アルメニア人虐殺記念碑を家族で訪問 

一昨日4月24日はアルメニア人虐殺記念日でした。今年で106周年。毎年多くのアルメニア人が、ツィツェルナカベルトと呼ばれる虐殺記念碑を訪れて献花します。昨年はコロナのために、記念日の一般人の訪問は禁止されましたが、今年は特に規制はありませんでした。そのため、家族で献花してきました。

午後3時ぐらいに記念碑のある丘の麓に着きましたが、意外に人が少なくて驚きました。昨年はトルコも深く関与した第二次カラバフ戦争があったことから、今年は反トルコ感情がかなり高まっているため、かなりの人出かもしれない…と思ったんですけどね。たまたま人手が少ない時間帯だっただかもしれないし、コロナを心配して、記念日当日の訪問を避けた人も多かったのかもしれません。

とにかく空いていたのは、子供連れの私たちにとっては幸いでした。3年前の記念日に家族で訪問した時は人がかなり多くて、麓から歩き始めて献花するまで、休憩も入れて4時間もかかって本当に大変でした…今年は全く立ち往生することなく、のんびりしたペースで歩いても30分かからずに記念碑に到着しました。それでも、けっこう暑くて子供たちは少しバテてしまいました。

記念碑の中はそれほど広くない上に、みんな献花するので、かなり混雑していました。あと、混雑していた理由がもう一つあって、なんとアルメニア・リトルシンガーズが慰霊のために歌っていたのです。この世界的に評価の高い合唱団とは、4年前にCD制作で一緒に仕事をさせて頂きました(当時のブログ記事)。久々に彼女たちの美しい歌声を聴いて感動しました。私たちを見かけた合唱団の子供たちが、気さくに声をかけてくれました。

永遠の火が灯された記念碑に、家族で花を捧げました。献花しながら、犠牲者の冥福と平和を祈りました。ちなみに、妻は虐殺を生き延びたアルメニア人の子孫なので、息子のアレンとレオにもその血が受け継がれています。今はまだよく分からないでしょうけど、自分のルーツや先祖に起きた悲惨な出来事について強く意識する日がきっと来るはずです。しかし、憎しみを引き継ぐのではなく、二度と同じ悲劇が起こらないよう平和な社会を築くための教訓にしてほしいと思います。

記念碑を後にしてから、子供たちがお腹を空かしたので、レストランで食事しました。その後に、カスカード展望台に上ってみると、エレバンの街とアララト山の雄志が広がっていました。アルメニア人が経験した過酷な歴史に想いを馳せつつ、その美しい景色を家族と眺めました。

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花を買って虐殺記念碑のある丘を歩きました。

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人出が少なくて、スムーズに記念碑まで行けましたが、けっこう暑くて疲れました。

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子供たちも記念碑に花を捧げました。

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今年も多くの花が犠牲者のために捧げられました。その冥福と平和位を祈りたいと思います。

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記念碑では、アルメニア・リトルシンガーズが歌っていました。

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疲れてお腹を空かした子供たちと早めの夕食を食べました。お疲れ様!

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悲しい記念日ですが、天気が良かったので、アララト山がとてもきれいに見えました。

帰宅すると、アルメニア人にとって歴史的なニュースが報道されていました。というのも、バイデン米大統領が、「我々は、オスマン帝国時代のアルメニア人虐殺で亡くなった全ての人の命を思い出し、このような残虐行為が二度と起きないよう取り組んでいく」という声明を発表し、あの迫害を「ジェノサイド(民族大虐殺)」と正式に認定したのです。下のリンクにあるように、日本でも報道されていましたね。

バイデン大統領がジェノサイドと認定

声明についてバイデン大統領は、「責任を追及するためではなく、このような悲劇が二度と起こらないようにするためのもの」と説明していますが、即座にトルコは猛反発しました。しかし、前回の記事に書いたように、米政府はそれを承知の上で「ジェノサイド」と認定したのだと思います。トルコも、これで開き直ってロシアや中国との関係を強化できるから、実はあまり問題視していないかもしれません。

そんな国際政治の裏側はともかく、大国アメリカのトップが正式に虐殺と認めた事実は、アルメニア人にとっては歓迎すべきこと。アメリカには、多くのアルメニア系移民が住み、ユダヤ系に次ぐ強力な民族ロビーを形成しています。彼らの長年の努力が実を結んだ日だったと言えるでしょう。何よりも、同じ悲劇が繰り返されないためのきっかけとなってほしいと願います。

あと、昨晩はアルメニア国立交響楽団のコンサートに妻と行ってきました。アルメニア人虐殺記念日のために、ヴェルディのレクイエムが演奏されたのですが、本当に素晴らしい公演で、最後には盛大なスタンディングオベーションが送られました。よほど妻は感動したのか、「ものすごく良かった」と何度も言っていました。この芸術をこよなく愛する民族性は、苦難の歴史を乗り越えてきたから育まれたのかもしれない…と思いました。

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虐殺記念日に捧げられたコンサート。聞き応えがあって素晴らしいコンサートでした。

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