素晴らしい2022年を振り返って
今年はかなりの暖冬で、年明けに滞在しようと思っていたツァフカゾールも雪がほとんど積もっておらず、これではスキーができない…ということで、行き先をギュムリに変更して、明後日から滞在する予定です。以前から妻は「お正月をギュムリで過ごしたい」と言っていたし、近くの村には私たちの結婚式の仲人家族もいるし、今から楽しみにしています。
サッカーの王様、ペレが亡くなりました。享年82歳。悲願のW杯優勝を果たしたことで、メッシが史上最高の選手という声が高まっていますが、ペレはなんと3回もW杯を制覇しました。メッシが5回目でやっとその栄光を手にしたことを考えると、ペレがどれほど偉大か分かります。実際に往年のプレーを見るとマジですごい!誰も超えられないサッカー界の唯一無二の巨人!冥福を祈りたいと思います。
さて、今日は大晦日。これが2022年最後のブログ記事となります。昨年の大晦日の記事を読むと、コロナというインフォデミックが早く終わって、狂った世界が正気に戻ってほしいと書いていました。アルメニアは2020年の夏頃にはノーマルな社会になっていましたが、世界は昨年末もオミクロンだなんだとコロナに振り回されていましたからね。今年に入ってから、やっとそのインフォデミックが終わりを迎えました。
日本も春頃から規制が緩和され始めたため、6・7月に家族で4年半ぶりに帰国しました。運よく直前に到着時検査や自主隔離のルールも廃止されて、入国直後から自由の身で2か月間たっぷりと日本を満喫できました。久しぶりの帰国だから家族に楽しんでもらいたいと、沖縄や東京などいろんな所に行って、素敵な思い出をたくさん作ることができました。
そして、私の家族や親戚をはじめ、片岡さんや鮄川さん、アルメニア友の会の役員など多くの友人・知人と嬉しい再会を果たすことができました。誰もが私たち家族の帰国を喜び、息子たちの成長に目を細め、心から温かく迎えてくれました。それが日本旅行の一番の思い出となっています。素晴らしい出会いや縁に恵まれたこと、その絆がずっと続いていることを改めて有り難く幸せに思いました。
また、今年も片岡さんや鮄川さん、ダグラス・聖美さん夫婦や大輔さんなど、いろんな人たちがアルメニアを訪問してくれました。一緒に旅行したり、語り合ったりして楽しい時間を過ごすことができました。毎年のように機会を作って、私たちに会いに来てくれる友人たちの存在に感謝です。
私にとっては最高の1年になりましたが、世界は戦争や景気後退で大波乱の1年でした。アルメニアとアゼルバイジャンとの対立は今年も続き、9月には国境付近で大規模な軍事衝突が発生して、双方に多くの死傷者が出ました。そして、カラバフとアルメニア本土を結ぶラチン回廊は、今もアゼルバイジャン人のグループに封鎖されたままです。この状況が続けば、必需品の不足もさらに深刻化し、新年を家族と過ごないカラバフ市民も出てくるでしょう…
年の終わりにこんな悲しいニュースを伝えなければいけないのは残念で仕方ありません…とにかく一刻も早く事態が収束してほしいと思います。そして、同様の問題が再発しないよう、根本的な解決を目指してほしいと思います。30年間も交渉と妥協によって領土問題を解決できなかった結果、一昨年ついに戦争が起こり、多くの犠牲者を出しました。そして、今も憎悪の連鎖が続いて、対立を解消できないでいます。
同じ過ちを繰り返さないよう、今年は和平に向けて少しずつ前進してほしいと心から切に願います。その過程には多くの障害や問題がありますが、争いのない平和な社会を築くこと…それが国の未来、また子供たちの未来にとって最も大切です。そして、それこそが何より犠牲になった人たちへの弔いになると信じています。だから、私は希望を持ち続けたいと思います。
コロナ禍が終わっても、世界は混乱が続いていますが、お陰さまで、私たち家族は元気に幸せに過ごすことができました。アレンとレオも成長して、日本旅行を終えてからはケンカしなくなり、とても仲睦まじい兄弟になりました。親としては嬉しい変化です。このままずっと仲良くいてほしいものです。そして、来年も健やかに成長してほしいと思います。
自由気ままに書いている当ブログは、今年も何とか更新を続けることができました。そして、年末恒例の1年を振り返るスライドショーも作成しました。今年は例年より長めですが、それだけ素敵な思い出が多かった証拠。今年も素晴らしい1年になり、家族や友人たち、お世話になった方々や出会った方々に心から感謝です。本当にありがとうございました!
