第二次カラバフ戦争勃発から1年 

朝晩は半袖だと肌寒いぐらいの気温になってきましたが、雲ひとつない澄み切った青空が広がる好天が続いています。

しかし、今日は、多くのアルメニア人は暗く悲しい気持ちでいるはずです。私も、晴れた空を眺めていると、いろいろ思い出されて悲しくなってきます。なぜなら、今日9月27日は、ちょうど1年前に第二次カラバフ戦争が勃発した日だからです。

その日は日曜だったので、少し朝遅く起きてネットを見たら、ナゴルノ=カラバフ全域でアゼルバイジャン軍との大規模な武力衝突が発生というニュースがありました。しかも、首都ステパナケルトまでが砲撃を受けたという情報もあり、大きな衝撃を受けたことを覚えています。同日の午後には戒厳令と総動員令まで出されて、状況は悪化するばかり…

暗澹たる気持ちになりましたが、恐らく今回も数日から一週間ほどで収束するだろうと思いました。アルメニアに10年以上住み、それまでにも同様の激しい衝突はありましたが、すべて数日後には以前の膠着状態に戻ってきたからです。そのため、アルメニア人の多くも、今回も短期間で収束するだろうと思っていたようです。

しかし、その予想や希望は無残にも打ち砕かれました。1年前の衝突は、収まるどころか日に日に激しさを増していきました。毎日のように若い兵士が命を落とし、ステパナケルトなど市街地への激しい砲撃によって民間人からも死傷者が出ました。暗いニュースばかり続き、心が悲しみで覆われていきました。

一時停戦の合意が成立したと聞いてホッとしたのも束の間、毎回それが破られて、次第に希望を失っていきました。両国がプロパガンダを行い、戦況についてもお互いに全く異なる情報が流れて、市民の愛国心と敵対心が煽られていきました。終わりの見えない戦争に不可逆的に突き進んでいく状況に不安が募っていきました。

そして、直接知っている人たちが、戦争で負傷したり、亡くなったり、愛する家族を失ったりしていきました。残された人たちの深い悲しみを目の当たりにしました。大切な人が傷つき死んでいく…そんな残酷なことが、毎日誰かの身に起こる戦争を心から憎みました。そして、一刻も早く終わるよう祈りました。

1か月以上続いた戦争の期間は、毎日を暗く悲しい気持ちで過ごしました。1年経った今も、その悪夢のような時間を思い出すと胸が苦しくなります。外国人の私でさえそうなんですから、アルメニア人が負った心の傷はもっともっと深いものです。その深い悲しみの中で、今日は愛国心や敵対心が昂る人たちも多いかもしれません。しかし、何より悪いのは戦争そのものです。

今日は、軍記念墓地などで犠牲者への追悼行事が執り行われました。午前11時には、アルメニア全土で戦争の犠牲者を追悼して黙祷が捧げられました。私も仕事の手を止めて、静かに黙祷しました。犠牲となった人たちの冥福、そして平和を心から祈りました。もう二度と戦争のない平和な社会を築くこと…それが犠牲者への何よりの追悼になると信じています。

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あの戦争勃発から1年。アルメニア人は皆、いろいろな思いがあるでしょう。悲しみや苦難を乗り越えて、いつか平和が実現されると信じて祈りたいと思います。

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