アルメニアの政治家たちの献身 

一ヶ月の期間で出されたアルメニアの非常事態宣言は、今月14日までとなっていますが、現状だと外出規制や休講措置などは延長される気がします。少なくとも今月末まで、もしかしたら来月中旬あたりまで継続されそう…まあ仕方ないとはいえ、ちょっと気が重くなります。

今日も新型コロナウイルスの話題ですが、アルメニアの感染者数は現在まで937人、死者は12人となっています。昨日から新たな感染者は16人しか増えておらず、ピークアウトの兆しが出てきています。しかし、世界の感染者数は160万を超えて、死者も10万人に迫る勢い。アメリカなど欧米諸国の感染拡大が続いていますからね。

ちなみに、ドイツも感染者数は12万近くと多いんですが、死者はイタリアやスペインに比べて圧倒的に少ないです。「もしかして…」と思って調べてみたら、やはり先日の記事に書いたBCGワクチンの影響なのか、ソ連型のワクチン接種が義務だった東ドイツは西ドイツより状況が明らかにマシなんですよね。このデータからも相関性があるとしか思えません。

さて、緊急事態宣言を発令した日本では、マスク2枚配布策になんと466億円かかるという試算が出ましたね…自分で作れてしまう布マスクにこれだけの税金を使うの?マジ?!この施策に関わった人が必死に目的や意義をネットで主張してたけど、いくらなんでもこれでは費用対効果を庶民に理解してもらうのは無理でしょうね。

ただ、日本政府は、他にいろいろ大規模な経済支援を打ち出しています。その目玉の一つが、新型コロナの影響で収入が大幅に減った世帯への30万円の現金給付。これ自体は悪いとは思いませんが、給付基準をもっとシンプルで大胆なものにしないと不公平さと現場の混乱を招く恐れがあります。

そうなると、必要としている世帯に支援が届かなかったり、行政側も無駄に時間と労力を費やすことになりかねないため、最も手っ取り早くて公平な全世帯に一律給付とした方がいい気がします。まあ、これだと対象を限定した現行のものより5倍以上の財源が必要になるんですけどね。

しかし、それぐらい思い切った施策が必要なほどの国難に直面している中、日本の政治家からは給与を寄付または国庫に返納するといった動きが全く出ていないのは本当に嘆かわしい…まして日本の国会議員や地方議員の待遇は、給与だけでなく様々な手当てを含めると世界的に突出して恵まれているにも関わらずです。

一方、日本に比べて経済的に豊かではないアルメニアは、新型コロナ対策のために、大統領が3月の給与を寄付したし、国会議員も全員3月のボーナスを国庫に返納しました。さらに先日は、市長をはじめとするエレバン市役所の職員らも自発的に給与の一部を寄付すると決めました。この国難を乗り越えるために、指導者らが率先して経済的にも寄与する姿勢を見せています

布マスク配布にしても30万円給付にしても、その費用対効果や公正性などに問題はありますが、政府中枢の人たちが必死に知恵を絞り出して決めた施策だとは思います。まあ、だいたい国が何をやっても批判や文句が出るのは世の常ですけど、もっと指導者たちが給与返納などで献身的な態度や姿勢を見せれば、国民の心象も少しは変わる気がします。その点では、今回アルメニアのことをけっこう見直しました。

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ひらがなが終わったアレンはカタカナを勉強中!もともと読むことはできるから、カタカナも順調に進んでいます。

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少し肌寒いけど、晴れた日の午後は家族と近所を散歩。この辺りは警察の監視もほとんどないから気が楽です。

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経済活動などが止まっているため、空気がきれいになったように感じます。このウイルス騒動は、自然環境に恩恵をもたらしているのは確かかも。

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