両民族が平和に暮らすジョージアの村
- アルメニア情勢
- | トラックバック(0)
- | コメント(0)
日本ではコロナの新規感染者数が過去最多を記録するなど、感染の拡大が問題になっていますね。アルメニアでも増加し続けており、昨日は前大統領夫人がコロナで亡くなるというニュースもありました。感染者数も死者数も多くなっていますが、どこの国も致死率は減少し続けています。
さて、停戦合意締結から2週間が経ちました。パシニャン首相の辞任を求める抗議活動が起こっているかと思ったら、今度は支持者らが共和国広場に集まったり、外務大臣に続いて、国防大臣や非常事態大臣、厚生労働大臣らが辞任したりと多少の混乱はありますが、基本的に国内は落ち着いています。
しかし、ネットではずっと様々な情報や意見が飛び交っています。今回の停戦合意や現政権に対する批判はもちろんのこと、逃げ遅れたアルメニア人の老人をアゼルバイジャン兵士が拷問して殺害したとか、返還された領土内の教会が破壊されたなど心が重くなるような情報が流れています。反対にアゼルバイジャン側では、アルメニアがどれほど酷いことしたかという情報に溢れているはずなので、まだまだ憎悪の連鎖は続くでしょう…
激しい戦闘の末に勝者と敗者が入れ替わる結果となったことから、やはり戦争に完全な正義も悪もないのだと改めて痛感しています。双方それぞれに決して譲れない主張や大義名分があって衝突します。そのため長年OSCEミンスクグループなどが仲介して交渉が行われていたわけですが、解決には至らず争いが続いてきました。今回の出来事が、武力によって領土問題を解決できるという悪い先例になってほしくないですね。
この停戦合意、また合意内容の実効において、ロシアが大きな役割を果たしています。カラバフ領内に平和維持軍が配備され、アルメニア本土とカラバフを結ぶラチン回廊は、すでに民間車両も通行できるようになりました。これまでに約4千人の市民が帰還したそうです。また昨日はアグダムという地域がアゼルバイジャンに返還されましたが、特に混乱などは起こっていないようです。
そのロシアの存在感の大きさから、カラバフ領内に留まる市民はロシア国籍を取得しようとするだろうという意見も聞かれます。そうすれば、ロシアはより積極的に関与して防衛してくれるはずだということなのでしょう。いずれの当事国からも反対がなければ自動延長されますが、今のところ平和維持軍の駐留期間は5年となっていますからね。
今回の戦争におけるロシアの動向については、求心力が低下したとか、トルコや中国を牽制したとか、アルメニアが親欧路線になったから支援しなかったなどの分析が出ていますが、私にするとステレオタイプで的外れな気がします。やはりロシアは強大な影響力を持っていますし、トルコや中国とはライバルでもありますが、一定の協力関係を保っています。カラバフはアルメニア領土ではないので公然と軍事支援できないのも当然です(裏では支援していました)。国益や他国との関係のバランスを取りつつ、タイミングを見計って調整を行ったと思います。
ちなみに、今日からラブロフ外相や国防大臣などロシアの代表団が訪問中で、アルメニア政府とナゴルノ=カラバフの問題について話し合っています。プーチン大統領は来ていませんが、「ロシア国内に数百万ものアルメニア人とアゼルバイジャンがいるため、ナゴルノ=カラバフ紛争の解決は、ロシアの内政にとっても重要な問題だ」と述べました。
隣国ジョージアにもアルメニア人とアゼルバイジャン人が多く居住していますが、両民族が争うことなく平和に暮らしているツォピという村があります。その村の様子を映した動画をご紹介します。それを見ると、憎悪や敵対心というものがいかに後天的に、また人為的に作られるものなのかを改めて考えさせられます。
ツォピの村人たちも、当然ナゴルノ=カラバフ問題については知っていますが、そのためにお互い争うことはないそうです。「次の世代に憎しみを伝えてはいけない。戦争は共通の敵だ」という言葉が胸を打ちます。今の状況では難しいかもしれませんが、争った領土内でも同じような未来がいつか訪れてほしいと願います。
ツォピというジョージアにある村。これを見ると、同じ両民族が別の場所では憎しみ争っている現実が虚しく思えてきます。
息子のアレンとレオの兄弟はとても仲がいいです。レオも大きくなって、一緒にできることが増えたことも大きいです。
家にいる時はずっと一緒に遊んでいます。
兄弟仲良くレゴ教室に通っています。
お揃いの服を着て可愛らしい!
毎日仲良く一緒に学校と幼稚園に通っています。
もちろんケンカもしますが、とても仲睦まじい兄弟で微笑ましいです。ずっとそんな兄弟でいてほしいと思います。
- [2020/11/21 21:45]
- アルメニア情勢 |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://armeniajapan.blog54.fc2.com/tb.php/1165-49c91336
- | HOME |
コメントの投稿