再びミニ動物園と携帯紛失のトラブル 

空気はまだ少し冷たいですが、青空が広がるいい天気になりました。これからだんだん気温も上がって、週末からは20℃を超える陽気になるようです。やっと春の到来!

先週からカラバフ地域の情勢が緊迫しています。というのも、アルメニア領内にアゼルバイジャン軍が侵入し、ドローンなどによる攻撃があったそうです。その衝突でアルメニア軍に死傷者が出ました…ロシアの平和維持軍が管理しているはずの場所なのに、いまもアゼルバイジャン軍は完全には撤退していないとのこと。いつものごとく双方で主張が食い違っていますが、今回はロシア政府も、アゼルバイジャン軍による停戦違反行為と公式に述べています。

政治レベルで和平に向けた話し合いが進んでいるため、私見では大きな戦争に発展することはないと思っていますが、今後も散発的に衝突が起こる可能性は否めません。30年も敵対して争った領土・民族問題ですからね…しかし、たとえ小規模の衝突であっても、その度に人が死に傷つきます。そして悲しみや憎悪が生まれます。この負の連鎖を早く断ち切ってほしいと思います。

そういえば、アルメニアでは2週間前からレストランやカフェでの喫煙が禁止になりました。先週末に行ったレストランで、「あれ?誰も吸ってないやん」と不思議に思い、そこで同法律が施行され始めたことに気づきました。喫煙者が多く、どこでも吸えた喫煙天国のアルメニアではあり得ませんから。タバコが嫌いな人も多いので(特に女性)、この法律は歓迎されています。マスク着用や健康パスなどのコロナ関連ルールは、ほとんどの人が従わず形骸化しましたが、この禁煙ルールは守られると思います。

ちなみに、その時のレストランで、撮影のためにアルメニアに滞在していた渋谷さんとの送別会があり、妻と息子たちと一緒に参加しました。渋谷さんとは今回けっこう会って話す機会があったので、とても楽しかったです。夕食後は、ジャズバーにも一緒に行きました。私がよく片岡さんと行っていた雰囲気のいいバーで、かなり久々の訪問でした。やっぱりジャズの生演奏はいいですね。お酒を飲みながら、心地よい音楽を堪能して素敵な夜となりました。

さて、日曜はまた家族でショッピングモールにあるミニ動物園に行ってきました。前回とは別のモールで、爬虫類などを中心に飼育されています。珍しい動物が大好きなアレンとレオはそこもお気に入りで、嬉しそうに動物を観察したり、触ったり、エサをあげたりしていました。

二人ともトカゲやヘビを怖がったりせず、平気な顔で触ったり、腕や首の上に載せたりしていました。もちろん飼育園が毒のない大人しい種類のものを選んでいるのですが、それでも苦手な人だったら怖がって逃げちゃうでしょうね。動物好きの妻に似たのかもしれません。夜はレストランで食事して、春休み最後の日を楽しく家族で過ごすことができました。

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久々にジャズバーに行きました。やっぱり生演奏は聞き応えがあります。

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帰国する渋谷さんと楽しい夜を過ごすことができました。渋谷さんの写真を通して、アルメニアの魅力がもっと伝わってほしいですね。

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爬虫類がメインのミニ動物に行ってきました。息子たちはヘビやトカゲが全く平気。

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可愛らしいトカゲで、妻が飼ってみたいと言っていました。

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ヘビを持って嬉しそうなアレン。アレンは特に動物が大好きです。

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レオも首にヘビを乗せて嬉しそう。子供にすると、ちょっとしたオモチャ感覚なのかも。

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ネズミを可愛がる妻。息子たちの動物好きは妻に似たのでしょうね。

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コイにエサをやるアレンとレオ。口をぱくぱくさせて、すごい勢いで寄ってきます。

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ウサギにもエサをあげることができます。もこもこして可愛かったです。

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夕食をしたレストランのチーズケーキは美味しかった!最近アルメニアのケーキのレベルは高い!

