アルメニアの母性と美しさの日 

暖かくなって、日中の気温は20℃近くあります。朝晩もそれほど寒くないので、そろそろ衣替えの時期です。ただ、まだ不安定な天気は続くみたいで、予報によると来週はずっと雨マーク…それを過ぎれば、すっかり春の陽気になるでしょう。

今日4月7日は、「母性と美しさの日」というアルメニアの女性の日。天使ガブリエルが聖母マリアにキリストの誕生を告知した日とされています。多くの人が母親や奥さんにプレゼントを渡して感謝の気持ちを伝えます。なので、私も花束を買って妻と義母にプレゼントしました。いつもどうもありがとう!

畑正憲氏の訃報がありました。享年87歳。子供の頃に「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」を見ていた世代の私にとっては超有名人。当時は、どんな動物とも笑顔で戯れる優しいおじさんという印象でしたが、自分が大人になってからは、常にタバコを咥えながら自由奔放な生き方を貫くロックなおじいさんというイメージが強いです。ご冥福を祈りたいと思います。

昨年12月から続くラチン回廊の封鎖ですが、もう4か月近く経つのに、いまだに解決していません。先日は、家族との面会のためにカラバフに向かっていた27人のアルメニア人市民がアゼルバイジャン人らに通行を阻止され、結局アルメニア本土に戻らされるという事件がありました。ロシアの平和維持軍が同行していたにも関わらず、故郷への帰還を果たせないなんて…一体いつまでこの状況が続くのでしょうか…

関係正常化で合意したイランとサウジの外相が昨日、仲介を行った中国で会談しました。サウジはシリアとも関係改善を進めており、これから中東の勢力図は大きく変わっていくでしょう。欧米の意向に反して、先日OPECが大幅な減産を決めたこともその変化の現れかもしれません。明らかに世界は多極化に向けて進んでいるような気がします。

個人的に偶然とは思えませんが、マクロン仏大統領とEU委員長も昨日中国入りし、習近平国家主席と会談しました。報道によると、二人ともロシアを非難する姿勢を強調しながらも、中国に仲介役として一層の助力を求めたそうです。今さら自分たちでは和平の仲介はできず、事態は長期化する一方なので、中国にお願いしたというのが事実だと思います。ウクライナも中国の和平案に関心を示しているから、ここでも中国が大きな役割を果たすかもしれません。

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妻と義母に花をプレゼントしました

さて、季節の変わり目だからか、体調を崩す人が多く、妻も風邪気味でした。しかもかなりしつこくて、先週末からずっと喉の痛みや微熱が続いていましたが、やっと回復してきたようでよかったです。アレンも火曜に腹痛を訴えて学校を休みました。そうなると、元気なのにレオも休み…幸い腹痛がひどかったのはその日だけだったので、今は二人仲良く元気に通学しています。

アレンはピアノや細密画を続けています。そして、聖美さんが日本から送ってくれた「ナルト」の漫画も毎日読み続けています。かなり読むスピードが速いから、セリフをほとんど読んでいないんじゃないか…と疑いましたが、意味がよく分からないことがあっても、ちゃんと目を通しているそうです。それでも日本語を読む練習にはなっているし、繰り返して読めば意味も次第に分かるようになるでしょう。

あと、レオは先々週からチェスの教室に通い始めました。アルメニアはチェスが小学校の必須科目になっているのですが、レオはそれだけでは物足りないみたいで、「もっとチェスを練習したい!」というので試しに通わせてみることにしました。けっこう気に入ったみたいで、出された宿題も一生懸命にやっています。私はチェスは分からないので、その宿題を見てもサッパリ…とにかく今回は飽きずに習い続けてほしいです。

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ピアノレッスンで少しずつ楽譜を学ぶアレン

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聖美さんが送ってくれた「ナルト」全巻を並べたアレン。片岡さんからもらったフィギュアも飾っています。

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チェス教室で課題に取り組むレオ。頑張れー!

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駒の動きを考えるチェスの宿題。将棋ならともかく、私はチェスはさっぱり分かりません。

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その宿題を実際に駒を動かして解こうとするレオ

鮄川さんが1年ぶりにアルメニア訪問 

4月になりました。今年もすでに4分の1が過ぎたわけで、月日が経つのは早い!日本は入学や入社など新たな門出の時期ですね。私がいろはセンターで漢字を教えていた学生の一人も今日、留学のために日本に向けて出発しました。

先週金曜の夜は、その学生の送別会が行われました。彼女は優秀だから大丈夫に違いないですが、勉強を頑張って、留学生活を楽しんできてほしいと思います。ちなみに先週末は冬に戻ったかのような寒さで、送別会の途中にレストランの外を見ると雪が降っていました。まさになごり雪!

坂本龍一氏の訃報がありました。享年71歳。最近の痩せ細った姿を見て、もう長くはないのでは…と思いましたが、やはり訃報を聞いた時はショックでした。私は中学時代にYMOを聞いて衝撃を受けて以来のファンで、同じくYMOの高橋幸宏氏も今年1月に亡くなったばかり。「戦場のメリークリスマス」などの映画音楽が有名ですが、アルバム「千のナイフ」や「音楽図鑑」に代表される革新的な作品も大好きです。冥福を祈りたいと思います。


YMOによる「東風」のライブ演奏。今聞いても斬新で素晴らしい!

