アルメニアは真っ白な銀世界 

今日は、アルメニアの「軍隊の日」。1992年にアルメニア共和国軍が結成された日で、政府や軍による記念式典が行われています。周辺国と対立する国情から、アルメニアにとって軍の存在はとても大きいです。酒の席でもよく、「祖国を守る軍隊のために!」と言って乾杯したりします。その軍隊が実戦で戦うことのない平和な未来が訪れますように。

昨日は、アルメニアでは聖サルキスの日でした。サルキスはキリスト教の聖人で、イースターの約2か月前の土曜日が、彼を称える日となっています。別名「愛の日」とか「恋人の日」と呼ばれていて、アルメニアではいろいろと面白い習慣があります。それについては過去の記事で説明しているので、そちらをご覧ください(こちら)

また、アルメニアの現代作曲家ティグラン・マンスリアン氏の85歳の誕生日でもあったので、記念コンサートが開かれたようです。マンスリアン氏は、巨匠セルゲイ・パラジャーノフの映画「ざくろの色」の音楽を担当したことでも知られ、オスマン帝国によるアルメニア人虐殺の犠牲者に捧げられた大作「レクイエム」も有名です。ちなみにオペラ歌手のアラクス・マンスリアンは彼の妹です。

前回の記事で、アルメニアは寒くなって雪が降ったと書きましたが、その後も雪が断続的に降り続いて、かなり積もりました。エレバンはどこも真っ白な銀世界になっています。寒いけど、とても美しくて見惚れてしまいます。雪化粧をした木々が、まるで冬の自然の芸術のようです。

しんしんと雪が降ると、世界が静寂と清らかさに包まれ、深淵な気配に満ちていくように感じます。そして、心が落ち着き、感覚も鋭敏になって、自分の息遣いや雪を踏みしめる音が「生きている!」という響きというか証しのように思えます。

また、雪景色の中では、厳しい冬に暮らす人々の姿も愛おしく思えてきます。分厚い服を着込んで買い物する人たち、雪を被った車を運転する人たち、家の前や屋根の雪かきをする人たち、ソリを引いて遊ぶ子供たち…寒く真っ白な世界に、ホッコリと温かな存在として浮かび上がってくるのです。やっぱり四季があるっていいですね。

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近所の雪景色。寒いけど、美しいです

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ソリで遊ぶ子供たちもいました

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近くのロシア教会も雪化粧していました

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家々の屋根からはつららが垂れ下がっています

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飼い猫も不思議そうに雪を眺めていました

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庭によく遊びに来る猫たちは、くっついて温め合っています

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レオが庭の雪かきを手伝ってくれました

さて、妻は大学院の試験が終わりました。頑張った甲斐あって、どの教科も高い評価をもらえたみたいですが、勉強の疲れがドッと出たからか、風邪を引いてしまいました。一気に寒くなったせいで、風邪が流行っているようです。とにかく無事に試験が終わってよかったです。リリット、お疲れさま!

ロボティックスのコースで仲良くなった子が通うから…という消極的な理由で、プログラミングのコースに試しに参加したアレンですが、意外に面白いらしく、そのまま続けることになりました。関心なさそうだったから、ちょっと通ったら辞めるかなと思っていましたけどね。まあ、やっぱり好きじゃないと後で思うかもしれないし、別にその時はやめればいいだけのことです。

ちなみにアレンもレオも、家にいる時はパソコンでYouTubeを見たり、携帯でゲームをしたりすることが多いです。今の子供たちは、どこも似たようなものでしょう。さすがに長すぎるなと思ったら中断させますが、私はあまり厳しく咎めたりはしません。周りにはすでに自分の携帯を持っている子もいるので、やたら制限すると、余計に求めてしまう可能性がありますからね。

現代のインターネット世界は、私の子供時代のテレビのようなもので、息子たちにすると日常生活における何よりの娯楽です。ただテレビと大きく違うのは、インターネットは自分の興味や好みに応じて、無限にコンテンツを探して見つけられること。これは中毒気味になってしまう最大の原因であると同時に、新たな学びや気づきに結びつくこともあります。

