アルメニア北部を家族旅行 Part 2
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ここ毎日は青い空が広がる夏らしい天気です。せっかくなので、昨日はエレバン中心部の屋外カフェに家族で行ってきました。有料ですが、時間制限なしのキッズスペースがあって、そこでアレンとレオを遊ばなせながら、私と妻は集中して仕事できました。新型コロナの問題も落ち着いてきて、先月に比べて客足が明らかに増えていましたね。
しかし、アルメニアは非常事態宣言をまた1か月延長しました。延長はされましたが、新型コロナ対策の規則は緩和される方向のようです。とはいえ、3月中旬に発令されてから間もなく半年になるので、そろそろ解除してほしいと思います。アルメニアの現在までの感染者数は40,410人となり、ついに4万人を超えました。死者は791人です。でも、データからは明らかに収束時期に入ったことが見て取れます。
三日前の8月6日は、75年前に広島に原爆が投下された日でした。先日レバノンで発生した爆発事故は、原爆の10%程度の規模だったというデータがあります。爆発の瞬間を捉えた動画をいくつか見ましたが、遠く離れた場所まで衝撃波で吹き飛ばす凄まじさに声を失いました。しかし、広島や長崎に投下された原爆は、その10倍もの破壊力だったわけです。改めて戦争の悲惨さに胸が締め付けられる思いです…
ちなみに、私は20年以上前にレバノンを旅行したことがあります。当時は15年も続いた内戦の傷跡がまだ生々しく残っていたため、私の脳裏に焼きついているベイルートの光景は、今回の爆発事故の惨状に近いものです。しかし、一瞬でこれほど大規模な被害が出るとは…アルメニアもレバノンに対して人道支援を始めました。
キッズスペースで遊ぶアレンとレオ
美味しそうにピザを食べていました。私はもちろん暑いからビール!
帰りに展望台に上ると、アララト山がきれいに見えていました。しかし、暑かった…
さて、アルメニア北部を訪問した家族旅行の話の続きです。二日目は、宿泊した養蜂家が経営するゲストハウスで、ハチミツの収穫を見学させてもらいました。この旅行のハイライトの一つ!そこの朝食に出てくる美味しい天然のハチミツがどのように収穫されるのか…その工程を見れるなんて貴重な体験。
まず、ミツバチの巣箱から巣枠を取り出す作業。ミツバチを燻煙器の煙でを大人しくさせてから、オーナーが丁寧に一枚ずつ巣枠を取り出し、ハチをふるい落として空の巣箱に入れていきます。8枚入れて運ぶのですが、持たせてもらうとかなり重い!たっぷりハチミツが詰まっている証拠ですね。
それを作業場に運んで、今度はハチミツを取り出します。昔ながらの手作業で行うらしく、オーナーは、「時間も労力もかかるけど、この方が好きなんだ」と言っていました。蜜蓋(完熟した蜜の入った巣穴を塞ぐためにハチが作る蓋)をナイフで削ぎ落としていきます。蜜蓋の下にナイフを入れると、ドロ〜ッと濃厚なハチミツが流れてきます。美味しそう!削ぎ落とした蜜蓋は、それでロウソクを作ったり、またハチミツに混ぜて食べることもできるので、大切に保管しておきます。
次は、巣に詰まったハチミツを取り出す作業。手動の遠心分離機に入れて、グルグルと60回ほど回します。これは子供もできるので、アレンとレオが楽しそうに挑戦していました。もちろん私と妻もやってみました。そうやって遠心力で取り出したハチミツは、どんどん下に貯まっていきます。
そして、オーナーが分離器の下のコックを開けると、黄金色のハチミツが勢いよく出てきました。すごい!大量のハチミツが水のように流れ出てくる光景なんて初めて見ました。息子たちも面白そうに眺めていました。とにかくきれいだし、美味しそう!こうやってハチミツが作られるんですね。とても楽しかったし、養蜂を愛するオーナーの気持ちが伝わり、そこのハチミツが美味しいのも納得できました。
防護服を着ていざ出陣!
巣枠を丁寧に取り出していきます。ここのハチは元から大人しいので、安心して見学できます。
蜜蓋を削り落とす作業。ハチミツが垂れているのが見えますか?
手動の遠心分離機で巣枠のハチミツを取り出します
採れたての新鮮なハチミツが出てきました!