来年も家族と共に健康で幸せでいられますように!そして、平和な年になりますように!では、来年もよろしくお願いします!みなさん、よいお年をお迎えください!
アルメニアでは「祭の木」と呼ばれるクリスマスツリーですが、今年は飾りはなし…というのも、猫が飛びついて取ってしまうからです。
その猫がベッドで丸くなっています。可愛いから憎めないですね。
今年もお世話になりました。お陰さまで、今年も素晴らしい1年になりました。来年もよろしくお願いします!
恒例の1年を振り返るスライドショー!今年は特に思い出が多いから10分と長めですが、どうぞご覧ください。来年も素晴らしい年になりますように!
- [2022/12/31 17:23]
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いろはセンターのクリスマスイベントで初漫才
今年も残すところあと数日となりました。もうすぐ2022年も終わり。今年もとても素晴らしい1年になりました。特に今年は久しぶりに家族で日本に帰国したから、素敵な再会と思い出に満ちた年になったように思います。コロナという愚かなインフォデミックから、やっと世界が解放されたことは大きいですね。
しかし、アルメニアとアゼルバイジャンの対立は解消されないままで、環境保護団体と名乗るアゼルバイジャン人のグループが、カラバフとアルメニア本土を結ぶラチン回廊をいまだに封鎖しています。もう2週間以上も続いていて、年内に解決されるのか心配です。これだけ時間が掛かるということは、その原因や背景は複雑かもしれませんが、一刻も早く収束してほしいと切に願います。そして、同様の問題が再発しないよう、根本的な解決を目指してほしいと思います。
お陰さまで、レオの風邪も昨日にはすっかり良くなりました。先週後半から学校は冬休みに入ったので、ずっとアレンもレオも家にいます。日本旅行を終えてから、二人はほとんどケンカしなくなって、基本的に仲良く遊んでいます。全く性格の違う二人ですが、兄弟っていいなーと思いながら見守っています。
さて日曜は、いろはセンターの創立8周年を祝うクリスマスイベントが開かれたので、教師を務める私も妻と共に出席しました。今年はゲストや学生たち70人以上が来たので、少し早めに行って準備を手伝いました。センターの職員らが作った巻き寿司や唐揚げなどをテーブルに並べたりしました。その間、出し物をする学生たちがリハーサルをしていました。
イベントは、まず会長のルザンさん、副会長の南江さん、そして福島日本大使のスピーチで始まりました。年末の恒例イベントになっていますが、今年も活動を継続して、その創立記念をお祝いできたことは素晴らしいと思います。ちなみに福島大使はアルメニア語でも話されて、学生たちはみな感心している様子でした。
その後は、学生やゲストが楽器演奏やダンスや歌を披露して、アニメクイズや小豆運び、ひらがなビンゴなどのゲームで盛り上がりました。アニメの曲を上手に演奏する学生、まだ初級レベルなのに日本の歌をカンペなしで歌い切った学生には感心しました。すごい!
会長のルザンたちと副会長の南江さんがイベント冒頭にスピーチしました
ナルトのOP曲「ブルーバード」をギター演奏する学生。学生の多くはアニメファンだから、みんな途中から歌っていました。
コスプレした学生たちが歌とダンスを披露
ジョージア在住の日本人の大学生が歌を披露
音大に通う学生が歌って、美声を披露してくれました
昨年に引き続き、ピアノとバイオリンの素晴らしい演奏を披露してくれた学生たち
私が漢字を教えている学生が日本の歌を披露。まだ初級なのに歌詞を覚えて歌い切りました。すごい!