しかし、実はその日の最後にトラブルがあって大変でした…夕食後に配車アプリでタクシーを呼んで帰宅したのですが、移動中ずっとアレンがつまらないことで怒って泣いていました。助手席に座っていた私は何度も振り返って、泣き止むよう注意しました。それでもアレンは泣き止まないから、家に着くとお金を払って急いで降りました。

帰宅後にアレンの機嫌は落ち着き、私も仕事をしていたのですが、ふと携帯がないことに気づきました。適当に置いてしまって一瞬どこか分からなくなるってことは時々あるので、自宅の固定電話からコールして着信音を頼りに探してみましたが、音もバイブレーションも何も聞こえない…「ま、まさか、タクシーに忘れた?!」自宅のどこにもないから、それしか考えられません。何度も振り返ったから、あの時にポケットから落ちたに違いない…

いつもなら降車時に忘れ物がないか確認するけど、アレンに気を取られてしまい、さっさと降りて携帯を置き忘れてしまったようです。紛失に気づいた時は帰宅してから1時間以上も経っていましたが、とにかく自分の携帯に再び電話してみると、やっぱり誰も出ない…運転手や私たちの後に乗った客が盗んでしまっていたら、電話に出るわけないし、さすがに手遅れかと半ば諦めました。

しかし、昨年同じようにタクシーに携帯に置き忘れて紛失したことのある妻が、GPSで場所を特定できるはず!と言うので、急いでパソコンから携帯のIDにログインして位置検索してみると…地図に場所が表示されました!なんと家からすぐ近くの地域!しかも位置は屋外だし、全く微動だにしない。もしかして運転手は、私たちを送った後に誰も乗せずに帰宅したってこと?携帯は気づかれずに車内に残ったままってこと?だから、何度かけても誰も出ないし、電源も切られてないのかも…ということは、取り戻すチャンスあるやん!

もう深夜でしたが、とりあえず妻と携帯のある場所まで行ってみました。しかし、予想以上に多くの車が停まっていて、「ここから見つけるのは厳しい…」と一瞬落ち込みましたが、右ハンドルの日本車だったことを思い出し、それらしい車を探してみるとすぐに発見!ナンバーも何となくそうだった気がします。妻が私の番号にかけてみると、助手席にある携帯が反応するのが窓越しに見えました。「あ、あったー!見つけたー!やったー!」と妻と大喜び!とはいえ、当然ドアはロックされているから取ることはできません。

でも、車は特定できたし、車内に携帯があることも確認できたので、証拠の写真を撮って、「あなたの車に携帯を置き忘れた者だけど、助手席にあるのを確認したから、あとで電話してください」というメッセージと妻の電話番号を書いた紙を車に貼り付けておきました。配車サービスの会社にも情報を送ると、すぐ運転手の電話番号が送信されたので、妻がSMSで携帯のことを伝えました。すべて終わったときは夜中2時…疲れたけど、やれることは全てやりました。

翌朝、妻が運転手と電話で話し、ちゃんと携帯を届けてくれたので、「ありがとう!」と言って謝礼を渡しておきました。いろいろラッキーが重なって、なくした携帯が無事に手元に戻ってきました。日本であれば、運転手が自主的に返してくれるかもしれませんけど、アルメニアでそんなことは滅多にありません。だから、本当によかったです。今の時代、携帯をなくすと大変ですからね。機転を利かして、一緒に探してくれた妻に心から感謝!もう紛失しないよう気をつけます。

ミニ動物園と楽しい夕食会 

曇り空の寒々しい天気が続いていますが、雪は止みました。アルメニアで3月にこれだけ雪が降ったのは40年ぶりのことだったそうです。エレバンだけで言えば、今年の冬に一番降った気がします。

