アルメニアが日本への渡航自粛を勧告
朝晩もマイナス気温になることはなく、日中はかなり暖かくなってきました。新型コロナウイルスは、インフルエンザのように温暖な時期に入ると落ち着くのではという観測もあります。本当にそうならいいんですが…
その新型コロナウイルスの初の感染者が、隣のジョージアで出ました。感染が拡大しているイランを旅行していたジョージア人で、アゼルバイジャンを経由して帰国した際に感染が発覚したようです。アルメニアはまだ感染者が出ていないから(正確にはまだ見つかっていないという状態)、このニュースに不安になった市民も多いかもしれません。
アルメニア政府も国内での感染を防ぐため、中国やイランの他、日本・韓国・イタリアへの渡航は必要な場合を除き自粛するよう勧告しました。ついに日本も渡航自粛の対象になってしまいました…ダイアモンドプリンセス号ふくめて毎日新しい感染者のニュースがあり、来週からは小中学校が臨時休校となるような状況だから仕方ないかもしれません。
しかし、日本政府が感染防止のためにいろいろ方針を出すのはいいんですけど、唐突で場当たり的で、それによって発生する影響や被害に対して無責任な印象を受けます。エンタメ業界の大損害に補償はしないし、共働き夫婦や給与の問題についても企業任せ…これではウイルスに感染しなくても、生活や人生が狂ってしまう人がたくさん出てきそうです。
香港は住民1人に14万円を支給するなど2兆円近くの大規模な経済対策を行うと発表したし、韓国は大打撃を受けているエンタメ業界に対して2億7千万円規模の緊急支援をするそうです。明らかに国難なんだから、政府が毅然と方針を示して、それによる悪影響を最小限に止めるよう支援や補償をしないといけませんよね。
韓国では急速に感染が拡大して問題視されていますが、あれも政府の対応の違いによるものだと思います。韓国では、1日に8千件以上を処理して、これまでに6万件以上の検査を実施しています。一方、日本では1日平均900件程度で、合計1万件にも全く達していない…ちなみに、間もなく韓国では1日に1万件以上の検査を行えるようになるらしいです。
そして、韓国では電話の聞き取りだけで誰でも無料で検査を受けられますが、日本では重い症状が出てからじゃないと受けられない上に保険適用外!さらに韓国では、14日以上の隔離・入院の場合には12万円の生活費が支給され、感染者が出て病院が閉鎖された場合も国が補償するそうです。す、すごい…なんでこんなに違うの?!
つまり、急激に韓国で感染者が増えているのは、それだけ体制を整えて検査しているからなんです。もちろん深刻な状況には変わらず、有効な治療法が確立してないから検査すればいいって訳でもないんですが、上記のような手厚い支援や補償を国が行なっています。もし日本でも韓国と同じぐらいの検査をやっていたら、実際はもっと多くの感染者が見つかるでしょうね。
厚労省は少なくとも1日3800件できるって言ってたのに、「検査難民」なんて言葉が生まれるぐらい検査をやっていないのは、五輪中止などの事態を避けるために意図的に感染者数を少なく見せるためでしょうか。または、民間の製薬会社のラボをフル活用できないような利権が絡んでいるのでしょうか。いずれにしても、日本の対応はおかしいと言わざるを得ません。
なのに、「東京五輪中止を煽る韓国メディア」みたいなネット記事があって、どこまでおめでたいんだ…と呆れました。もし逆の立場だったら、日本のメディアもかなり煽ってるでしょうし、日本よりも国挙げて危機に取り組んでいる他国を非難している場合じゃないでしょう。
とまあ、いろいろ書きましたが、さすがに新型コロナウイルスの話題はもう当分いいかな…今週アレンとレオが続けて体調を崩してしまって、一瞬まさか?!と疑っちゃうし、来月初めに日本から来る予定だった友人が渡航を中止したりなど、微妙に自分や周りにも影響が出ていて何だか疲れてきました。疫病の流行というのは、実際のリスクよりも心理面への影響がひどい気がします。とにかく早く収束することを心から願います。
新型コロナウイルスではなかったけど、2、3日体調を崩していたアレンは元気になりました。二桁やマイナスの足し算引き算の練習中。
アレンが治ったと思ったら、今度はレオが体調を崩しています。ちょっと熱があってだるそう…やっぱり健康が一番!