センターで教鞭を取る松尾先生が、今年もピアノを演奏しました
日本語でジングルベルを歌う学生たち
そして、実は私も芸を披露しました…なんと漫才!センター副会長の南江さんとのコンビで漫才をしたのです。もちろん二人とも漫才なんて人生初!私も南江さんも関西出身で、普段の会話でボケたり突っ込んだりはよくしますが、さすがに漫才はしたことありません。というか、しようと思ったこともありません。
では、なぜ漫才をすることになったかというと…今月始めの日本語能力試験が終わってからの打ち上げで、クリスマスイベントの話題になりました。私も出し物を頼まれて、昨年と同じくギターを弾いて一曲歌おうかなと言ったら、ルザンさんが、「南江さんと漫才やったら?いつも二人の会話は面白いし!」と提案したのです。
しかし、いくら普段の会話が面白いからといっても、いざ漫才となると、ちゃんとネタを作って、テンポよくボケ・ツッコミをしないといけません。うーん、やっぱり難しそう…スベったら恥ずかしいし、大体イベントには日本語の漫才を理解できるレベルの学生はほとんどいないし…と思って、私も南江さんも乗り気になれず、その場では了承せずに曖昧なまま終わりました。
その1週間後に私は風邪を引き、家で休んでいる時に何となくネタを作り始めてみたら、意外にスムーズに完成してしまいました。で、南江さんに「ネタができたんやけど、漫才やってみる?」と言うと、かなり困った様子でしたが、とりあえずやってみようということになったのです。お互い練習する時間はあまりなかったですが、何度かネタ合わせをして本番に臨みました。
いざ本番となると、やはり大勢を前にして最初は緊張しました…人生初の漫才なんだから当然ですけどね。でも、南江さんと掛け合いを始めたら、観客の反応を気にする余裕などなく、それで逆に「もうどうにでもなれ!」と吹っ切れたのか、けっこう気持ちが落ち着いてきました。そして、アドリブを入れながら何とか最後までネタを披露することができました。「フゥゥ〜終わったあ…」と安堵感と疲労感でぐったりでした。
漫才をやっている間は、ウケているのかどうか全く分からず、ルザンさんや妻やセンター職員らに感想を聞いてみたら、「すごく面白かった!初漫才なのにすごい!」と言ってくれました。もちろん大してウケなかった人たちもいたはずですから、成功とは言い切れませんが、ど素人の私たちの初漫才としては悪い出来ではなかったのかも…とにかく無事に終わってよかったです。南江さん、本当にお疲れ様!
人生初の漫才に挑戦!なんとか最後までネタを披露できました。ちなみに動画もありますが、恥ずかしいのでブログには載せません!というか、私自身が見てもいません!
恒例のアニメクイズ。私はちっとも分かりませんが、学生たちはよく知っています。
これも恒例のひらがなビンゴクイズ。ゲストの在留邦人の息子さんがカードを引きました。サンタの衣装が可愛い!
イベントの最後は、いろはセンターの創立を祝うケーキが登場しました。私たち教師や職員らでハッピーバースデーを歌って、ロウソクの火を吹き消しました。それから福島日本大使がお祝いのスピーチをされて、アルメニアの歌を披露して下さいました。他のゲストや学生たちからもお祝いの言葉が贈られました。創立8周年、本当におめでとうございます!
今年のクリスマスイベントも無事に終わり、みんなで後片付けをしてから、忘年会を兼ねた打ち上げに行きました。初めて漫才をしたので、本当にお疲れ様という感じでビールがめっちゃ美味かった!ルザンさんから、是非またやってください!と頼まれたし、くだらない冗談を言って人を笑わせること自体は好きなので、機会があれば再挑戦してもいいかもしれません。でも、やっぱり漫才とかお笑いって難しい…不特定多数を笑わせるプロってすごいと思います。もしまた漫才するなら、いろいろ改善しないといけませんね。
結果はともかく、初めてのことに挑戦できたのはとてもいい経験でした。そして、とても楽しいイベントでした。いろはセンターのみんなに感謝です。また、出し物をしてイベントを盛り上げてくれた学生やゲストにも感謝です。こういうイベントを開催できるのも、アルメニアで日本語教育や日本文化普及に尽力してきた成果だと思います。これからも頑張りましょう!改めておめでとうございます!