例えば、妻が昨晩ネットで、軍隊アリの集団が延々と輪になって行進し続ける「アント・ミル」という現象を見つけて驚いていると、なんとアレンが普通にそれを知っていて説明してくれたそうです。なんでそんなの知ってるの?!と思ったら、YouTubeで見たとのこと。なるほどねー

まあ、基本的にくだらない動画ばかり見て面白がっているので、上記のようなことは少ないと思いますが、意外にネットから知識を得ていたりするわけで、一概に悪いとも言い切れません。しかし、今まさに外に広がる冬景色のように、現実の世界には素晴らしいものがたくさんあって、それをリアルに体験することの方がずっと大切です。

ということで、アレンとレオを庭に連れ出して、積もった雪で遊びました。一緒に雪だるまを作ろうと思ったのですが、二人とも「高い塔を作りたい!」と言うので、頑張って雪を積んで3メートル近い塔を作りました。私も途中からアドレナリンが出てきて夢中になってしまい、気づいたらそんな高い塔が完成したという感じです。かなり疲れたけど、息子たちは喜んでくれました。寒さがマシになったら、今度は家族でスキーに行きたいと思います。

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雪が止んで、今日は朝から青空が広がっています

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アレンもレオも、家ではPCや携帯を見ていることが多いです

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ネットを見過ぎないように、外で雪遊びをしました。レオより少し高いぐらいだった雪の塔が…

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私の身長ぐらいまでになって…

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私よりもずっと高くなって…

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ついに3メートル近い雪の塔が完成!やったー!

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息子たちも大喜び!お疲れさまー!リアルな世界で遊ぶのも面白いよね!

いろはセンターのお正月イベント 

予報どおり、気温が一気に下がって、昨日からずっと雪が降っています。かなり積もって、外はすっかり銀世界に変わりました。寒いけど、美しい冬景色です。飼い猫も、雪を不思議がりながら遊んでいました。しかし、地方では降雪のために通行不能になっている道もあるようです。

16年前に私が日本語を教えていたフィリピン・ミンダナオ島のダバオ地域で、豪雨による洪水や地滑りなどが発生し、深刻な被害が出ているようです。幸い私の友人や知人は無事ですが、年明け早々に多くの人が被災して、苦しい状況に置かれています。少しでも多くの命が助かり、一刻も早く復旧するよう祈っています。

櫻井よしこ氏がSNSに投稿した、「あなたは祖国のために戦えますか。多くの若者がNOと答えるのが日本。安全保障を教えてこなかったからだ」という発言に賛否両論が起こっているようです。普段から中国や北朝鮮の脅威を声高に訴える櫻井氏なりの、国民の愛国心や危機意識の低さに対する提言だったのでしょう。

もしアルメニア人に同じ質問をしたら、多くの人はYESと即答すると思います。実際に3年半前の戦争では、徴兵経験のある男性たちが次々に志願して戦場に向かいました。年配の人たちも、母国のためにと志願しました。戦死した妻の親友も、奥さんと3人の幼い子供がいながらも、戦争が起こるとすぐに志願しました。

常に周辺の大国による干渉や支配を受け、虐殺などの過酷な歴史を持ち、自分たちの国を持つこと、そしてそれを守ることがどれだけ大変か知っている民族です。また、ソ連から独立後もアゼルバイジャンと領土を巡って対立し、いつ戦争が起こってもおかしくない状況が続きました。前線では頻繁に衝突があり、毎週のように若い徴兵軍人が亡くなっていました。

そんな国情ですから、祖国のために戦うのは当然という意識が強いです。その愛国心と勇敢さには敬意の念を抱きますが、愛する母国を守るというのは、戦場に行って戦うことだけではありません。できる限り戦争を回避して、平和を築く努力をすること。そのために、憎悪や不信の連鎖を断ち、現実的な交渉を通じて歩み寄ろうとすることがもっと大切ではないでしょうか…