寒い気候が続いているのに、またカラバフ地域のアルメニア住民へのガス供給が止まったそうです。先日やっと修理工事が終わって供給が再開したというのに…そのガスパイプラインの一部がアゼルバイジャン領土を通っており、アルメニアの報道によると、修理工事中にアゼルバイジャン側がバルブを設置して意図的に止めているのではないか…とのことです。本当にそうだったら、根本的な対策を取らないと住民が困りますね。

上記の出来事で、またアルメニア国内で憎悪や敵対心が高まっていますが、私見としては、今後大きな戦争は起こらないと思っています。というのも、政治レベルでは、逆の方向で事態が進んでいるからです。アルメニアはトルコとアゼルバイジャンとの国交正常化や平和条約締結に向けて動いているし、先日アゼルバイジャンとイランもある大きな合意を締結しました。

その合意とは、アゼルバイジャン本土と飛び地ナヒチェバンを結ぶ道路をイラン領内に建設するというもの。元々この道路は、一昨年の戦争後に、アルメニア領内を通って建設するようアゼルバイジャンは求めてきましたが、アルメニア国内の反発が強く、イラン領内に建設することになったようです。いずれにしても、この地域の経済・輸送ブロック解除に向けて大きく前進することになり、対立は少しずつ解消されていくでしょう。そうなってほしいと願っています。

今日、ゼレンスキー大統領が国会でオンライン演説を行い、日本による経済制裁や人道支援に感謝すると共に、ロシアへの厳しい対応を継続するよう求めました。それに先立ち、ロシアが平和条約交渉の中断を表明しました。日本が対ロ制裁を行ったことへの反発ですが、元々ロシアにとって、日本は交渉を進められる独立した国ではなかったのではないかと思います。それは6年前に訪日した際に、プーチン大統領が述べた以下の言葉からも分かります。

「日本はどの程度、独自に物事を決められるのか。私たちは何を期待できるのか。どのような結果にたどり着けるのか。平和条約署名という最終合意のために、一体何を両国間の基礎とするかによって結果は違ってくる。これが現在の露日関係と露中関係の違いだ」

プーチン大統領には、「ダレスの恫喝」に象徴される対米従属の病魔に蝕まれたままの日本は、西側の圧力があれば盲目的に付き従い、独立国としての意思や判断力があるように見えなかったのでしょう。今回のウクライナ情勢についても、西側の情報ばかりを垂れ流し、欧米と足並みを揃えて次々と経済制裁を行うことは、本当に国益に沿っているのか、独自で判断して決めているのか…残念ながら、それは甚だ疑問に感じます。

さて、今週は学校が春休みで、子供たちがずっと家にいます。あいにく冬のような天気が続いているのと、私も妻も仕事が忙しいので遠出することはありませんが、昨日ショッピングモールにあるミニ動物園に連れて行きました。珍しい動物がいて、餌をあげることもできるから、子供たちのお気に入りの場所です。

久々に行ってみると、なぜか動物たちがやたらと活動的で、ワニやイグアナや亀も動きまくっていました。大きな亀が、イメージと違って意外に速く歩く姿は何だかアグレシッブでちょっと怖い…でも、じっとしているよりは、やはり動き回ってくれた方が見ていて楽しいですね。子供たちも興奮していました。

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小さい猿が寄ってきて面白がるアレンとレオ

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ジッとしていることが多いワニも活動的で、近くまで寄ってきました

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ウサギに餌をやるアレン。一斉に集まってくるウサギたち

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レオも餌をやりましたが、ちょっと怖がっていました。

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最後は妻にしがみつくレオ。可愛いウサギもたくさん集まってくると怖いのかも…

その後は、同じモール内にあるスーパーで買い出しをしました。というのも、昨晩は我が家で夕食会を開いたのです。昨年夏にアルメニアに撮影に来ていた写真家の渋谷敦志さんが再訪問したので、家に招待しました。今回はJICAの仕事で、友人のルザンさんが昨日までずっとアテンドしていたから、ルザンさんと娘さんも招待しました。

妻が作った料理を食べて、お酒もたくさん飲んで、とても楽しい夕食会になりました。いつものごとく盛り上がってくると、私がギターやピアノを弾いて歌ったり、音楽をかけて踊ったりと夜遅くまで賑やかに過ごしました。ちなみに、妻が作った料理の一つはビリヤニ。インドなどで食されているスパイスと肉の炊き込みご飯で、私の大好物。妻が簡単に作れるレシピをネットで見つけて、最近よく作ってくれます。昨日のビリヤニも美味しかったー!