創立8周年のお祝いのケーキが登場!みんなでハッピーバースデーを歌いました。
みんなでロウソクを吹き消しました。おめでとうございます!
福島日本大使もお祝いのスピーチをされて、アルメニアの歌を披露して下さいました。ありがとうございます!
イベント後に忘年会を兼ねた打ち上げの夕食会に行きました。本当にお疲れ様でした!
- [2022/12/27 19:10]
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年末パーティーと忘年会
寒い日が続いていますが、それでも今年は暖冬傾向のような気がします。地方もあまり寒くないみたいで、お正月にスキーに行こうと思っているツァフカゾールも、まだあまり雪が積もっていないようです。大丈夫かな…
そういえば今日はクリスマスイブですね。当ブログをずっと読まれている方ならご存知かと思いますが、アルメニアのクリスマスは1月6日なので、今日も明日もまったく普通の日です。私はもう13年ちょっとアルメニアに住んでいるから、この時期に何もないのは慣れたというか、その方が自然に思えるぐらい。なぜアルメニアのクリスマスが1月6日なのかについては、過去の記事をご覧ください(こちら)
私も先週なりましたが、どうも風邪が流行っているようで、レオが一昨日から風邪を引いています。ちょうど学校が冬休みに入ったタイミングだったのは幸いでしたが、昨晩遅くに39度の熱を出しました。さすがにこの高熱だと、急いで解熱剤を飲ませました。お陰さまで、今朝に熱はだいぶん下がりましたが、あまり無理させないようにしないと。
W杯で優勝したアルゼンチン代表が帰国した時の国民の熱狂ぶりが凄くて(死者まで出たらしい…)、やっぱりアルゼンチンが勝ってよかったなーと改めて思います。ラテンアメリカ諸国はどこもサッカー熱が高いですが、特にアルゼンチンは群を抜いていますからね。年齢や階級など関係なく、国民全体が36年ぶりの優勝を心から喜ぶ姿を見ていると感動します。改めておめでとう!
環境保護団体と名乗るアゼルバイジャン人のグループが、カラバフとアルメニア本土を結ぶラチン回廊を封鎖している問題ですが、2週間近く経った今も解決していません…人の移動や物流が滞っているため、カラバフでは生活必需品や薬品などの不足が深刻化しているようです。人命に関わる危機的な状況になりつつあり、とても心配です。
人道的な被害を考えると看過できない行為ですが、アルメニア発信以外の情報を見る限り、上記の問題の背景や原因もそれほど単純ではないかもしれません。やはり、30年間も交渉と譲歩によって領土問題を解決できなかったことのツケは大きいと痛感します。根本的な解決を先送りした外交政策によって、多くの兵士の命が犠牲になりました。そして今、カラバフ市民が犠牲になろうとしています。一刻も早く収束してほしいと思います。
さて一昨日の夜は、私が働いている現地のIT企業の年末パーティーが開かれたので、私だけ行ってきました。いつもは配偶者も招待されたので、妻と一緒に参加していましたが、今年は社員のみというルール。というか、「今年は年末パーティーないんかな?」と思うほど、開催の通知も直前でした。
やはり昨今の世界的な経済混乱は、アルメニアのIT業界にも影響を及ぼしているせいか、パーティー開催の決定が遅れたり、その規模も縮小せざるを得なかったのでしょう。それでも世界的に成功している企業なので、今回も十分にド派手でした。サーカスのような空中ショーもあったし、大勢の社員がみんな飲んで踊って大騒ぎでした。私も夜遅くまで踊って楽しい時間を過ごしました。
会社の年末パーティー。例年に比べて規模は小さめでしたが、とても盛り上がりました!