- [2020/02/28 17:54]
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令和最初の天皇誕生日レセプション
日中は10℃を超える気温で、冬用のダウンジャケットだと暑いぐらい。まだ少し寒くなったりする日もあるみたいですが、ようやく冬が終わりを迎えようとしています。
日本では毎日のように新型コロナウイルスの感染者が出ていますね。クルーズ船で検査漏れがあったという人為的ミスが発覚して、さらに国内の不安が高まっているようです。しかし、経路が不明な感染がここまで増えると、過剰に神経質になっても意味がない気がしますし、それが差別や偏見という別のパンデミックを引き起こしてしまいます…というか、実際にもう起こっています。
治療に当たっている現場の医師によると、高齢者や持病がある人でなければ、無症状または風邪ぐらいの軽症で済む場合がほとんどみたいですから、社会生活を送っている限りは感染してしまう可能性があると割り切って、免疫力が落ちないよう体調管理に気をつけるなどした方がいいかもしれません。
アルメニア国内でまだ感染者は出ていませんが、隣国イランでは感染が拡大していて、感染者64人、死者が12人に達したそうです。それを受けて周辺国が感染防止のために厳しい対応を開始し、アルメニアもイランとの国境を2週間閉鎖することを決めました。現状ではこの措置も仕方ない気はしますが、そのうち日本からの渡航者に対しても何か制限を課すなんて状況にならなければいいんですけどね…
さて、昨日は令和に変わって初の天皇誕生日でしたね。新型コロナウイルスの問題で一般参賀は中止になりましたが、宮中での祝賀行事は行われたようです。アルメニアでも、先週金曜日に大使館主催でレセプションパーティーが開かれ、私も妻と出席してきました。
私と妻は約2年ぶり。というのも、一昨年は妻の叔父が直前に亡くなったため出席せず、また昨年は平成から令和に変わったのでレセプションパーテイー自体がなかったからです。今回は令和最初の天皇誕生日レセプションだからだかどうか分かりませんが、けっこう人が多かった気がします。
まず最初に、山田大使がホルンで日本国歌とアルメニア国歌を演奏されて、会場から大きな拍手が送られました。それから山田大使とアルメニア外務副大臣の挨拶があって、みんなで「おめでとう!」と乾杯!お寿司やお酒を味わいながら、いろんな知人や友人たちと会話して、楽しい時間を過ごすことができました。日本を含め世界が混乱している中、無事にレセプションパーティーが行われて良かったです。
あと、土曜の夜もパーティーがありました。私がオンラインで仕事をしている現地のIT企業の親睦会で、同僚のアルメニア人たちと一緒にエレバン市内のレストランとバーに行ったのです。ほとんどが20代で、特に女性はノリがいい人が多いから、夜遅くまで飲んで踊って盛り上がりました。最年長の私もバーでけっこう踊ったせいで、翌日は体がだるかった…
レセプションパーティーで山田大使と。日本酒や梅酒、ウイスキーやワインとごっちゃ混ぜで飲んだから私の顔が赤い!
会社の同僚たちとのパーティー。普段オフィスに行くことがない私にとって、同僚と親睦を深める貴重な機会です。ここでも私の顔、赤いなあ…
けっこう飲むなら、これがお得!ビールを売りにしている店なのでとても美味しい!