櫻井氏が指摘するように、日本はアルメニアとは違って、いわゆる平和ボケという状態かもしれません。しかし、3年半前に実際に戦争を経験して、それがどれだけ素晴らしいことか痛感しました。戦争なんて起こらない、自分が戦争に行ったり、死んだりすることはないと信じて、普通に未来のことを考えられる環境…それは何にも代えがたい幸せです。

歴史や地理条件が異なるアルメニアが、日本のように平和を謳歌できる状況になるのは難しいかもしれませんが、その日本の平和も、悲惨な戦争の経験の上に成り立っています。アルメニアも、二度と戦争が起こらない平和な社会になってほしいと思います。そして、祖国のために戦えるか?と聞かれた若者が、「それよりも、交渉や対話によって平和を築くべきだ」と答えるような未来になってほしいと思います。

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降り続く雪で、エレバンも銀世界に変わりました

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飼い猫が雪を不思議がっていました

さて、日曜はいろはセンターでお正月イベントが行われたので、私も行ってきました。妻は大学院の試験期間中のため勉強で忙しいし、過去にイベントに参加したことのある息子たちは関心がないので、私だけ参加してきました。

行ってみると、すでに多くの学生たちが集まっていました。私は昨年9月から教えていないので、ルザン会長をはじめセンターの関係者と会うのは昨年末以来。なので、もう1月下旬ですが、「明けましておめでとうございます」とお互いに挨拶しました。

みんなお雑煮や大福の下ごしらえで忙しそうでした。ここで日本のもち米は手に入らないので、タイのもち米を使っていましが、すでに炊き上がったものを見ると、かなり粘り気があって全く問題なさそうでした。下ごしらえがほぼ終わったところで、イベントが始まりました。

まず、日本のお正月の説明があって、それから簡単なクイズがありました。そして、メインイベントの餅つき!南江副会長がつき方を見せてから、次々と学生たちが挑戦しました。簡単そうに見えても、初めての子は、力が入らなかったり、臼を叩いてしまったりして苦労することが多いです。それでも、みんな楽しそうについていました。私もちょっとつきました。

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日本のお正月に関する説明やクイズでイベントがスタート

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学生たちがも餅つきに挑戦!

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みんな楽しそうについていました

できたお餅はちぎって丸めて、お雑煮にしたり、きな粉をまぶしたり、あんこや果物を入れて大福にしたりしました。どれもとても美味しかったです。学生たちも美味しそうに食べていて、特にお雑煮はおかわりする子もけっこういて、お汁がきれいになくなってしまいました。

それから、学生たちは福笑いをしたり、二人羽織に挑戦したりしました。二人羽織は、見ている子たちが大笑いして盛り上がっていました。お餅をついて食べて、楽しくゲームして、満足そうに学生たちは帰っていきました。

無事にイベントが終わってから、センターのみんなと残ったお雑煮や大福を食べながら打ち上げをしました。いつものように準備は大変だったと思いますが、お陰で学生たちも、そして私も楽しい時間を過ごせました。どうもありがとうございました!

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ついたお餅はちぎって丸めて、お雑煮や大福にします

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お雑煮も大福も美味しかった!

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二人羽織のゲームで盛り上がりました

難航する両国の和平プロセス 

雲が空を覆うことが多く、すっきりしない天気が続いていますが、気温は少し上がって、それほど寒くはありません。しかし、来週は一気に寒くなって雪も降るという予報が出ています。

イランとパキスタンの間で緊張が高まりました。中東の紛争が拡大化している時の出来事でヒヤッとしましたが、その後、両国は関係を正常化する方向で動いているようです。しかし、今年も世界情勢は波乱含みの様相を呈しています。

ロボティックスのクラスを終えたアレンが、先日プログラミングのクラスを少し体験しました。本人はあまり関心なさそうですが、ロボティックスで仲良くなかった子供が通うからということで参加しました。悪くはなかったようですが、実際に続けるかどうかは考えたいとのことです。