渋谷さんによると、アルメニアでの撮影は無事に終わったとのこと。地方はものすごい雪で移動が大変だったみたいですが、真っ白に雪化粧した大自然の景観を堪能できたそうです。少し写真を見せてもらいましたが、息を呑むような美しさでした。今回はアルメニアの文化遺産などをテーマにした撮影で、きっと素晴らしい写真がたくさん撮れたのではないしょうか。

今回の滞在でアルメニアの歴史や文化、自然に触れて、渋谷さんはこの国をさらに好きになってくれたようです。写真を通して、その魅力が日本の多くの人たちに伝われば嬉しいです。

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みんなで楽しい時間を過ごすことができました。

真冬に戻ったアルメニア 

水曜に東北地方で大きな地震がありました。場所が場所だけに、そして3月中旬ということもあって、一瞬11年前の大災害のことが蘇って背筋が寒くなりました。それほど深刻ではなかったものの、死傷者が出て、インフラや交通機関に打撃があったとのこと…被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。

ちなみに、カラバフ地域のアルメニア住民も10日間ガスがない生活を送っていました。先週の記事に書いたように、ガスのパイプラインが破損し、その修理工事がアゼルバイジャン側の妨害で遅れていたからだそうです。しかし、やっと工事が終わり、今日からガス供給が再開したとのこと!寒冷地のカラバフでガスがない生活は相当辛かったはず…無事にガスが戻ってよかったです。

今も混乱が続くウクライナ情勢ですが、私にすると、やはりマスコミの報道は一方的で、それを鵜呑みにするのは危険に感じます。ロシア軍が無差別攻撃を行っていると報じられていますが、現地を取材しているドイツやフランスのジャーナリストが、政治的な意図や立場などないと前置きした上で、「ドンバスの一般市民を攻撃しているのはウクライナ軍だ」と伝えています。軍が自国民を殺しているという恐ろしい事実に、ジャーナリストたち自身も強いショックを受けているとのこと…これが本当なら、報道とは真逆の事態が起こっていることになります。

もちろん上記の情報もどこまで信用できるのか分かりませんが、テレビや新聞で垂れ流される情報とは異なる現実があるかもしれないのは確かでしょう。国際情勢を短絡的な善悪の構図、感情や先入観で捉えてしまうと事実から乖離していくだけです。本来その事実を追求すべきマスコミは、視聴者を誘導して世論を作り上げるために偏向報道を行うプロパガンダ機関に成り下がっています。特に戦争という有事に関する報道は、悪質な情報の歪曲や隠蔽が横行します。

それは過去のどの戦争でも同じで、一昨年の第二次カラバフ戦争の時も酷いものでした。情報戦と言えばそれまでですが、私が常に怖いと感じるのは、感情や先入観につけ込む情報で一方向に誘導される大衆心理。事実ではなく、「そうに違いない」という思い込みで形成された世論は、時には盲目的に戦争支持へと暴走する危険性を孕んでいるからです。戦争を止めて繰り返さないためには、なぜ起こってしまったのかを冷静に多面的に考える必要があると思います。

話は変わりますが、英国のジョンソン首相が直接訪問しても、サウジとUAEは石油増産に応じなかったらしく、米国の同じ要請も拒否し続けています。一昔前なら、対米従属の両国は一緒になって反ロシアの旗を掲げていたはずで、今回の冷ややかな対応には驚かされます。世界は確実に多極化に向かっており、今回のウクライナ問題はそのことを白日の下に晒しました。どういう形で終わっても、世界秩序は大きく変化するでしょう。

