アルメニアの美しい秋 

青く澄んだ秋晴れが続いていますが、予報通り気温が下がって、朝晩はけっこう肌寒いです。あっという間に秋が深まっていきます。

そういえば、米国が入国制限を大幅に緩和する代わりに、ワクチン接種証明書の提示を義務化しましたね。まあ、ルールが分かりやすくなり、多くの渡航者に門戸を開いたと言えばそうですが、ワクチンを打たなければ入国できないというのはちょっと…接種するかどうかは自主性に任せるべきなので、「接種すべきだ!」という圧力が強まらなければいいんですけどね。

月曜の夜は、アルメニア・リトルシンガーズのコンサートに妻と行ってきました。リトルシンガーズのコンサートに行くのは昨年の2月以来。久々のコンサートは素晴らしかったです。「天使の歌声」と称される合唱団のパフォーマンスはやはり感動的で、最後はみんなが立ち上がって盛大な拍手を送りました。5年前に合唱団が日本のポップスを歌うCD制作に関わったことで、今も繋がりがあり、このコンサートにも招待してくれました。(当時のブログ記事)

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コミタス音楽ホールで行われたリトルシンガーズのコンサート。その美しい天使の歌声は心に響きます。

ちなみに同じ音楽ホールで、昨年の9月26日に、アルメニアの偉大な音楽家コミタスの生誕151周年を記念するコンサートを鑑賞しました。ホヴェル国立合唱団の美しい歌声に酔いしれる素敵な夜となりましたが、翌日の早朝にアゼルバイジャンとの武力衝突が発生。それは1か月半も続いた本格的な戦争の始まりでした…

そして、ちょうど昨年の今日は、妻が尊敬していた空手家の友人が戦争で亡くなった命日。優しく謙虚で、日本と空手に対する愛に溢れる素晴らしい人でした。多くの愛弟子と大切な家族を残して、33歳の若さで天国へと旅立っていきました。地元の町の彼の道場では、その意思を継いだ弟子たちが今も熱心に空手を学んでいるそうです。

1年前に友人の訃報を聞いた妻は、「あんな素晴らしい人がなぜ…」とショックで泣き崩れて、かける言葉もないほど悲しんでいました。理不尽に尊い命と幸せを奪っていく戦争の悲惨さを痛感しました。覚悟はしていましたが、身近な人が戦死するという現実は想像以上に辛いものでした。昨年のブログ記事を読むと、当時のことが蘇って胸が締め付けられます。彼のような犠牲者のためにも、平和が実現するよう祈りたいと思います。


彼が空手を教えていた地元の学校は、教室の一つに彼の名前を冠し、その追悼行事がニュースになりました。多くの人たちに敬愛されていたのが分かります。でも、家族はとにかく、彼に生きていてほしかったでしょう…

さて、先週末にアルメニア北部のハグパット村に行って、ティグランの息子さんの洗礼式に参加したと前回の記事に書きました。私たち家族は、村の断崖絶壁に建つホテルに宿泊しました。朝起きると、部屋の窓から雄大な渓谷の景色が広がっていました。レオが携帯のカメラで一生懸命撮ろうとする姿が可愛らしかったです。

朝食を取ってから、洗礼式のゴッドファーザーを務めた友人宅に挨拶に行きました。ティグランのご両親や甥っ子は友人宅に泊まったので、アレンとレオはすぐにその甥っ子と遊び始めました。友人は、自家製ウォッカを用意して待っていてくれました。朝から60%のウォッカで乾杯!迎え酒にしてはキツすぎる!まあ、アルメニアの田舎ではよくあることです。

でも、美味しいウォッカだったし、大好きな友人と酌み交わしているから、結局かなり飲んでしまいました。今度またいつ彼に会えるか分かりませんからね。でも、彼と奥さんには、「招待するから、今度はエレバンに遊びに来てほしい」と伝えました。村の生活はいろいろ大変なのに、いつも私たちを温かく迎えてくれて、今回はゴッドファーザーまで務めてくれた友人に何か恩返ししたいと思ったのです。彼は、「僕たちは家族のようなものだから、何も気にしなくていい」と笑顔で答えました。

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ホテルの前に広がる景色。北部のロリ地方の自然も雄大で美しい…

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洗礼式の翌日も、朝から晴れ渡って気持ちいい!

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窓から携帯でその景色を撮ろうするレオ。可愛いなー

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歳が近い男の子同士だから、ずっと仲良く遊んでいました。

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端から端まで渡り切ると夢が叶うというハグパット修道院の壁。子供たちはまた挑戦!

その素晴らしい友人に別れを告げて、みんなでエレバンへと出発しました。その途中、サナヒン修道院に立ち寄りました。ここも世界遺産に登録されている美しい修道院です。私も妻は何度も来ていますが、今回はまるで初めて来たかのように感動してしまいました。というのも、紅葉が本当に美しかったからです。

修道院の周りの木々が全て色づき、ひらひらと落ち葉が舞って、地面は黄色い絨毯が敷かれたかのようでした。林の中にひっそりと建つ修道院だから、秋にこんな景色になるのは当然ですが、これほど美しいとは…一番いい時期に訪問できたかもしれませんね。でも、観光客はそれほど多くなくて静かでした。だから、ゆっくりとアルメニアの秋の美しさを満喫することができました。

修道院の中に入り、家族でロウソクを灯してお祈りしました。家族と友人たちの健康や幸せ、そして何よりも平和を祈願しました。昨年の今頃は戦争の真っ只中で、妻の大切な友人が亡くなるなど悲しい出来事が続き、暗く重い気持ちで過ごしていました。そんな中でも、季節は何事もないかのように移り変わり、その自然の美しさに心が癒されたのを覚えています。

現在もアゼルバイジャンとの対立は続き、境界線付近では銃撃事件が散発的に発生しています。拘束されたアルメニア人捕虜の問題も未解決のままです。それを思うと心が痛みますが、本格的な戦争が起こっていない今は、昨年より晴れやかな気持ちで秋を楽しむことができています。

1年前は、教会に行くたびに、この悲惨な状況が一刻でも早く終わるようにと祈っていました。しかし、サナヒン修道院では、この平穏な日々が少しでも続くように、そして真の平和が実現するようにと祈りました。どうかその祈りが届きますように!

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美しい紅葉で彩られたサナヒン修道院。本当に素晴らしかったです。説明なしで写真を下に貼っていくので、アルメニアの秋の美しさをご覧ください。

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幸せな暮らしを送るにも、まず平和があってこそ。今も暗いニュースがありますが、きっとアルメニアに平和な未来が訪れると信じています。

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