髪がかなり長くなっていたアレンとレオは、今日いつもの子供用の床屋に行って散髪しました。二人とも長めの方が好きなのと、寒い季節ですから、そんなにバッサリとは切りませんでしが、二人ともけっこうすっきりしました。

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プログラミングのクラスの説明会にはレオも参加しましたが、質疑応答の時間になると、「もう終わり?」と質問して、周りを笑わせていました。あまり関心がないようです。

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前髪を上にまとめて散髪してもらうレオ。女の子みたい!

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散髪後に近くのレストランでハンバーガーを食べるアレンとレオ

さて、記事タイトルにあるように、アルメニアとアゼルバイジャンの和平プロセスに暗い影を落とすようなニュースがありました。それは、先日アリエフ大統領が自国メディアとのインタビューで述べた発言内容です。

アリエフ大統領は、アルメニア領内を通ってアゼルバイジャン本土と飛地ナヒチェバンを結ぶ治外法権を持った回廊、またソ連時代に自国領土であった飛地や国境付近の村の無条件返還を要求し、3年前の戦争以降に占領した国境地域からの自国軍の即時撤退を拒否しました。

アゼルバイジャンが「ザンゲズル回廊」と呼ぶ上記の道路については、これまでも両国間で問題となりました。アルメニアは、停戦合意には「すべての通信輸送ブロックの解除」という文言はあるが、ザンゲズル回廊という言及はないと反論しています。また、たとえ回廊が開通したとしても、アルメニアの管轄下に置かれて管理されるべきだと主張しています。

アルメニアは、その回廊ではなく、イラン領内の交通網を発展させて、アゼルバイジャン本土とナヒチェバンを結ぶ計画を提案しています。ちなみに、イランもそちらの計画を支持し、ザンゲズル回廊には強く反対しています。自国のアルメニアやその北へのアクセスが遮断される可能性があるからです。

昨年9月にカラバフへの軍事作戦を行った後、アゼルバイジャンはイランとの交通開発の協力を進め、ザンゲズル回廊については言及しなくなったのですが、アリエフ大統領はインタビューで、アルメニアが同回廊の開通を受け入れない限り、両国が国境を開くことは決してないと明言しました。

また、アルメニアが和平プロセスに不可欠と主張する国境確定についても、アリエフ大統領は、平和条約締結後に解決すればよいと主張しました。そして、国境確定作業では、アルメニアが基準とする1991年時の境界線ではなく、それより以前のものを参考にすべきであり、当時アゼルバイジャン領だった飛地や村の無条件返還を要求しました。

その上で、国境が確定しない限り、3年前の戦争以降に占領した国境地域から自国軍を撤退させるつもりはないと述べました。つまり、アルメニアが平和条約の前提条件と考える相互の領土承認および国境からの軍撤退について、アゼルバイジャンは相容れない立場であると明確にしたのです。

さらに、平和条約締結において、アルメニアは第三国の保証人が必要だと主張していますが、アリエフ大統領は、それは必要なく、二国間で決定すべき問題だと述べました。アルメニアは、米国やフランスなど西側諸国の仲介を重視しており、それに反発するアリエフ大統領との間には大きな意見の隔たりがあります。

これについては、私個人も欧米による仲介や干渉には疑問を感じています。先日ロシアのラブロフ外相は、「アゼルバイジャンは平和条約に署名する準備があるが、アルメニアの立場は明確ではない。西側諸国による積極的な介入が、元々合意したフォーマットによる交渉の進展を阻害している」と述べました。

アルメニアにすると、不信感から安全保障をロシアに依存したくないという思惑があるでしょう。かといって、西側にすり寄って、この地域に東西対立の構造を持ち込むことは危険です。この地域の問題は、当事国と周辺関係国が話し合って解決すべきであり、西側諸国が自分たちの利害を持ち込んで干渉することではありません。