そのウクライナ問題で持ちきりで、あまり話題にならないコロナですが、英国は昨日からコロナ関連の入国ルールを全て撤廃しました。ワクチン接種の有無に関係なく、コロナ禍前と同じ手続きとなったのです。日本人ならパスポートだけで入国できます。素晴らしい!自分たちでコロナ禍を終わらせようというこの流れに他国も追随してほしいと思います。

日本も水際対策が緩和され、蔓延防止措置も一斉解除になりそうですが、ワクチンの4回目接種を進める方針と聞いて呆れました。追加接種を世界に先駆けて押し進めたイスラエルでさえ、逆に感染者数は増えるし、副反応の問題もあるしで方針を転換し、今月からワクチン未接種者の観光客も受け入れています。ワクチン接種が進んだから緩和するというのはこじつけで、終わりのないイタチごっこだから止めようというのが本音だと思います。

コロナワクチンを接種しても、数ヶ月ほど一過性の抗体ができるだけで、その後は逆に免疫が低下して病気に罹りやすくなるというデータもあり、ファイザーやモデルナ 、アストラゼネカなどの遺伝子を用いたワクチンにその傾向が強いようです。イスラエルの状況は、まさにそれを証明しているかもしれません。日本は世界的に見てコロナの被害が圧倒的に少ないから、追加接種や児童への接種推進は百害あって一利なしという気がします。

また前置きが長くなってしまいましたが、記事タイトルにあるように、先週末からアルメニアは真冬に戻ったかの如く一気に寒くなりました。日中でも5℃前後の気温で、雪が降り続いています。だから、外は真っ白な銀世界!3月はいつも不安定な気候ですが、こんなに雪が降り積もったのは初めてかも…今月初めは、春がそこまで来ているかのような陽気だったんですけどね。

せっかく雪が積もったし、地方に家族で泊まりがけで出かけようかと思ったのですが、アレンが今週ずっとお腹の調子が悪く、遠出するのは難しそうです。まあ、来週は学校が春休みなので、アレンが元気になってから旅行するチャンスがあるでしょう…って、こんな寒々しい天気だと、春休みというより冬休みと言った方がいいかもしれません。

旅行は無理ですが、子供たちと外で雪遊びをしました。寒いけど、やっぱり雪が降り積もると美しいですね。そして、世界が静寂に包まれたかのような雰囲気が大好きです。といっても、子供たちと一緒だと騒がしくて、その美しさと静寂を満喫する余裕なんてありません。でも、一緒に雪だるまやロケットを作ったりして楽しい時間を過ごしました。

天気予報を見ると、来週もこの真冬のような天気が続くみたいです。今月から再開した子供たちのプール通いも、こんなに寒いと連れて行くのが億劫になります。また風邪でも引かれたら困りますからね…3月も下旬というのに春が遠のいた気がしますが、この後は暖かくなって、一気に春らしい陽気に恵まれることを祈っています。

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3月中旬なのに雪が降り積もって、家の外はこんな景色

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妻とレオが雪だるまを作りました。

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可愛い雪だるまが完成して嬉しそうなレオ

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私はレオより大きいロケットを作りました。レオが穴を開けて、もっとそれらしくなりました。

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今日はそのロケットをみんなでさらに大きくしました。

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私より大きくしたら、子供たちは、「ブルジュ・ハリファだ!」と言い出しました。確かにそう見えますね。

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コロナ禍が始まる前に、私たちはドバイに行って、ブルジュ・ハリファも訪問しています。

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思い出のあるブルジュ・ハリファが完成して嬉しそうな子供たち。しかし、レオが決めるそのポーズって何なの?