今年は空中ショーなどド派手な演出のある会場でした
あと、昨晩は在留邦人のご家族のお宅で忘年会が開かれました。子供たちも招待されていましたが、レオは風邪で無理だし、アレンも「レオと一緒に家にいる」と言うので、妻と一緒に行ってきました。なんだか最近このパターンが多い気がします。まあ、息子たちが成長した証拠かもしれません。
しかし、私たちが着いた時には元気そうだった向こうの息子さんが急にぐずり始めて、熱っぽいから計ってみると37.7度!それはぐずるのも仕方ありません。すぐに奥さんが息子さんを寝室に連れて行って、寝かしつけました。せっかくのパーティーだったのに可哀想…
とはいえ、急なことだったし、ルザンさんや他の在留邦人のご家族も到着したので、忘年会は予定通り開かれました。持ち寄りでいろんな料理が並びましたが、特に奥さんが作った寿司が見た目も味も絶品!めっちゃ美味しかったー!ご主人が日本から持って来た日本酒も美味しくて、本当に大満足でした。
会話にも花が咲いて、ギターを弾いて歌ったりして、みんなで盛り上がりました。そのままオールナイトになってしまいそうな雰囲気でしたが、息子さんが熱を出しているので、あまり遅くならないように帰宅しました。でも、とても楽しいひと時を過ごすことができました。息子さんも、今朝には熱が下がったみたいで安心しました。
ご招待に感謝です。美味しい食事とお酒、そして楽しい空間と時間をありがとうございました!
在留邦人のお宅で開かれた忘年会。これも楽しく盛り上がりました!
息子さんが発熱して休んでいたため、カラオケはしませんでしたが、ギターを弾いて歌いました
風邪を引いたレオが、私のエレキギターを弾いて喜んでいました
アレンは私の三線を気に入ったようです。ピアノもいいけど、弦楽器も楽しいぞー!
- [2022/12/24 20:52]
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アルゼンチンが悲願のW杯優勝!
12月も下旬に入って、今年もあと10日ほど残すのみとなりました。今日は霧がすごくて、朝方は外は真っ白…まるで映画「ミスト」みたいでした。気温もどんどん下がっていますが、予報だと年内にエレバンは雪は降らないようです。
この真冬の中、カラバフへの道路が封鎖されて、ガスの供給が停止されたというニュースについて前回の記事に書きましたが、アゼルバイジャンはガスの供給は再開したようです。しかし、アルメニア本土と結ぶラチン回廊はまだ封鎖されたまま…もう8日間も人の移動や物流が滞っています。
千人以上のカラバフ市民が戻れなくなっており、エレバンの病院で治療や手術を受ける予定だった人も移動できないでいます。封鎖を続けている環境保護団体と名乗るアゼルバイジャン人のグループは、同地域にある鉱山で行われている違法採掘、またその調査活動をロシアの平和維持軍に拒否されたことに対する抗議だと主張しています。
とはいえ、人命に関わる結果を招きかねない状況で看過できませんが、戦争後もこのような事態が起こるのは、もっと早くに交渉や妥協を通じて領土問題を解決できなかったアルメニア側にも責任があります。対立が長引けば長引くほど、憎悪や猜疑心は根深くなり、信頼関係を築くことはより困難になります。まずは一刻も早く道路封鎖が解除されてほしいですし、根本的な解決を進めてほしいと思います。
さて、昨日カタールW杯の決勝が行われ、アルゼンチンが死闘を制して悲願の優勝を果たしました!当ブログで書いていたように、私は個人的にアルゼンチンを応援していたので、めちゃくちゃ嬉しい!ゴールの瞬間や勝利した瞬間は、「よっしゃー!」と大声で叫んで涙しました。今も興奮冷めやらず、優勝の瞬間をネットで見ては涙が溢れそうになるほど…こんなに他国の勝利に心から歓喜したW杯はなかったように思います。
私はコロンビアに住んでいたこともあって、W杯ではいつも南米びいきです。また、「キャプテン翼」やマラドーナを通じてサッカーを好きになった世代なので、アルゼンチンという国は特別な存在です(私が敬愛するチェ・ゲバラの出身地でもあります)。そのアルゼンチンが生んだ天才メッシは、もちろん特別な選手です。そんな私の思い入れなど関係なく、彼は紛れもないサッカー史上最高の選手の一人。