ウクライナの戦争も、欧米諸国が反ロシアのイデオロギーの下で行う介入のせいで、余計に長期化・泥沼化しています。混乱が続く中東情勢も、欧米は口先ばかりで、これまで現実的な解決を試みることはありませんでした。世界は今ものすごい勢いで多極化しており、アルメニアも自国の利益や立ち位置について長期的な視点で考える必要があると思います。

当然アリエフ大統領による上記の発言や主張に対して、アルメニア政府は反発し、「和平プロセスへの深刻な打撃だ」と非難しました。しかし同時に、交渉は今も継続されており、いかなる困難があっても平和を実現するために努力を行なっていくと表明しました。

アリエフ大統領も、アルメニアと全く相容れない意見を主張すると同時に、なるべく早期に平和条約を締結すべきであり、その基本条件は整っているとインタビューで述べています。どちらも平和条約締結の必要性については一致していますが、そのプロセスや条件に関しては、まだ様々な対立や相違があるわけです。

やはり早期の締結は難しいことが露呈し、残念には思いました。しかし、30年も領土を巡って争い、最終的に武力によって解決されたことを考えれば、融和への道が簡単ではないのは当然のことでしょう。互いの主張や利害がぶつかるのは避けられないことです。

それでも、双方が新たな戦争を望んでおらず、平和条約締結を目指していることは確かで、私は希望を持ち続けています。平和は、どれほど困難があっても達成する価値があるもの。両国が現実的な譲歩や妥協によって歩み寄り、いつかきっと平和が訪れると信じたいと思います。

妻の誕生日を家族でお祝い! 

天気予報どおり、週末から気温が下がって日中でも5℃を下回り、朝晩の外気はキーン!という冷たさ。そのうちもっと分厚めのダウンジャケットを着ないと厳しくなるかもしれませんね。しかし、吐く息が白くなる冬らしい寒さは、空気が澄んでいるように感じるので嫌いではありません。

今月1日に発生した能登半島地震ですが、その死者が200人を超えたという報道がありました。まだ2万人近くが不便な避難生活を強いられているそうで、いまも孤立状態の地区もあるとのこと…自然災害ばかりは仕方ありませんが、本来であれば楽しく過ごすはずのお正月に被災した多くの方々に改めてお見舞い申し上げます。そして、一刻も早い復興を祈ります。

先日アルメニア政府が、トルコとの国境にあるマルガラ検問所は完全に改修され、運用の準備が整ったと発表しました。両国の関係正常化の一環として、長年閉鎖されていた国境を第三国民が越えられるよう手続きが進められているのです。これは歴史的な大きな変化です。

過去に当ブログでも書いたように、トルコとの関係が悪化して国境が閉まったのは30年前の第一次カラバフ戦争中のこと。優勢だったアルメニアがカラバフ周辺の地域も実効支配したことを受けて、トルコは国境を封鎖しました。そのトルコとの関係改善は、アゼルバイジャンとの平和条約締結交渉にも影響を与える可能性があります。長く対立し続けた周辺国との融和が進んでほしいと願います。

先日は妻の同級生と弟さんが我が家に来て、一緒に夕食を食べました。久しぶりにいろいろ話ができて、とても楽しいひと時になりました。また、昨年秋に日本の旅行雑誌の現地取材をサポートしたのですが、完成した雑誌が届けられました。紹介したハグパット村の友人も掲載されていて、とても嬉しかったです。アルメニアを含むコーカサス地域が紹介されているので、ぜひ手に取ってみてください。

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久しぶりの再会で、一緒に楽しい時間を過ごしました

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雑誌「TRANSIT」ではコーカサスが紹介されています

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10日前に一緒に新年をお祝いしたハグパット村に住む20年来の友人のことも掲載されています

