アルメニア解散総選挙の結果 

前回の記事に書いたように、週末は家族と友人夫婦と一緒にギュムリの街に行ってきました。行きは電車で、帰りは車で移動しました。ギュムリの街は観光化が進められて、昔よりとても整備されていました。それでも、総選挙があったからか、観光客は少なく静かでした。

文化や歴史を感じる美しい旧市街の街並みは、散策していて飽きませんでした。そして、物価も安く、人も温かくて優しかったです。あと、宿泊したホテルがとても良かったです。立地も便利だし、アンティークな雰囲気が漂う素晴らしいホテルでした。それもそのはず、18世紀末に建てられた歴史的建造物だそうです。家族も気に入っていました。

その楽しかった週末の旅行については、次回ご紹介することにして、今回は昨日行われた解散総選挙の結果についてお伝えします。アゼルバイジャンとの戦争で事実上の降伏となり、その責任を問われているパシニャン首相が、民意を問うために議会を解散して行ったものです。緒戦後初の重要な選挙なので、妻も10年ぶりに投票に行っていました。

さあ、気になる結果は…予想通り、パシニャン首相率いる与党が過半数を獲得して、政権を維持しました。といっても、昔ほどの人気はないので、約54%とギリギリ過半数でした。まあ、これも個人的に予想していた結果です。カラバフ出身の第二代大統領コチャリャン率いる政党は、約21%の票を獲得して健闘しました。カラバフや安全保障の問題について強硬な姿勢をアピールし、また最近のアゼルバイジャンとの国境紛争も追い風になって、都市部や右派の有権者からの支持を得ていました。

健闘した分、すでにコチャリャン陣営は選挙に不正があったと主張しており、おそらく数日はデモが行われると思います。というか、選挙前からデモをする計画がありましたけどね…私にすると、2割もの票を獲得した背景には、彼らだって金をばら撒いたりなど不正を行った可能性は十分あると思います。コチャリャン元大統領自身が、アルメニアの政治腐敗を作り出した元凶の一人なんですから。

とにかく、選挙結果は大方の予想通りでした。パシニャン首相も以前ほど人気がないとはいえ、他の候補者はもっと人気がありません。だから、投票率も49.4%と低い水準に止まりました。そして、投票した人たちも、「他を選ぶぐらいなら、パシニャンの方がマシ」という消極的な意思で選んだ人が多かったかもしれません。全体的にそんなムードがあったので、何だかんだ言っても与党が過半数を維持するだろうと思っていたのです。

たとえ投票率が低かろうと、消極的な理由が多かろうと、今はこの結果を民意の表れとして受け止めるしかありません。私個人は、結果的にこれまでの方針などが大きく変わることはないため、国内政治の安定には繋がるだろうと思っています。カラバフ問題についても、たとえコチャリャン氏などが政権を取ったところで、何も大きく変わることはないでしょう。

彼は、ロシアとの強い信頼関係を武器に、カラバフ問題の交渉をアルメニアにとって有利に進めることができるとアピールして支持を広げましたが、逆にそんな人が指導者になるとロシアは困るに決まっています。せっかく締結された停戦協定の変更を求めてくるかもしれませんからね。だから、ロシアを後ろ盾にカラバフ問題を解決してくれるとコチャリャン氏に期待するのは的外れな気がします。それは、ロシアが即座にパシニャン首相の勝利を歓迎する声明を出したことからも分かります。

とにかく大事なのは、どんな主義主張があっても、それを自由に平和的に表明できること。そして、選挙という国民の政治参加の機会があり、それが民主的に実施されることです。負けた野党やその支持者らは強い不満を抱えているでしょうけど、ある指導者や政党が圧倒的な支持を集めたわけではない今回の結果は、逆に偏っておらず、健全なことに思えます。

当分はデモなどが発生して混乱するでしょうけど、いずれは落ち着くでしょうし、重要な選挙を終えたアルメニアの今後を冷静に見守っていきたいと思います。

199669187_188659319930361_8662801122065166679_narmenia21-6-21.jpg
大きな混乱もなく総選挙が終わってホッとしています。楽しかったギュムリ旅行については、次回の記事でご紹介します。

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://armeniajapan.blog54.fc2.com/tb.php/1213-d79dd862