そのメッシを有するアルゼンチンを常にW杯では応援していましたが、今回は最も大きな期待と情熱を持って見守っていました。これが最後のW杯だと公言して全てを捧げるメッシ。その夢を叶えるために全力を尽くすチーム。どの国の代表も誇りを賭けて必死で戦っていますが、今回のアルゼンチン代表には特別なドラマがあり、強い絆で結ばれているように感じたのです。そして、そのドラマが最高の形で完結する瞬間を見届けたいと願いました。
強豪フランス相手にアルゼンチンが2点先制した時には、その感動の瞬間がもうすぐ訪れる!と胸を昂らせましたが、同点に追いつかれて、延長でも勝負がつかずPK戦にもつれた時は、落胆と不安で胸が押しつぶされそうになりました。しかし、それだけ激しく一喜一憂する大接戦だった分、アルゼンチンが勝利を決めた瞬間の感動はひとしおでした。泣きながら息子たちと抱き合って喜びました。
メッシが悲願の優勝トロフィーにキスして、愛おしそうに抱きしめる瞬間にも涙が溢れました。あらゆる富と名声を手にした偉大な選手が、これまでの苦労や重圧など忘れて、まるで子供のように喜ぶ姿からは、長い間ずっとこの瞬間を待ち望んでいたことがひしひしと伝わりました。そして、トロフィーを掲げてチームみんなと歓喜する瞬間は、私にとって想像以上に素晴らしいドラマのラストシーンとなりました
かつてないほど他国の代表チームに感情移入する自分に驚くと同時に、やはりスポーツって素晴らしいと思いました。勝った側は心の底から喜び、負けた側は泣いて悔しがりますが、戦争と違って、それが根深い憎悪や対立へと発展することはありません。大接戦だっただけに、フランスの代表チームや国民の落胆は大きいはずです。しかし、いずれはお互いの健闘を称え合える日が来るでしょう。隣国との争いが続くアルメニアに住んでいると、そんなことを考えてしまいました。
とにかく最後まで手に汗握る壮絶な試合で、応援しているこちらもかなり疲れました…叫びすぎて、今日はちょっと声が枯れています。本当にW杯史に残るすごい決勝でした。そんな名試合を見せてくれたフランスにも賛辞を贈りたいです。そして、メキシコ大会以来36年ぶりに優勝を果たしたアルゼンチンを改めて心から祝福したいです。
そのメキシコ大会では、マラドーナが大活躍してアルゼンチンを優勝に導きました。ドイツとの決勝戦は、2点先制していたのに後半に追いつかれて、終了間際に逆転勝利するという今回と同じような大激闘でした。マラドーナも、きっと天国で自国の優勝を喜んでいることでしょう。そして、メッシがやっと自分と比較される重圧から解放されて安堵していることでしょう。
年の終わりに素晴らしいドラマを見れて幸せです。この記事を書いている間も、感動が蘇って涙が込み上げてきました。もちろん自分が切に望んでいた結果に終わったことは何より大きいですが、夢と誇りをかけて全力で戦う選手たちの姿に強く胸を打たれました。生きている間に見れてよかったと心底思える最高の大会でした。
アルゼンチン、おめでとう!メッシ、おめでとう!たくさんの感動をありがとう!
強敵フランス相手に2点先制して、このまま勝利するかと思いましたが、結局はPK戦にまでもつれこむ歴史的な大激戦になりました…
アルゼンチンが勝った瞬間、息子たちとハグ!私の影響で息子たちもアルゼンチンを応援していました。心臓に悪い試合でしたが、勝って本当によかった!
今回で代表引退を表明しているディマリアと抱き合うメッシ。このシーンも泣けた…自分はもうアルゼンチン人ちゃうか?というほど感動しました。
待ちに待ったメッシが優勝トロフィーを受け取る瞬間!
そのトロフィーを掲げて歓喜に沸くアルゼンチン代表!こんな奇跡のような素晴らしいドラマを見れるなんて…神様ありがとう!
チーム全体で勝ち取った勝利!本当におめでとう!人生で最高のW杯!
エレバン中心部はすっかりクリスマスムード。年の終わりに感動で胸が一杯になりました。やっぱりサッカーって素晴らしい!
