アルメニアとアゼルバイジャンとが緊迫化 

昨日5月28日は、「第一共和国の日」という祝日でした。1918~1920年のたった2年だけ存在したアルメニア民主共和国の独立を祝う日です。お休みということで、家族でショッピングモールに行って、子供たちをキッズスペースで遊ばせました。二人とも汗だくなって遊んでいましたね。

仕事が忙しくて、更新が滞ってしまいました。あと2週間ほどは、そんな状況が続きそうです。お陰さまで、風邪は火曜あたりには良くなりました。子供たちが風邪を引いて、私や妻にうつるというよくあるパターンです。明日から仕事でかなりバタバタしそうなので、その前に回復して良かったです。

アルメニアは、6月1日から屋外でのマスク着用は不要となりました!といっても、もう昨年からほとんど誰もこのルールを守っていないから、別に何も変わらない気がします。しかし、屋外で感染するリスクはほとんどなく、無駄なルールだとはずっと思っていたので、それが公式に廃止されるのはよいことです。もう暑いから、外でマスクをするのは不快ですしね。

ベラルーシ当局が民間旅客機を強制着陸させて、反政府ジャーナリストを拘束するという事件がありました。ベラルーシ政府は、爆破予告を受けたからと苦しい主張をしていますが、さすがにこれはやりすぎ…欧州の国々が、制裁としてベラルーシとのフライトをキャンセルするという事態になっています。実は、この混乱は私の仕事にも影響を与えかねなかったため、けっこう焦りました。

さて、記事タイトルに書いたように、アルメニアとアゼルバイジャンとの国境付近の状況がかなり緊迫化しています。アゼルバイジャン軍がアルメニア領内に侵入して留まったままになっている問題に加え、同じ南部の国境線で銃撃戦が発生したのです。その衝突により、アルメニア人兵士一人が亡くなりました…武力衝突で兵士が亡くなったというニュースは久しぶりのことで、本当にやるせなくなります。

そして、一昨日は、国境付近で作業を行っていたアルメニア人兵士6人がアゼルバイジャン軍に拘束されるという事件が発生しました。アルメニア側は、アルメニア領内で警告標識の設置などを行なっていただけだと主張し、アゼルバイジャン側は、アゼルバイジャン領内に侵入して地雷を埋設しようとしていたと主張しています。

現在ロシアが仲介役となり、拘束されたアルメニア人兵士の返還などの交渉が行われていますが、銃撃戦と兵士拘束という深刻な事態が連続して起こり、両国の対立はエスカレートしています。緒戦で事実上の敗北となり、実効支配していた領土を失ったアルメニアにすると、この事態は大きな懸念となっています。アゼルバイジャンは、カラバフだけでなく、アルメニア本土にも攻め込むつもりか?!と不安に感じる市民も多いかもしれません。

私個人は、また戦争になる恐れは低いと思っています。かといって、現在のような緊迫した状況は今後も発生するでしょう。両国の国境線はあいまいなままで、お互いが「あそこは自国領土だ!」と主張しても、実際には確定されていない地域が多いのです。昨年の戦争と戦後の混乱を経験し、私はこの領土問題に関しては、どちらの主張も決して鵜呑みにしないようになりました。

なので、今回も双方が異なる主張をしている限りは、実際に現場で何が起こったかは判断できないし、どちらか一方の立場に偏ることもありません。ただただ、亡くなった兵士や拘束された兵士たち、そしてその家族のことを気の毒に思うだけです。そして、今も続く争いや憎悪の連鎖に心を痛めるだけです。一刻も早く平和的に解決してほしいと願います。

ちなみに、アルメニアでは来月20日に総選挙が行われるため、今回の事件はその結果に影響を与えるのではないか…という見方が出ています。確かに、パシニャン政権にとってはマイナスの要因になりかねません。一方、野党にとっては、攻勢を強めるプラスの要因となるでしょう。実際に、緒戦の敗北と今の危険な状況を招いた責任はパシニャン首相にあり、国の舵取りを任せられない!と主張しています。

ただ、私にすると、あのままカラバフと周辺地域を実効支配していれば良かったとは全く思えません。何度か当ブログで書いているように、それはアルメニアにとって好都合であって、アゼルバイジャンにとっては不都合な状況です。その逆も然りです。領土問題は、自分の主張を絶対的な正義と信じ、一切の譲歩や妥協を許さないという考えに固執すると解決などしません。遅かれ早かれ、昨年の戦争のような劇的な変化は起こったと思います。もちろん、両民族の不信感や敵対心も理解できますが、以前のような状況には決して戻ってほしくないです。

気が重くなるようなニュースが続いていますが、エレバン市内は至って平穏です。私と家族も普段と変わない日々を過ごしています。一昨日の夕方は、妻がクラシックコンサートに行ったため、私が子供たちをレゴ教室に連れて行き、その後3人で食事しました。仕事で忙しく、最近あまり一緒に過ごせていないのと、私も息抜きをしたかったからです。翌日が休みということもあり、屋外のテラス席はどこも満席でした。誰もマスクなどせず、食事や会話を楽しんでいましたね。この光景だけ見れば平和そのものです。

アルメニアは、コロナと戦争を経験し、今も周辺国との対立は続いています。不安になる事件や悲しい報道もあります。しかし、少しずつ立ち直ろうとしています。その道のりは困難で長いかもしれませんが、きっと乗り越えて、真の平和な社会が実現すると信じています。

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納豆だけでなく、自宅でもやしも作っています。

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妻がそのもやしでナムルを作りました。食卓のバラエティがさらに豊かになりました。

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アレンとレオが兄弟仲良くパズルを作っていました。

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レゴ教室にも元気に通っています。毎回けっこうすごいのを作るアレン

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レオもかなりすごい!そして、とにかくレゴが大好き!

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大好きな寄生獣をアレンがレゴで作りました。こんなのレゴで作る7歳児ってアレンぐらいちゃうか?

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