そのだるい体に鞭打って、昨日は家族で出かけました。かなり髪が伸びたレオの散髪と、市内のショッピングモールにあるミニ動物園の見学に行ったのです。久しぶりにミニ動物園を訪問して、子供たちはとても喜んでいました。考えてみると、家族でショッピングモールに来たのはお正月のトビリシ以来かもしれません。
動物園の展示は少し変わっていて、他の種類のサルなどが飼われていました。そして、大きなニシキヘビと写真を撮るサービスもありました。なぜか妻と子供たちは爬虫類が平気というか、けっこう好きなので、そのニシキヘビを持って記念写真を撮りました。屋内で規模は小さいけど、珍しいサルや爬虫類などがいるので、私も興味深く見学しました。時々また連れて来たいと思います。
ミニ動物園では、ヤギやうさぎに食べ物をあげることができます。
大きなニシキヘビを持つアレンとレオ。重そうだったけど、レオもけっこう平気で持っていました。
妻も一緒に記念写真。なぜか妻も子供たちもこういうの好きなんですよね…
- [2020/02/24 20:23]
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いろはセンターの節分イベント
すっきりと晴れず、時には雪が舞ったりしますが、気温は少しずつ上がっています。子供たちを学校と幼稚園に連れて行く朝も、それほど寒さが厳しくなく、週末からは最高気温が10℃以上になるという予報も出ています。
国会は「桜を見る会」の問題で膠着状態が続いていますね。野党が求めている書類を提出せず、安倍首相はぐだぐだな答弁をして逃げ回ってばかり。ANAホテルが忖度しなかったから(あっぱれ!)、答弁と事実の食い違いが明らかになったというのに往生際が悪い…
この政府の隠蔽体質は、新型コロナウイルスの問題にも影響しているようです。感染が拡大しているダイヤモンド・プリンセス号に入った感染症専門医の岩田健太郎氏が、「適切な対策が全く取られておらず、誰が感染してもおかしくない惨状」と船内の様子を告発しました。また、そのような事態を招いている原因として厚労省の隠蔽体質があり、きちんと情報公開すべきだと訴えています。これが本当だったら人災でしょ…
ここ最近ネットで「虚偽の情報だらけ」とか「嘘つき国家」などと中国を叩く意見をよく目にする度に、いやいや、原発事故の報道とか考えたら日本も偉そうなこと言えんやろ〜と思っていました。しかし、今まさに同じことが起こっているとしたら、マジで他国を批判している場合じゃありません。政府が臭いものに蓋をして問題を悪化させるようことだけは避けてほしいと思います。
ところで、アルメニア議会で喫煙制限を厳格化する法案が承認されました。今年5月からホテルやペンション内での喫煙は禁止され、2020年5月からレストランやカフェ内でも禁止されます。違反すると150ドル近い罰金!どこでもタバコが吸える喫煙者天国のアルメニアも、世界の潮流に乗って厳しくなるようです。まあ、嫌煙家も当然たくさんいるわけで、これは仕方ない流れだと思います。
さて、先週の金曜日、いろはセンターで恒例の節分イベントがあったので参加してきました。本当は前回の記事でまとめて書こうかと思ったんですが、あまりに分量が多くなりそうだったので今回ご紹介することにしました。
当日は20人以上の学生たちが集まり、初めてイベントに参加する人たちのために、まず節分についての説明が行われました。そして、みんな恵方巻き作りに挑戦。けっこう上手に作っていましたね。その自分が作った恵方巻きを西南西の方向を見ながら食べました。いつも思うことですが、その時の光景はちょっと怖い…
それから、メインイベントの豆まき。私と南江先生が鬼役をしました。これもいつものことですが、仮面で覆われていない顔の部分に時々豆が当たって痛い!まあ、厄災払いで鬼を追い出さないといけない訳ですから、それぐらいの方がいいかもしれませんね。
最後に、学生たちは紙相撲をして遊びました。日本人には見慣れた小さい子供向けの遊びでも、アルメニア人にとっては初めて見るものだから、面白そうに真剣にやっていました。勝ち負けが決まると、「ワーッ!」と叫んで盛り上がっていましたね。学生たちが日本の伝統や文化を知ることができ、有意義で楽しいイベントになったと思います。
スライドを見せながら節分についての説明
恵方巻き作りに挑戦!私も作って食べましたが、美味しかったです。
初めての子が多かったけど、みんな上手に作れていました。
上手に作れて嬉しそうな学生たち
西南西の方向を向いて黙々と恵方巻きを食べる学生たち。うーん、シュールな絵…
「鬼は外ー!福は内ー!」と言いながら豆まき!