- [2022/12/19 21:50]
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カラバフの道路封鎖とガス供給停止
昨日は久しぶりに晴れて、日中は暖かく感じるほどでしたが、今日はまたどんよりとした曇り空です。見た目ほど気候は寒くありませんけどね。お陰さまで風邪はよくなりました。
W杯の準決勝は、アルゼンチンがクロアチアに勝って決勝進出!やったー!やっぱりメッシはすごかった!そして、フランスもモロッコに勝って決勝進出を決めました。やはりモロッコはいいチームで、試合も素晴らしかったですが、フランスは完成度が高くて強い!私はアルゼンチンを応援しているので、その手強いフランスに勝って、悲願の優勝を果たしてほしいです。
さて、前回の記事に、カラバフとアルメニア本土を結ぶラチン回廊と呼ばれる道路が、環境保護団体と名乗るアゼルバイジャン人のグループによって封鎖されたというニュースについて書きましたが、4日経った今も封鎖されたままです。現在カラバフに繋がる道はそこしかないため、人の移動や物資輸送などが滞って孤立化しています。カラバフに帰れず家族に会えないでいるとか、エレバンで手術や治療を受ける予定だった患者が移動できずにいる…という報道を目にして胸が痛みます。
さらに、アゼルバイジャン側は一昨日カラバフへのガス供給を停止し、今も再開されていません。今年3月にも同様の事態がありましたが、その時はガスパイプラインが故障し、その修理工事をアゼルバイジャン側が妨害したため、10日間もカラバフへのガス供給が止まりました。
今回はアゼルバイジャン側が意図的にガス供給を停止した上に、真冬の時期なので、もっと事態は深刻です。ガスがなければ暖房も使えず、市民は寒い中で暮らさなければいけません。また、企業や工場の操業に影響が出れば、食糧など生活必需品の供給が不足します。すでに病院での治療や手術が延期されているという報道も見ました。命に関わることで本当に心配です…
アルメニア政府は、国連や欧州人権裁判所など国際社会に対してアゼルバイジャンの非人道的な行為を訴え、解決への支援を要請しています。エレバンの国連事務所や各国の大使館の前には、市民らが集まって抗議活動を行っています。恐らくロシアの平和維持軍も現地で仲介を行っているでしょうけど、まだ事態は収束していません。
このラチン回廊封鎖について、アルメニア発信以外のメディア報道を見ると、同地域にある鉱山で行われている違法採掘に対する抗議だとか、ナヒチェバンとアゼルバイジャン本土を結ぶ道路建設をアルメニア側に合意させるための抗議だといった情報があります。真偽の程は分かりませんが、政治的な意図を持って組織されて行わている可能性は否定できません。
今回の事態を受けて、アルメニアにおけるアゼルバイジャンへの怒りや敵対心は高揚しています。確かに怒るのも当然のひどい行為です。また、カラバフ周辺の領土を返還するという決断を下した現政府に対する批判の声も聞かれます。第二次カラバフ戦争前までは、ラチン回廊がある地域もアルメニアが実効支配していたので、今回のような問題は起こりませんでした。
しかし、それはあくまで見せかけの平和でしかなく、とても脆弱で不安定で、多くの兵士が命を落とすという大きな犠牲も払いました。その悲劇の原因である領土問題を30年もの間、交渉と妥協を通じて解決できなかったのはアルメニア側にも責任があります。双方の合意がないまま実効支配を続けても、逆に力によって奪い返される可能性があるにも関わらず、一切妥協しない強硬な姿勢を貫き、根本的な解決を先送りにしてきたからです。
私は今回のアゼルバイジャン側の行為を肯定するつもりは微塵もなく、過酷な状況に置かれているカラバフ市民のことを思うと心底辛くなります。しかし、感情だけに動かされず、なぜこういう事態が起こったのか…ということを冷静かつ大局的に考える視点は持ち続けたいと思います。
この道路封鎖とガス供給停止が一体いつまで続くのか、その被害がさらに深刻化しないか心配です。可能性は低いですが、両国の緊張が高まって武力衝突が発生するという最悪の事態は避けてほしいですし、とにかく一刻も早く収束することを祈るばかりです。ただ、やはり根本的な合意がなければ、同様の問題は今後も発生するでしょうから、両国が直接的な話し合いを重ねて、地域の安定を実現してほしいと願います。
兄弟仲良くお絵かきするアレンとレオ。子供たちの将来のためにも、対立や争いのない社会になってほしいと思います。
- [2022/12/15 22:40]
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