トルコの軍事衝突への関与 

エディ・ヴァン・ヘイレンの訃報が届きました。速弾きやタッピング奏法のイメージが強いですが、私は、彼の生み出すユニークでリズミカルなリフも大好きです。そして、いつも笑顔で楽しそうにギターを弾く姿も…唯一無二の偉大なギタリストでした。ご冥福を祈ります。

さて、軍事衝突発生から今日で11日目となりましたが、前線では依然として激しい交戦が続いています。また、アゼルバイジャン軍によるステパナケルトなどの市街地への砲撃も発生しています。昨日の午前中は、比較的落ち着いた状況が続いていたので、「このまま収束していくかも?!」と思ったんですが、残念ながら、その期待は裏切られました…今回の軍事衝突は、これまでと全く比較にならないほど深刻です。

アルメニア国防省の発表などに基づく大きな出来事をまとめます。一昨日、パシニャン首相が、兵役を終えて1年以内の男性に従軍志願を求め、その対象となる自身の長男も前線への志願兵として登録しました。また、前線の一部から部隊を撤退させたと見せかけて急襲する作戦により、アゼルバイジャン軍に甚大なダメージを与えたそうです。

昨日は、OSCEミンスクグループ共同議長を始め、国際社会から即時停戦を求める呼びかけがありました。そして、ナゴルノ=カラバフ大統領が、「トルコは、アゼルバイジャンを利用して、南コーカサスをテロ組織の温床にしようとしている。我々は、国際社会と協力して、このテロネットワークと闘う」と表明しました。

日本のメディアでも報道されているかと思いますが、今回の軍事衝突にはトルコが大きく関与しています。同じテュルク系民族で同盟国のアゼルバイジャンを強く支持し、軍事面でも相当な支援していることは明らかです。兵器の供与はもちろんのこと、自国の軍事司令官などが作戦に関わり、さらに酷いのは、シリア反政府軍の民兵やイスラム過激派テロリストなどを紛争に送り込んでいることです。

トルコは、自国にとって不要となったこれらの民兵を現在リビア内戦に1万人以上派遣しており、アゼルバイジャンにも金で雇わせて移送していることは疑いの余地ありません。フランスやロシア、イランなどは、この問題に強い懸念を示しており、特にフランスはトルコを厳しく追及しています。そういった深刻な状況から、ナゴルノ=カラバフ大統領は、トルコが支援するテロリズムとの闘いを正式に表明したのです。

ちなみにアゼルバイジャン政府は、今回の戦争でシリア傭兵やテロリストだけでなく、国内の少数民族を率先して前線に送っているそうです。その少数民族の一つであるタリシュ人の活動家らが、自分たちの命を軽んじ、アルメニアへの憎悪を煽り続けるアゼルバイジャン政府に強く抗議する声明を出しました。他の少数民族も、きっと同様の抑圧や迫害を受けていることでしょう。

トルコは、近年エルドアン大統領の下で、強大な軍事力を背景にシリアやイラク、リビアやギリシャなど周辺地域への介入や影響力を強めており、今回のナゴルノ=カラバフ紛争への関与も、自国が進める国際戦略の一貫と考えられます。しかし、それは世界中のアルメニア人にとって、100年前の虐殺の悪夢を蘇らせ、再び繰り返されるかもしれないという大きな脅威になっています。トルコは、いまだに虐殺の歴史を認めていませんからね。

昨日からバクー入りしているトルコの外相は、アルメニアを改めて非難する声明を行い、強気の姿勢を崩していません。経済大国で、NATO加盟国である上に、国内のシリア難民を大量に流出させる外交カードを持っているため、欧米諸国から厳しい制裁などは受けないと読んでいるのでしょう。となると、ロシアやイランが、今後どう動くかが鍵になるかもしれません。

とにかく、今回の紛争へのトルコの直接的な関与は純然たる事実です。自国の利益のために、紛争の当事国に多くの犠牲を払わせ、問題を複雑にし、休戦などの解決を一層困難にしています。まして、本来は関係のないシリア人傭兵やテロリストを送り込むなど言語道断!もちろん戦争に完全な正義や悪はなく、元々この紛争は大国や周辺国の思惑が絡んだ問題でもありますが、今回のトルコの行動は大きく一線を超えているように思います。

いずれにしても、エスカレートした今回の衝突で、すでに多くの命が失われています。現在までに、アルメニア側の兵士320名、民間人21名が亡くなり、多数の負傷者が出ています。亡くなった若い兵士の写真を見ると、辛くて泣きそうになります。一体いつまで戦闘や市民への攻撃が続くのでしょうか…戦争ほど悲惨なものはなく、平和ほど尊いものはありません。本当に一刻でも早い収束を願います。

追記:上の記事を書いている時は、まだ証拠などが出ていなかったので触れませんでしたが、9月29日にトルコ空軍のF-16戦闘機がアルメニア軍のSU-25を撃墜したという疑惑があり、トルコもアゼルバイジャンも、このF-16戦闘機の存在を否定しています。しかし、ニューヨークタイムズの記者の報告によると、10月3日に撮影されたアゼルバイジャンのギャンジャ航空基地の衛星写真から、2機のトルコ空軍のF-16戦闘機が確認されたそうです。

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街中では、国民を鼓舞するスローガンや広告などが増えています。これは、「私たちは勝利する!」と書かれています。

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10日以上続く戦闘で、国全体が重い空気で覆われていますが、エレバンはあまり普段と変わりなく、昨日も子供たちをレゴ教室に連れて行きました。

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昨日のアレンのクラスの課題は難しかったみたいで、けっこう苦戦していました。

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完成したレゴ作品を自慢げに動かすアレンと、それを面白そうに見るレオ。今は、息子たちの無邪気な姿を尚更愛おしく感じます。早く平和になってほしいです。

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