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ちょっと写真が暗いけど、右真ん中の学生が今月から留学します。ディアナ、おめでとう!日本でも頑張ってー!

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送別会の翌日が誕生日というセンター職員のお祝いもしました。ザリネさんもおめでとう!

昨日アルメニアでは、ツァフカザルトというキリスト教の祝日でした。ツァフカザルトは「花飾り」という意味で、キリストがエルサレムに入城した際、住民がオリーブの枝を持って歓迎したことに由来するお祭。イースターの1週間前に祝われ、アルメニアでは春の訪れを感じさせるネコヤナギの枝が飾られます。

それで昨日はエレバン中心部の教会に家族で行ってきました。キリスト教のお祭ということで、多くの参拝客が訪れていました。混雑していましたが、家族みんなでロウソクを灯してお祈りをすることができました。その後は街中を散策してから、レストランで夕食を取りました。

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教会の周りではネコヤナギの飾りが売られています

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花飾りの祭を祝福するミサが行われていました

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散策中ずっとお気に入りの本を読むレオ

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私たちのベッドの布団に入る飼い猫。まるで人間みたいで可愛いなー

さて、ブログでの紹介が遅れましたが、モンスターラボ社長の鮄川さんが先月下旬にアルメニアを訪問してくれました。昨年7月には出雲市で、また9月にはトビリシで会っていますが、鮄川さんのアルメニア訪問は約1年ぶり。忙しい中、日本から遠く離れたここまで来てくれて嬉しい限りです。鮄川さんも、大好きなアルメニアに久々に来られて嬉しそうでした。

到着した日はちょうどいろはセンターの音色音楽イベントが開催されていたので、一緒に後半部を見ることができました。また、友人で考古学者の有村さんが帰国する前日だったので、我が家に集まって夕食会を開きました。先月初めに誕生日だった鮄川さんのためにケーキを用意して、みんなで誕生日をお祝いしました。このサプライズに、鮄川さんは驚きつつも喜んでいました。遅くまで飲んだり歌ったりして楽しいひと時を過ごしました。

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夕食会で、鮄川さんの誕生日をお祝いしました。おめでとうございます!

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みんなで飲んだり歌ったりして楽しい時間を過ごしました

2日目は、いろはセンターのルザンさんや南江さんたちと夕食をして、鮄川さんがDXアドバイザーを務めている出雲市のプロジェクトや日本語教育などについて話し合いました。いろんなことを対面で率直に話すことができ、とても有意義な会食になりました。そして、鮄川さんが故郷である出雲、そしてアルメニアに深い愛情やこだわりを持っていることも改めて感じることができました。

3日目は、日本が春分の日で祝日だったため、いつも多忙な鮄川さんも時間に余裕があるということで、私と妻と三人でエレバン郊外のサフモサ修道院に出かけました。鮄川さんはもちろん過去に訪問したことがありますが、近場で雄大な自然を満喫できるし、ネットで良さそうなレストランを見つけたので、再訪問することにしたのです。

幸いにも、その選択が大正解!レストランからはネットの写真以上に素晴らしい展望が広がっていて、鮄川さんも私たちも驚きました。深く切り立った渓谷が足元に広がり、左手にはサフモサ修道院や雪山が見えます。アルメニアの自然が大好きな鮄川さんは、とても感動した様子でした。何度も来ている私と妻も、その雄大な景観に息を呑みました。

そのレストランは食事も美味しいし、オーナーの奥さんも愛想がよくて、すごく気に入りました。オーナーの祖父は、ヴァガルシュ・ヴァガルシャンというソ連時代の有名なアルメニア人芸術家だそうです。彼は俳優や映画監督、舞台作家として活躍し、ソ連人民芸術家も授与されています。今レストランになっているのは、彼の息子さんが建てた別荘で、ヴァガルシャン氏の所有物などが展示されていました。

エレバンに戻ってから、鮄川さんと一緒に夕食を取りました。美味しいと評判の老舗のアルメニア料理店で、食事を楽しみながら、会話にも花が咲きました。その日はアルメニアの大自然を満喫して、ゆっくりと3人で過ごすことができたからか、鮄川さんも心のリフレッシュができたようです。私と妻にとっても素晴らしい1日となりました。

翌日のお昼の便で鮄川さんは帰国の途につきました。短い滞在でしたが、久しぶりにアルメニアで会えて、そして一緒に素敵な時間を過ごすことができてよかったです。忙しい中、アルメニアまで来てくれてありがとうございました!またいつでも来てください!

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レストランからは雄大な景観が広がっていました

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中世に建てられたサフモサ修道院も見えます

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思わず息を呑むよう圧倒的な大自然の風景

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とても美しい場所でした。また行きたいと思います。

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楽しい三日間でした。鮄川さん、今回も来てくれてありがとうございました!