紙相撲で盛り上がる学生たち。楽しい節分イベントでした。
- [2020/02/19 15:59]
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リトルシンガーズと合唱団ホヴェル
予報どおり、週半ばから少しずつ気温が上がっています。ちなみに、2月13日はテアルンタラチという火を崇める古代宗教の祭りの日でした。アルメニアではこの日を境に暖かくなると言われているんですが、本当にそうなってくれたら嬉しいですね。その祭りについては過去の記事をご覧ください。(該当記事)
今日、妻は女友達と温泉旅行に行っています。私も数年前に行ったことがあるハンカヴァンという温泉で、妻は初めて。私が行った時はまだまだ未整備で、よく言えば手作り感たっぷりでしたが、その後に観光地として整備されたと聞いたことがあります。夕方に妻が帰ってきたら、どうだったか感想を聞こうと思います。ちなみに私が行った時の様子については過去の記事をご覧ください。(該当記事)
新型コロナウイルスの感染が日本で拡大し続けて、先日ついに死者も出ました。これを受けて、政府は水際対策よりも、重症者を出さないよう検査や治療を重視する方針に変更したとのこと。今もインフルエンザの方が感染者は多いし、生命に与える危険も高いのですが、症状が軽くてワクチンもないと余計に感染拡大に歯止めをかけるのは難しいかもしれません。春が近づくにつれ人の移動も増えるので、事態がこれ以上深刻化しなければいいのですが…
妻は子供抜きで息抜きしていますから、私と義母で子供たちの面倒を見ています。雪がまだ残っているけど、そんなに寒くありません。
さて、今週はアルメニア・リトルシンガーズの練習に参加しました。リトルシンガーズは、国際的に高い評価を受けているアルメニアの子供合唱団で、3年前に日本のポップスを歌うCDを出しました。その現地コーディネートを私と妻が担当したことが縁で、今も繋がりがあります。当時のことについては過去の記事をご覧ください…って今回はそう書いてばかりですね。(該当記事)
そのリトルシンガーズから今回また、「練習に参加して日本の歌の発音指導をしてほしい」と私に依頼がありました。というのも、リトルシンガーズの指揮者で著名なアルメニア人音楽家ティグラン・ヘケキャン氏のお母様の追悼コンサートを今月末に開く予定で、その時に日本の曲も歌うからだそうです。
昨年2月に91歳で亡くなられたお母様は、ソ連時代からテレビやラジオの仕事に従事し、数多くの有名な番組やドキュメンタリーを制作した方で、その多大な文化的貢献から様々な賞や称号を授与されています。親子そろって偉大な文化人なんてすごい!生前はリトルシンガーズの練習に来られることもあって、私もお会いしたことがあります。
リトルシンガーズの練習に久々に参加しましたが、私がよく知っている年長者のメンバーは卒業して、初めて見る子供たちがいました。でも、半分以上はCD制作の仕事で一緒だった子供たちで、私が到着すると嬉しそうに迎えてくれました。その子たちも成長して、けっこう大人びていました。
コンサートに向けて練習中の日本の歌を披露してくれましたが、メンバーが少し変わっても、やはり素晴らしい歌声で鳥肌が立ちました。3年前同じように発音指導のために初めて練習に参加した時、思わず聞き惚れてしまって発音のチェックなどすっかり忘れてしまったことを思い出しました。
久々だったこともあって、今回も聞き入りそうになる瞬間がありましたが、ちゃんと発音をチェックして指導しました。といっても、それほど直す箇所は多くなかったし、指導するとすぐに上手になるところはさすが!