さて、先週土曜日は妻の35歳の誕生日でした。前日の夜、親友で息子たちのゴッドペアレンツでもあるダグラス・聖美さん夫婦とネット電話で話したら、いつものごとくアレンもレオも二人と話せるのが嬉しくて興奮するし、結局そのまま日付を超えるまで会話が盛り上がってしまいました。なので、画面越しに乾杯して、「リリット、おめでとう!」と一緒にお祝いしました。大好きな二人と妻の誕生日を迎えることができて幸せでした。

誕生日当日も、「おめでとう!」と言って妻をハグしました。その日の午後は、妻に金のアクセサリーをプレゼントするためにエレバン中心部の宝飾店に行きました。30歳の誕生日の時もそうでしたが、節目の誕生日には金のアクセサリーを贈るようにしています。そういう記念の時じゃないと、そんな高価な贈り物は中々できませんからね。

宝飾店で展示されていたアクセサリーの中で、妻が一番気に入ったものは幸いギリギリ予算内だったので購入することができました。他のものはもっと高価だけど、やたらキラキラして派手で明らかに妻の趣味ではありませんでした。妻が選んだのはシックで落ち着いた感じで、帰宅してからも、「本当に気に入った」と妻は嬉しそうでした。

元々はエレバン中心部のイタリアンレストランで夕食するつもりでしたが、先週はずっと息子たち、特にアレンが胃の調子が悪く、学校も休んでいたため、大事を取って家で食事することにしました。ただ、せっかく妻の誕生日ですから、家族で映画を見に行くことにしました。

ショッピングモールで「FLY!/フライ!」という子供向けのアニメが上映されていたので、それを鑑賞しました。レオの学校のクラスメイトも父親と来ていて、映画館に入ると、「レオー!」と手を振ってきました。映画はロシア語吹き替えでしたが、単純なストーリーだったので、私もだいたい内容を理解できて楽しめました。息子たちはロシア語が分かるので、最初から最後まで楽しそうに見ていました。

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私からの誕生日プレゼント。妻がとても気に入ってくれたのでよかったです

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その日はイエスの命名を記念するキリスト教の祝日だったので、妻と教会に行って祈りを捧げました

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家族で映画を見て、楽しい時間を過ごしました

帰宅してから、妻が作ったパスタを食べて、トビリシで買ったアンバーワインで乾杯しました。それから、誕生日ケーキのロウソクに火を灯しました。レオがウクレレで一生懸命ハッピーバースデーを弾く姿が可愛らしかったです。妻が火を吹き消すと、家族みんなで「おめでとう!」と言って祝福しました。可愛い息子たちと一緒にお祝いできて妻も喜んでいました。

結婚した時は22歳だった妻が35歳になり、月日が経ったことを感じますが、今も変わらず素敵な女性のままです。妻として私をいつも支えてくれています。息子たちにとっては、愛情溢れる優しい母親です。日本語の専門家として翻訳の仕事を頑張って、昨年からは大学院で学んでいます。こう書くと、ものすごく大変そうですが、本人は人生を楽しく謳歌しているようです。これからもずっとそうであってほしいです。

リリット、改めて誕生日おめでとう!いつもありがとう!体に気をつけながら、勉強を頑張って!これからもよろしく!

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ジョージアのアンバーワインで乾杯!美味しかった!

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誕生日ケーキで妻をお祝いしました!

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ロウソクを吹き消す妻。リリット、誕生日おめでとう!

ネットがなかった時代の旅 

1月に入ってもそれほど寒くない気候が続いていますが、予報によると、今週末から気温が下がるそうです。普段アルメニアで最も寒いのは1月下旬から2月初旬なので、これから真冬の気候になっていくかもしれません。

1月9日は、映画界の巨匠セルゲイ・パラジャーノフの生誕100周年だったので、それを記念していろいろとイベントが行われています。私もその前衛的かつ芸術的な作品が好きで、エレバンにある彼の博物館も何度か訪問しています。イベントが行われている間に、また博物館に足を運べたらと思います。