アルメニアとトルコの外相が会談 

天気予報どおり寒くなって、今日は朝からずっと雪が舞っています。3月中旬ですが、また冬に戻ったかのような天気…それでも昨日庭の杏の木を見てみると、少し芽吹いていました。まだ寒い日が続くみたいですが、少しずつ春が近づいています。

先週金曜は、いろはセンターで節分と雛祭りのイベントがあったので参加してきました。学生たちは、折り紙で雛人形を折ったり、恵方巻を作って食べたり、カラオケでアニメソングを歌ったりと楽しそうに過ごしていました。私も恵方巻を頂きましたが、美味しかったです。そういえば、恵方巻を食べるのは今年これで3回目。3回も食べると、かなり厄払いできたかもしれませんね。

今日からロシアとウクライナの間で4回目となる停戦協議がオンライン形式で行われています。難航しているようですが、近いうちに両国が合意書に署名する可能性が出てきたという情報もあり、もし本当にそうであれば、お互いに妥協点を見出せるかもしれません。苦しむ一般市民のためにも、悲惨な争いが一刻も早く収束してほしいと願います。

経済制裁によるロシアの景気の落ち込みと先行き不透明感から、ロシアと政治的・経済的な繋がりが強いアルメニアにも様々な影響が出ています。通貨のドラムは大幅に下がったし、ロシアが穀物輸出を制限するかも…という噂が流れて、小麦や砂糖の買い占めが起こっています。そして、経済的混乱や取締り強化を嫌って、ロシアから企業や人がアルメニアに移動してきています。

実際にエレバンの中心部を歩いていると、観光シーズンでもないのに、ロシア人がかなり多い印象を受けます。ビザも要らないし、ロシア語も通じるし、物価も比較的安い、そして反ロシア感情があまりないアルメニアは、彼らにとって最良の避難先の一つかもしれません。ただ、そのせいで不動産の賃貸価格などが高騰しているようです。アパートを借りようと思っていた地元民は困っていることでしょう…

さて、日本でも報道されていたように、先週末トルコのアンタルヤで開催された国際会議にアルメニアのミルゾヤン外相が出席し、トルコのチャブシオール外相と会談しました。二人は会談前にお互いに笑顔で握手し、両国の国交正常化について話し合った後も、「非常に実りがあり、建設的だった」と述べました。

両国の国交正常化に向けた交渉は、過去にも行われたことがありますが、アルメニア人虐殺を巡る歴史問題以上にカラバフ領土問題が大きな障害となって頓挫しました。しかし、一昨年の戦争の結果、カラバフ周辺の領土がアゼルバイジャンに返還され、この地域の経済・輸送ブロック解除の交渉が進められていることを受けて、今回は両国とも前向きに実現に向けて動いているようです。

私も、かなり早い時期に国交正常化が実現するのではないかと予想していて、先週末の外相会談の様子を見ると、それはあながち間違っていないように思います。このトルコとの関係改善の兆しを受けて、アルメニアはアゼルバイジャンとの関係修復にも動いています。昨日、アルメニア外務省は、アゼルバイジャンと和平合意に向けた交渉仲介をOSCEミンスクグループ共同議長に申請しました。アルメニアの安定と発展のために、これらの努力が実を結んでほしいと願います。

しかし、アルメニア人の多くは複雑な心境でしょう。トルコとアゼルバイジャンに対する憎悪は根深いものですから…その国民感情も理解できますが、過去に縛られて対立し続けていては、いつまでも平和な社会を築くことはできません。決して容易いことではないとはいえ、より良い未来に向けて勇気ある決断をしてほしいと思います。それが、虐殺や戦争で犠牲になった人たちへの最大の弔いになるのではないでしょうか…

しかし、この4年の間にアルメニアの状況は目まぐるしく変化しています。革命で政権交代が起こり、その2年後にアゼルバイジャンとの戦争が勃発、そして敵対するトルコやアゼルバイジャンとの関係改善の可能性さえ出てきたとは…想像だにしなかった歴史の大転換を目の当たりにしています。やはり歴史の必然の展開は人間の理解を待たないのだと改めて痛感します。

