今日はアルメニア人虐殺記念日
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昨晩はずっと雨が降って、今日もどんよりとした曇り空です。週末まで天気が悪くて肌寒いみたいで、子供たちが冷えないようにセントラルヒーティングを昨日からまた点けています。
昨日は新型コロナウイルスで女優の岡江久美子さんが急死するという衝撃のニュースがありましたね。元気ではつらつとしたイメージのある芸能人だっただけに驚きました。アルメニアはここ最近の増加ペースが高く、現在までの感染者数は1596人、死者は27人となっています。
ただ、感染経路の把握や感染拡大の抑止はある程度できているとして、アルメニア政府は一部の規制を緩和することを決めました。そのため、感染が深刻な地域を除く州間の移動の許可、また営業可能な業種の拡大が発表されましたが、市民の外出規制や公共交通機関の運行停止は継続されています。
さて、今日4月24日はアルメニア人虐殺記念日です。今年は105周年。当ブログで何度も書いたことがありますが、アルメニア人虐殺とは、第一次世界大戦中にオスマン帝国が行った強制移住や殺戮によって、東トルコに居住していたアルメニア人が100万人以上が亡くなった歴史的悲劇。トルコは、これを虐殺とは認めておらず謝罪もしていません。そのため、アルメニアとは国交正常化を樹立できていません。
この日は、その虐殺の犠牲者のために多くのアルメニア人が慰霊碑を訪れて献花します。私もアルメニアに住み始めてから毎年献花していますが、今年は新型コロナウイルスの影響で、一般人の慰霊碑訪問は禁止されました。毎年ものすごい人だかりで、あれでは集団感染が起こるリスクが高すぎですから仕方ありませんね。
アルメニア政府はその代わりとして、昨晩9時に電気を消してロウソクを灯しながら祈りを捧げようと呼びかけ、多くの市民が実行しました。もちろん私と家族も、家の電気を全て消してロウソクを灯して犠牲者の冥福を祈りました。そして、同じ悲劇が二度と起こらないように、また今の大変な状況が早く収束するようにと祈りました。この消灯して黙祷するのは、今年だけではなく毎年やっていいかもしれません。
あと、虐殺記念碑も今年は夜にライトアップされていて、ネットに投稿された写真を見たら、柱のように光が空まで伸びていました。その光は、犠牲者への慰霊だけではく、悲惨な歴史を決して忘れてはいけないというアルメニア民族の思いを象徴しているように感じました。
この日にいつも思うことですが、今も憎悪の連鎖が続き、隣国と敵対関係にあるのは残念なことです。もちろん歴史問題の解決に向けた前進がなければ、この対立が完全に解消されることもありません。しかし同時に、政治の枠組みを超えて両国民が少しずつ歩み寄ってほしいと願います。そうやって平和を築くことが、犠牲者への何よりの追悼に繋がるはずです。
これは去年の慰霊碑の写真。多くの市民が献花に訪れ、花が山のように積まれます。今年は慰霊訪問は禁止され、政府首脳らによる慰霊式典だけが行われました。
政府公表の写真を拝借しましたが、今年は慰霊碑がライトアップされています。
昨日の夜9時に消灯して、ロウソクに火を灯しました。まだ意味が分からない子供たちは面白がっていましたが、彼らにも虐殺を生き延びたアルメニア人の血が流れています。
- [2020/04/24 20:37]
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