ハチミツを3キロ買ったんですが、蜜蓋がたっぷり入ったハチミツを1瓶プレゼントしてくれました。朝食に出されていましたが、濃厚で美味しかった!
その夜は、ハグパット村に住む20年来の友人のお宅に滞在させてもらいました。今年はすでにお正月と6月に訪問していますが、いつも友人から、「家に泊まっていけ!」と言われるので、今回お言葉に甘えさせてもらうことにしたのです。私は過去に泊まったことが何度かありますが、家族で泊まったのは今回が初めて。
友人が、飼っている牛やその乳搾り、野菜や果物が植えられている庭など見せてくれて、都会育ちの息子たちはすごく面白がっていました。空気も澄んでいるし、自然豊かな田舎の生活を垣間見れて、いい経験になったと思います。しかし、やはり田舎には現金収入を得る仕事がほとんどなくて、みんな暮らしは大変なようです。友人も、息子さんがずっとモスクワで働いて仕送りしています。
ハグパット村には世界遺産に登録されている修道院があり、例年の今頃はツアーグループがひっきりなしに訪れますが、今年は新型コロナの影響で閑古鳥が泣いています。観光客に土産物を売るなどして生計を立てている人たちも大打撃を受けています…修道院ではアルメニア人の観光客をけっこう見ましたが、彼らはわざわざ自国のお土産なんて買いませんしね。
しかし、友人は私たちの訪問をすごく喜んでくれて、奥さんの美味しい手料理でもてなしてくれました。度数の強い自家製ウォッカで乾杯しながら、楽しい夜を過ごすことができました。約20年前ふらっと村に立ち寄り、そのまま彼の家に招待されて、食事やお酒をご馳走になった日のことを思い出しました。当時の私はお酒が全くダメで、すぐに酔い潰れてしまいましたが…とにかく、今もこうやって温かい交流が続く友情に胸が熱くなりました。20年前の彼との出会いについては、過去の記事をご覧ください。(こちら)
翌日は、ハグパット修道院を家族でのんびり観光しました。私はもう何十回見ているか分かりませんが、やはり素晴らしい歴史的建造物です。今年は観光客が少ないので、その荘厳な雰囲気を静かに落ち着いて味わえます。今は車で簡単に来れますが、昔は人里離れた不便な場所だったはず。そこによくこんな立派な修道院を作ったものです。改めて古人の信仰の強さに驚かされました。
美しい自然に囲まれたハグパット村で田舎の暮らしを垣間見ることができました。
友人にタバコを巻く機械を見せてもらうアレン
ギターを持参したので、酔った勢いで弾いて歌いました。
ハグパット修道院からは素晴らしい景観が望めます。
世界遺産のハグパット修道院。立派で美しい10世期の修道院です。
落ちずに端から端まで渡れたら夢が叶うと言われる壁。アレンは10回目ぐらいの挑戦で渡り切りました。
人が少ないので、内部は静かで神聖な雰囲気に満ちていました。
礼拝堂に残された壁画。修復によって、鮮やかな色合いが復元されています。
細かいレリーフやハチュカル(十字架石)も素晴らしい!何度も訪れても感動します。
友人と奥さんとお別れして、夕方にまた養蜂家のゲストハウスに戻りました。夕食を食べていると、激しい雨が降り始めました。いつも貸し切り状態だったゲストハウスですが、その日は一組の若いアルメニア人夫婦も宿泊していました。挨拶すると、初対面なのに、ご主人の方は私のことを知っています。「エッ!どうして?!」と思ったら、なんと二人とも私が働いているIT企業の社員でした。ご主人は、そこで長く勤めているから、私のことを知っていたわけです。
そんな繋がりもあった上に、日本の文化やアニメが大好きな二人とはすぐ打ち解けて、夜遅くまで会話が盛り上がりました。新型コロナの影響で、春から訪問客が全くいない状態が続くゲストハウスにも、少しずつ客足が戻ってきているようで良かったです。ステキな場所ですから、頑張ってこの危機を乗り越えてほしいと思います。その夜も、ミツバチの羽音や振動を感じながら、ぐっすりと眠ることができました。
ゲストハウスのブランコに仲良く乗るアレンとレオ
宿泊する小屋の内部。ベッドの下に巣箱が置かれています。
ベッドの上板を開けるとミツバチ!その羽音や振動は高いヒーリング効果があると言われています。
- [2020/08/09 16:16]
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