4年前の革命から始まるコーカサス地域の激動の変化、今年初めに起こったカザフスタンのクーデター、そして今も混乱が続くウクライナ情勢などを繋げて考えてみると、その背景には何か共通した大きな潮流や力の存在があるように感じます。あくまで個人的な見解ですが、これについても機会があれば書くかもしれません。いずれにしても、今後の世界は、欧米中心ではなく、多極化に向けて大きく動いていくことは確実でしょう。

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雪が降ったりとまだ寒いですが、杏の木が芽吹いているのを見て、春の足音を感じました。

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折り紙で雛人形を作るいろはセンターの学生たち

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折った雛人形をひな壇に飾りました。

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恵方巻作りにも挑戦!

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みんなけっこう上手に巻いていました。

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そして、今年の恵方の北北西を見ながら食べました。みんなが同じ方角見て無言で食べる様子はちょっと怖い…

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エレバンの市場で買ったというカラフルなお菓子。一瞬ひなあられかと思いました。

レヴォンの地下寺院とプトゥフニ教会跡 

曇ったり雨が降ったりの不安定な天気が続いています。明日から日中でも気温が10℃以下に下がるという予報が出ていて、まるで冬に戻ったかのよう…春が待ち遠しい!

11年前の今日、東日本大震災が発生しました。甚大な被害をもたらし、多くの命が奪われた大災害の生々しい写真や映像を見た時のショックは今も記憶に残っています。その被災地の復興予算は10年で31兆円、コロナ対策で使われた公金は1年で77兆円…どちらも命や生活に関わる問題とはいえ、日本のコロナ死亡者の平均年齢は約82歳と、元々の平均寿命とほとんど変わりません。お金の使い方が明らかにおかしいと思います。

最近はカラバフ地域の情勢が不安定です。アルメニア人居住区にガスを送るパイプラインが損傷し、その一部がアゼルバイジャン領を通っているために、アゼルバイジャン軍による妨害で修復作業が大幅に遅れているそうです。また、アルメニア人が住む村落への銃撃事件などが頻発しているとのこと…あくまでアルメニア側の情報ですが、まだまだ憎悪や暴力の連鎖が続いていることに胸が痛みます。

同じく緊迫したままのウクライナ情勢ですが、両国の外相会談が昨日トルコで行われました。しかし、残念ながら停戦には至りませんでした。戦争が長引き、各国がロシアへの経済制裁を強化しています。ルーブルは暴落し、アルメニア通貨も下落し続けています。短期的に見ると、ロシア経済が深刻なダメージを受けるのは必至ですが、長期的に見ると、日本や欧米に与える影響の方が深刻かもしれません。そして、世界秩序やパワーバランスが大きく変化していくような気がします。

さて、火曜は国際女性デーでアルメニアは祝日だったため、午後に家族でエレバン郊外に観光に出かけました。訪問したのは、アリンジ村にある「レヴォンの地下寺院」とプトゥフニ村の教会遺跡。どちらもエレバンから近く、私の家からは車で10〜20分ほどです。

アリンジ村にある「レヴォンの地下寺院」は、レヴォン・アラケリャンという男性が、23年間も自宅の地下を掘り続けて作り上げた寺院で、前から行ってみたかった場所。レヴォン氏は1985年に奥さんから、「地下にジャガイモの貯蔵庫を作ってほしい」と頼まれ、貯蔵庫を完成させた後もずっと取り憑かれたように地下を掘り続けました。

彼は夢の中で「堀り続けなさい」という神の啓示を聞き、その声に突き動かされて、毎日18時間も地下で作業する生活をずっと続けたそうです。また、電気工具を一切使わず、ノミや金槌などだけで掘り、トラック450台分もの土も全てバケツで運び出したそうです。そうやって一人で作り上げた地下寺院は、深さ21m、広さ280m²にも達する見事なもの。