昨年末にアゼルバイジャンから平和条約の草案に関する提案があり、先日アルメニア政府はそれに返答を行い、現在アゼルバイジャンからの反応を待っているそうです。合意に至るには、まだまだ未解決の問題があり、今後も交渉を重ねる必要がありますが、両国が平和条約締結に向けて積極的に動いている事実は歓迎すべきことです。

今日の夜は、我が家で妻の大学時代の同級生とその弟夫婦を呼んで夕食会を開く予定です。その同級生はイタリア語学科を卒業し、現在イタリア在住で、今アルメニアに一時帰国中ですが、もうすぐまたイタリアに戻るそうです。私もかなり久しぶりの再会ですね。

さて、アレンもレオも、冬休み明けの月曜だけ学校に行って、その後はずっと休んでいます。というのも、二人とも朝方にお腹の調子を崩すという症状があって、特にアレンは吐き気もあります。しかし、症状があるのは朝だけで、それ以降はずっと元気。とりあえず、ちゃんと治るまでは無理させないようにしたいと思います。

大学院に通う妻は、今日から2週間の試験期間に入りました。息子たちが学校を休んで家にずっといるため、日中はあまり落ち着かないせいで、夜遅くまで勉強しています。今日の試験は無事に終わり、最高点を取れたみたいでホッとしている様子でした。先月末に提出した論文の評価も高かったみたいだし、試験も頑張ってほしいと思います。

私もエレバンに戻ってから、というか戻る少し前から仕事で忙しくしています。オンラインで働けるのはフレキシブルで便利な反面、いつどこにいても外界と繋がって、容赦なく仕事の対応に迫られるという弊害があります。

とはいえ、技術革新や進歩は、利便性の追及によって起こるものなので、やはりネットの発達は圧倒的に便利なことの方が多いです。仕事だけでなく、こうやってブログを書けているのもその恩恵で、SNSやいろんなアプリも生活に欠かせないツールとなっています。ただ同時に、ネットが発達していなかった時代はいろいろ不便だった分、豊かな面もあった気がします。

例えばネットがない時代の海外旅行を思い返すと、そう感じる部分があります。もちろん私だって今もし世界一周に旅立てば、スマホやネットを多用するに違いありませんが、当時はそんなものなどなく、デジカメさえない時代でした。日本からの手紙を渡航先の日本大使館で受け取る、その大使館に置いてある新聞で日本のニュースを知る…なんて時代でした。とにかく今と比べたら、情報に乏しく、不便だらだけでした。

しかし、情報が乏しかった分、いつも未知の世界が広がっていました。不便で遠回りすることが多かった分、人に助けられ、優しさに触れることができました。スマホがなかった分、周りの景色を眺め、思索に耽り、人と交流することにもっと時間とエネルギーを費やすことができました。

情報から隔絶された分、とことん自分を見つめることができました。SNSがなかった分、予期せぬ再会を運命と感じることができ、自分の体験を発信・共有することよりも、それを深く内省化することができました。先の人生に保証がなかった分、旅行中の出会いや起こることに意味を見出すことができました。

当時の自分が旅で求めていたのは、人生のレールから外れて、すべてリセットし、その不確実な中でシンプルに自分らしく生きてみることでした。そういう意味で、どれだけ不便で非効率でも、不安やリスクがあったにしても、ネットがない時代に旅ができたことはとても貴重で幸せに思います。あの時代の旅の経験は、自分にとって大切な原点であり続けるでしょう。

ところで、大晦日の記事でご紹介した1年を振り返るスライドショーですが、一部のBGMの著作権の問題で閲覧できない場合があったらしいので、再編集してYoutubeに再度アップしました。改めて昨年を振り返ってみると、すてきな思い出や出会いや再会に満ちた素晴らしい1年でした。今年もそんな年になりますように!

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息子たちもネット社会の子供らしくスマホが大好きで、家にいるとゲームにはまっています。朝以外は元気なんですよね…

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かなりグラグラしていたレオの前歯がついに抜けました!


再アップした昨年を振り返るスライドショー