日の夜は少し雪が降りました。地方の標高が高い地域は、けっこう雪が降ったようです。あっという間に秋が終わって、冬が訪れようとしています。
アルメニアのコロナ感染者数は減少傾向にあり、「改善の兆候が見られる」と政府は述べました。私にすると、新規感染者数の増減でいちいち騒ぐ必要はないと思いますけどね。陽性率は大して変化していないから、検査を受ける人の数によって感染者数が増減するだけのこと。
アメリカのTIME誌が選ぶ「2021年の発明品ベスト100」に、アルメニアの企業が開発したAI搭載ロボット「ロビン」が選出されました。これは、「世界をより良く、スマートに、そして少しだけ楽しくする発明」をテーマに選出されるものです。ロビンは、子供たちの精神的ケアを行うことができるロボットで、病院など様々な場所での利用が期待されています。すごいですよね!
妻は2か月前からアルメニアダンスの学校に通っていて、そこの先生が毎月コミタス博物館で行っているイベントに、昨晩は家族で参加してきました。みんなでアルメニアの伝統的なダンスを踊ったり、歌を歌ったりするイベントで、多くの人が参加していました。私も見よう見まねで踊りに参加しました。けっこう難しいステップもありましたが、踊るのは大好きなので楽しかったです。レオも一生懸命に踊ろうとしていてすごく可愛かった!
アルメニア発のAI搭載ロボット「ロビン」の紹介動画。世界トップ100の発明に選ばれるとはすごい!
コミタス 博物館で行われたダンスのイベント。私も輪の中に入って踊りました。
レオも見よう見まねで踊っていました。可愛かったなー
アルメニアの歌をみんなで歌う時間もありました。この人、本当に上手!
さて、先週の日曜は、第10回となるアルメニア日本語弁論大会が行われました。昨年はコロナの影響で中止されたので、2年ぶりの開催となります。私は、出場者に質問をする担当で出席しました。今年の出場者は、学生の部が4人、一般の部が11人でした。一般の部には、なんと9歳の女の子も!これまでで最年少の出場者になりますね。
まず一般の部から開始。みんな緊張しながらも、一生懸命にスピーチしました。その9歳の女の子も、かなり緊張していたせいか、途中で内容を忘れてしまいましたが、頑張って何とか最後まで話すことができました。考えてみたら、彼女はアレンより1歳しか違わないわけで、参加しただけでも本当に偉いと思います。
次にメインの学生の部が始まりました。こちらは4人と少なかったですが、みんな頑張ってスピーチしました。うち1人は私の教え子のダビッド君。といっても、9月からいろはセンターで教え始めたばかり。しかも、彼はそれまでの2年間はずっと独学で日本語を学んだそうです。なのに、すでに2級レベル以上は確実にあるほどの実力!これには本当に驚きました。私は漢字を教えていますが、「彼に教えることってあるの??」と正直思うぐらいよく知っています。
そんな彼は、ビジュアルノベルを読みたい!と思って日本語の勉強を始めたこと、その目標のために頑張ってきたこと、そして日本語の勉強はとても楽しかったことなど、自分の経験について語りました。少し緊張していたけど、能力がすごく高いだけに、ちゃんと最後まで上手に話せたし、質疑応答にもきちんと答えていました。
全てのスピーチが終わって、7月に行われた日本語能力検定の合格者に証明書が手渡されました。通常は12月に行われる試験ですが、昨年はコロナで中止になったため、今年の夏に延期されたのです。それから、審査員長の松尾先生が、「島唄」をアカペラで歌って下さいました。日本でずっと合唱を趣味でされていたそうです。
そして、いよいよ審査結果の発表!まず一般の部の結果が発表され、レバノンから移住してきた女の子が優勝しました。彼女は、レバノンは生き辛かったこと、なのに故郷を離れる時は悲しかったこと、でも今いるアルメニアで居場所を見つけたいという切実な気持ちを話してくれました。この子も上手でしたね。
さあ、注目の学生部門の結果は…大方の予想通り、ダビッド君が優勝しました!まあ、ダントツで上手でしたからね。たった2年で、しかも独学でありながら、初出場の弁論大会で優勝するなんて恐るべき才能!20年近く日本語教師をやって、コロンビア 、フィリピン、アルメニアで教えてきましたが、これほどの学生は初めてかもしれません。すごすぎる!本当におめでとう!
ちなみに学生部門の優勝者には、翌年日本へ行くプログラムに参加するチャンスが与えられるんですが、コロナの影響で今年は景品となったそうです。一昨年に優勝した学生が、コロナのせいで日本にまだ行くことができていないので仕方ありませんね…早く状況が落ち着いて、来年からは学生たちが日本へ行く夢を叶えられたらと思います。そういえば、優勝景品の一つは、妻が翻訳した村上春樹の「ノルウェイの森」でした。
とにかく、出場者の皆さんはよく頑張ったと思います。お疲れ様でした!これからも日本語の勉強を頑張ってください!
一般の部で優勝したパリッグさん。胸に迫る内容で、日本語も上手でした。おめでとう!
学生部門で優勝したダビッド君。大学では経済を専攻し、日本語は独学。たった2年の勉強で優勝するなんてすごすぎ!
出場者のスピーチが終わってから、夏に行われた日本語能力検定の合格者に証明書が手渡されました。
審査結果の発表の前に、松尾審査委員長が歌を披露してくださいました。
原田臨時代理大使から優勝トロフィーを受け取るダビッド君。おめでとう!
最後にみんなで記念撮影。皆さん、これからも頑張ってください!主催者や関係者の方々もお疲れ様でした!
弁論大会が終わってから、私はエレバンの植物園に真っ直ぐ向かいました。小さいお子さんのいる日本人家族と、寒くなる前に自然豊かなところで散歩しようと約束していたのです。私の家族は先に着いていて、子供たちは楽しそうにシーソーや滑り台で遊んでいました。知らない家族の子供も参加して、みんなで仲良く遊んでいました。日曜だったから、家族連れが多かったですね。
子供たちはまだ遊具で遊びたがっていましたが、せっかく植物園に来たので散歩することにしました。木々が紅葉していてきれいでした。モミジがないので、日本のように色鮮やかではありませんが、秋の美しさを満喫できました。それに、やっぱり自然の中を歩くのは気持ちがいい!
それぞれ軽食や飲み物を持ってきたので、林の中でみんなで休みました。ちょっとしたピクニックです。子供たちはお腹が一杯になったら、また元気に遊び始めました。去年の10月末にも、家族と同じ植物園を散歩しましたが、まだ激しい戦争が続いていて、美しい自然を見ながらも、心はどこか暗かったことを覚えています。そして、何事もないかのように移ろいゆく季節の中で、常に争いが絶えない人間社会の醜さや愚かさを悲しく思いました。
しかし、本格的な戦争がない今は、自然の美しさや子供たちの笑顔を見て、素直に幸せを噛みしめることができています。もちろん30年も争った領土問題ですから、依然として様々な問題がありますが、それもきっと乗り越えることができると信じています。どうかこの平穏な日々が続きますように!
小さい子供のいる日本人家族と植物園に集まりました。
紅葉よりも子供たちは遊ぶのに夢中!可愛らしかったです。
木々が色づいて美しかったです。今年は心穏やかに秋の美しさを楽しむことができました。
軽食を食べたり、子供たちと遊んだりして楽しい時間を過ごしました。
- [2021/11/13 20:00]
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