その規模も驚きですが、地下寺院には数多くのレリーフや祭壇が彫られています。レヴォン氏が夢で見たイメージがモチーフになっているそうで、神聖な雰囲気を作り出しています。レヴォン氏は、2008年に67歳でこの世を去るその日まで掘り続けたそうで、もっともっと深く大きな寺院を完成させるつもりだったそうです。すごすぎる…彼の狂気に近い情熱が生み出した芸術作品とも言える地下寺院は、本当に見応えがありました。アレンとレオも気に入っていましたね。

地下寺院のあるお宅では、レヴォン氏の奥さんが気さくに迎えてくれて、お孫さんたちが案内や説明をしてくれました。今では有名な観光地ですが、ご家族はみんな素朴で優しかったです。奥さんは、庭で採れたリンゴをご馳走してくれたり、ご主人のことや一昨年のカラバフ 戦争で亡くなったお孫さんのことなどを話してくれました。前から気になっていた場所ですが、訪問して本当によかったです。

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地下寺院のある故レヴォン氏のお宅

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地下へとのびる階段を降りていくと…

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迷路のような地下寺院が広がっています。年間通して内部の気温は10℃ほどだそうです。

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壁を掘り抜いて作られたレリーフ。穴を掘るだけでも大変なのに、美しい装飾まで作るとは…

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地下寺院には祭壇もあり、祈ると願いが叶うと言われているそうです。

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この神秘的な空間をたった一人で、しかも手作業で作り上げたとは…その情熱と信念には驚嘆するばかり

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地下寺院の入り口にある十字架のレリーフ。最初この固い玄武岩に行く手を阻まれたレヴォン氏は、夢で「十字架を掘りなさい」という声を聞きました。十字架を掘ってみると無事に掘り進めることができ、そこから先は柔らかい火山岩が広がっていたそうです。

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レヴォン氏が掘るのに使った道具が展示されています。電気工具など一切使いませんでした。

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地下で作業している時に履いていた靴。ボロボロで原型を留めていません。

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お孫さんが作った地下寺院の地図。本人はもっと掘り続けて、遥かに立派で巨大なものを作ろうとしていたそうです。

その後に向かったのは、プトゥフニ教会跡。アリンジ村から車で10分ほどのプトゥフニ村にある6〜7世紀の教会跡です。ここはあまり有名ではなく、私も全く知りませんでした。妻が行ってみたいと言うし、レヴォンの地下寺院から近いので訪問してみたら…ここもけっこう見応えありました!

北壁、そして南壁とアーチの一部以外はほとんど崩れて廃墟と化していますが、規模が大きく、美しいレリーフが所々残されています。そんな立派な遺跡が、まるで忘れ去られたかのようにひっそりと建つ光景に思わず息を呑みました。観光客なんて誰もいないから、静かに見学できます。その静寂の中で、悠久の歴史を感じることができ、ここも訪問してよかったです。

観光を終えてから、エレバンに戻ってショッピングモールで買い物をして帰宅。夕食は、子供たちが大好きな手巻き寿司にしました。お寿司だとたくさん食べられますね。でも、なんか足りないなーと思ったら、最近は全く納豆を作っていない!大豆を買って、近々納豆作りにまた挑戦したいと思います。とにかく楽しく有意義な一日となりました。

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プトゥフ二村の教会跡。ほとんど崩れていますが、この廃墟感が神秘的でよかったです。

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南壁に残っているレリーフ。美しい!

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南壁はほとんど崩れていますが、窓などが残っています。

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北壁はかなり当時の姿を留めています。

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美しいアーチが一つ残っていて、当時はかなり立派な教会だったことが窺い知れます。

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瓦礫の石に登って遊ぶレオ。いつもの如く変顔!でも可愛い!

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その日の夕食は手巻き寿司。子供たちも美味しそうに食べていました。

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モールで買った空気を入れるタイプのサンドバックで遊ぶアレンとレオ