最初は指揮者のヘケキャン氏はいませんでしたが、途中から参加しました。彼が舞台に立って指揮し始めると、合唱団の雰囲気がガラッと変わります。一瞬で全体が引き締まって、かつもっと明るく輝くような感じがします。これもさすが!そのコンサートには私と妻も招待されているので、ぜひ聴きに行きたいと思います。
リトルシンガーズの皆さん。相変わらず美しい天使の歌声に感動しました。コンサートも楽しみです。
そして、リトルシンガーズとは別の合唱団のコンサートを昨日妻と聴きに行きました。「ホヴェル」という大人の国立合唱団で、昨年コミタス生誕150周年記念コンサートで歌声を聴いて、とても気に入りました。妻がそのコンサートの情報を見つけて一緒に行くことにしたのです。
というのも、一昨日の14日はバレンタインデーだったから、そのお祝いのデート。昨年も確か妻の希望でエレバン国立室内合唱団のコンサートを聴きに行った覚えがあります。それも良かったですが、今回のホヴェルも素晴らしかったです。前半は自分たちのオリジナルを中心にしたアルメニア語の曲で、後半はビートルズやスティービー・ワンダーなどのポップス曲!
しかも、ビートルズは「ビコーズ」や「ブラックバード」など私好みの渋いレパートリーで嬉しかったですね。「ビコーズ」は原曲も美しいコーラスが特徴的な名曲だから、プロの合唱団のハーモニーで聴くとまた違った味わいで良かったです。また曲によっては、合唱団のメンバーが手拍子を入れたり踊ったりなんてパフォーマンスもあって楽しかったです。
聴き応えのあるコンサートはあっという間でした。アルメニアがいいのは、こういうレベルの高いコンサートやオペラが安く鑑賞できること。このコンサートのチケットも4〜6ドルぐらいでした。バレンタインデーに限らず、また機会を作って行きたいと思います。
国立合唱団「ホヴェル」のコンサート。歌も素晴らしかったですが、見ていて楽しい内容でした。
昨日のコンサートのものじゃありませんが、YouTube にホヴェル国立合唱団が「ビコーズ」を歌う動画があったので載せておきます。
- [2020/02/16 20:11]
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アルメニアは楽観的で幸せな国!
天気予報どおり、先週末に雪が降ってかなり積もりました。そして、昨日までは寒さが厳しく、子供たちを学校と幼稚園に連れて行く朝はマイナス15℃まで下がりました…この数日が今冬で最も寒かったと思います。しかし峠を越したのか、予報ではこれから段々と気温が上がっていくようです。
そういえば、トランプ大統領が弾劾裁判で無罪となりましたね。アンチトランプの人たちは落胆しているでしょうけど、私個人は民主党が強行した理不尽な裁判という印象を持っているので、この結果は妥当だと思います。大体バイデン親子のウクライナや中国における濃厚な汚職疑惑の方がもっと問題視されるべきでしょう。
雪が降った翌日の風景。晴れていますが、日中でも0℃下回ってるから道が凍って危ないです。
さて、先日ギャラップ国際協会が世界46カ国の楽観度と幸福度を調査して公表した結果によると、アルメニアは楽観的な国ランキングで5位、幸せな国ランキングで7位でした!
この楽観度の調査は、正確には次の年の生活に対する展望調査で、新年に生活が良くなるかどうかの期待度について国内の成人約1500人を対象に調べたもの。その結果、アルメニアは62%の人が楽観的な展望を持っていたとのことで、ナイジェリア、ペルー、アルバニア、カザフスタンに続いて堂々の5位!
