家族と地下鉄でエレバン観光 

今日はどんよりとした曇り空ですが、それほど寒くありません。先週末は晴れて、日中は10℃近くありましたが、今晩から雪が降って気温が一気に下がるという予報が出ています。数日は最低気温がマイナス15℃前後になる痛いほどの寒さ…それが今冬のピークだったらいいですけどね。

アメリカの音楽プロデューサー、フィル・スペクターの訃報がありました。18年前の殺人の罪で収監されていたので、獄中死だったそうです。ビートルズ、ジョン・レノンやジョージ・ハリソンのアルバムなどを手掛けた偉大な音楽家で、私も彼が作り出す音の世界は大好きでした。

米大統領就任式が20日に迫り、ワシントンなどでは物々しい警備が敷かれているみたいです。トランプ氏は欠席する予定ですが、その支持者らが激しい抗議行動を行うのではないかと懸念されています。こういう状況に対して、「アメリカの分断が深刻化した…」と多くの人は嘆いていますが、あの国の内情は元々そんなもので、トランプの登場で可視化されただけだと思いますけどね。

私がコロナや国際政治などについて、いつも大方の世論とは異なる天邪鬼なことを書いているのは、メディアが流す情報や民衆の心理にバイアスが掛かっていると感じるからです。例えば、毒殺されかけたロシアの反政府活動家のナワリヌイ氏が帰国直後に拘束されたというニュースがありましたが、やはりロシアやプーチン政権に対するネガティヴなイメージに基づいた伝え方が多いです。別にそれらが全て虚偽とは思いませんが、一方に偏った報道を鵜呑みにすることには違和感を感じます。固定観念や見聞きする情報は徹底的に疑うべきだということを、戦争を通じて改めて痛感しました。

ところで、中国が昨年のコロナ禍でも経済成長を遂げた唯一の主要国となったという報道がありましたが、アルメニアも、昨年の農産物輸出は50%近くもの増加を記録したそうです。コロナに加えて戦争まであったのにすごい!しかし、昨年1月から9月までのGDPは前年に比べて6.6%下落したとのこと。戦争もあった10月以降のデータはさらに悪い結果になりそう…

さて、昨日は天気も良く暖かかったこともあって、子供たちを散髪に連れて行きました。アレンもレオもかなり髪が伸びていたので、少し短くしてもらいました。サッパリして二人とも男の子らしくなりました。子供用の床屋だから、おもちゃなどが置いてあって(なぜか男の子向けのものばかり)、二人は楽しく遊んでいました。

その床屋は地下鉄駅の近くだったため、地下鉄に乗って少し遠出しようということになりました。アレンもレオも電車に乗るのが大好きなんです。エレバンにはソ連時代の地下鉄が稼働しています。南北に伸びる一路線だけで、駅も10ぐらいしかないので、大して便利ではありませんが、基本的に混んでないし、渋滞知らずなのは快適です。家の近くまで延びてくれたら助かるんですけどね。

向かった先は、サスンツィ・ダヴィットと呼ばれる駅。そこはジョージアとの間を行き来する電車が発着する鉄道駅があります。元々ナヒチェヴァンとアゼルバイジャン本土とを結ぶ路線もありましたが、第一次カラバフ戦争後の30年全く稼働していません。当ブログでも書いたように、先週その一部を復旧させるという合意が締結されました。ジョージア経由の路線はアブハジア紛争以降は途絶しているため、その合意内容が実現すると、アゼルバイジャン経由でロシアとの物資や人の輸送が可能になり、経済効果はかなり大きいと予想されます。とはいえ、国内には反発も大きいのでどうなることやら…

ちなみに、その鉄道駅の前には、サスンツィ・ダヴィットの大きな銅像が置かれています。これはアルメニアの国民的叙事詩「サスーン」の主人公。サスーンは、昔の西アルメニア、今の東トルコにある地域で、19世紀末から20世紀初めに、アルメニア人民兵たちがオスマン帝国やクルド人に対する武装蜂起を起こした場所です。

「サスーン」の叙事詩は7世紀に書かれたもので、アルメニアの民衆の英雄が異国の侵略者を撃退する話です。アルメニアの学校では必ず教えられるもので、アレンもいずれ小学校で習うと思います。息子たちは鉄道駅を訪問するのは初めてだったので、サスンツィ・ダヴィット像の前で写真を撮りました。

その後、子供たちがお腹が空いたと言うので、また地下鉄に乗ってエレバン中心部に向かい、家族でピザを食べました。それから少し買い物をして帰宅しました。散髪だけのつもりが急遽エレバン観光をしたので、私も妻も疲れましたが、子供たちが喜んでくれたので良かったです。

夕食は、買ったばかりのマルチクッカーで、妻がシンガポールチキンライス(海南鶏飯)を作りました。下ごしらえして炊飯するだけと超簡単なのに、すごく美味しかった!私はシンガポールには行ったことありませんが、ほとんど同じ料理の「カオマンガイ」はタイでよく食べていました。だから、バックパッカー時代を思い出させる懐かしい味でした。これから自宅のご飯のバラエティがさらに広がりそうで楽しみです。

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どうしても散髪中にレオは動いてしまうので、妻も動かないように手伝っていました。

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サッパリしたアレンとレオ。散髪後も床屋に置かれたおもちゃで遊んでいました。

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地下鉄駅のベンチでネコと一緒に。サスンツィ・ダヴィット駅は地上にあります。

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街中心部にあるイェルタサルダカンという地下鉄駅の構内。一時期アレンに絵を教えてくれた画家が描いた壁画があります。

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地下鉄車両。この車両はけっこう落書きが酷かった…緑など他の色の車両もあります。市内バスと同じで乗車距離に関わらず料金は一律100ドラム(約20円)

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サスンツィ・ダヴィット像の前で記念撮影。後ろにあるのは鉄道駅。現在もロシア鉄道が管理しているためか、上に旧ソ連邦のシンボルマークがあります。

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