ちょっと上位の国の顔ぶれが意外な印象を受けますが、アルメニアは昨年も51カ国中4位とトップ5に入っています。元々明るい国民性もあって基本的に上位なのかと思ったら、一昨年の調査では楽観的な回答はたったの27%で、悲観的な回答は同じぐらいの割合でした。やはり革命前と後では将来に対する希望の持ち方が大きく変わったようです。
次に幸福度ですが、1位のコロンビアから、インドネシア、エクアドル、カザフスタン、ナイジェリア、フィリピンと続いてアルメニアは堂々の7位!これもまた顔ぶれがすごいけど、昨年アルメニアはトップ10にも入っていなかったので、大きく順位を上げたことになります。これも革命のお陰でしょうか?!何にしても幸せと感じられる人が多いのは良いことです。
ちなみに、今回最も幸せな国に選ばれたコロンビアは常に上位に入っています。昔私が住んで日本語を教えていた時も、別の国際機関の幸福度ランキングで1位に輝いたことがあります。当時はまだ内戦やコカインなどの問題が深刻で、治安も悪いし、対外的なイメージも最悪だったから、「なんでこんな国が1位なん?」と不思議でした(それでも永住を考えたほど大好きな国)。
それで、授業中にコロンビア人の学生たちに「君たちは幸せか?」と聞いてみました。「なんで急にそんなこと聞くの?」と一瞬キョトンとしましたが、「まあ幸せですね」とほとんど全員が即答。いや、答えるの早すぎやろ!「じゃあ、なんで幸せなの?」と聞くと、少し考えてから、「健康だし、家族や友人もいるし、勉強もできてるから幸せでしょ」と答えました。
とてもシンプルな答えだけど、私にとって目から鱗が落ちるような経験でした。当時コロンビアで私が教えていた学生の多くは経済的に豊かではなく、客観的に見て幸せとは言いがたい状況でした。コロンビアってえげつない階級社会で貧富格差がひどいんです。にも関わらず、「自分は幸せです!」と即答できる彼らを見て、幸せとは何か気付かされる思いがしました。幸福度ランキング1位も納得です。
もし日本人に同じ質問をしたら、いろんな客観的な要素や条件を頭で考えて、自分は幸せと言えるのだろうか…と悩むでしょう。実際に前述の幸福度調査で、日本は「どちらでもない」と答えた人が最も多い国だったそうです(曖昧を好む国民性も一因でしょうけど)。客観的条件だけで比べたら、日本人はコロンビア人より圧倒的に幸せなはずなんですけどね。
結局、幸せかどうかは主観的なものであって、世間の基準や評価、他者との比較なんてどっちでもいいんです。その瞬間に自分は幸せだと思えたら、それが幸福なんです。「幸せってこういうものだ」とか「こうでなければ幸せとは言えない」などと理屈っぽく考えている限りは幸せになれません。ただ心で感じればいいものを頭で定義づけようなんて無理な話。
もし私が幸せか?と聞かれたら、「めっちゃ幸せ!」と迷いなく即答できます。経済的に不安定で、トラブルや不便が絶えない生活を送っていますけど、旅を含め自分がこれまで歩んできた人生、そして家族や友人など今の自分が持っているものに十分満足していますからね。これで幸せと思わなかったらバチが当たります。
人間というのは、あるかどうかも分からない未来に縛られると不安や欲求が尽きません。逆に、かけがえのない今を大切にして生きていれば、自分が本当にやりたいことや必要なものが見えてきて、シンプルに幸せを感じられるようになるのではないでしょうか。
同様の調査で日本はいつも楽観度や幸福度が低く、先進国で最下位になることもあります。もちろん社会が豊かで便利になると、人が求める幸福のレベルや質も変化するので仕方ない面もあるのですが、日本人が幸せというものをもっとシンプルに捉えるようになれば、結果は多少変わってくるかもしれません。
突き詰めると、この世の誰もが「一度きりの人生を悔いなく幸せに生きたい」という同じ土俵の上に立っているはずですから、自分は幸せだといつも心で感じられる生き方をしたいものですね。
幼い息子たちは、過去や未来に縛られず今を笑って過ごすことだけに一生懸命。世話は大変だけど、その無垢な姿からは教えられることがたくさんあります。
- [2020/02/12 16:38]
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