山田みどり先生の日本文化セミナー 

3月も終わりだというのに、昨日は雪が降りました。冬が戻ったかのように感じますが、アルメニアではこの時期によくあることです。この不安的な天候が過ぎれば、本格的な春が始まるでしょう。

金曜日にウィーンで、アルメニアとアゼルバイジャンの首脳会談が行われました。アルメニアで革命が起こってから初の公式の首脳会談で、議題はもちろんナゴルノ・カラバフ問題。いつもと同じように目立った進展はなく、、双方は平和的解決の重要性を確認して、今後も交渉を継続することで合意しました。この領土紛争には、一体いつ解決の糸口が見つかるんでしょうか…終わりのない争いのために、毎日、毎週のように若い兵士の命が奪われる現実に心が痛みます。

さて昨日は、山田みどり先生の日本文化セミナーが開催されたので、家族で参加してきました。午前中は墨絵の紹介で、お絵かきの大好きなアレンに今年も挑戦してもらおうと思ったのです。天気が悪い中、多くのアルメニア人が参加していました。日本文化への関心が高いことの表れですから嬉しいですね。

山田先生は変わらずお元気そうで、今回もユーモアを交えながら、にこやかに分かり易く説明されていました。優しさと穏やかさの中に凛としたものがあって、本当にすごいなあと感心させられます。毎年多くの人たちがセミナーに参加するのも、先生のその人柄によるものなのでしょう。

アレンは面白そうに筆と墨で絵を描いていました。それを見ていたレオもやりたがったので、筆を持たしたら、けっこう上手に丸を描きました。しかし次の瞬間、水の入ったコップを倒してしまい、せっかく描いた半紙も机の上も水浸し…妻がレオを抱いて連れて行くと、アレンもその後を追って席を立ってしまいました。

もうちょっと続けてほしかったですが、二人とも会場の後ろで妻の携帯で遊び始めてしまったので、今回はそれで終了となりました。うーん、まだまだ落ち着かないレオを連れて来たのが失敗だったかな…まあ、仕方ないですね。でも、今年も山田先生にお会いできたので参加して良かったです。先生、どうもありがとうございました!また来年も是非いらっしゃってください!

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今年も2日間にわたって行われたセミナーで、山田先生は墨絵や茶道や生け花を熱心に紹介してくださいました。お元気そうで何よりです。

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去年に引き続き、墨絵に挑戦するアレン。けっこう上手に描けています。

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レオも墨絵に初挑戦!けっこう上手に丸を描くから、オーッ!と感心していたら、直後に水をこぼしてしまいました…

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その後は会場の後ろの方で携帯いじり。これが何より楽しい遊びなんですね…

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山田先生、今年も遠いアルメニアまで来てくださってありがとうございました!来年もお会いしたいと思います。

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雪混じりの雨の中を帰りました。アレンもレオも自分で傘を差して可愛らしい!私の傘をアレンが一人で差すから、私は濡れちゃってましたが…

招聘プログラムの元参加者が大学に進学! 

日本は桜が咲き始めているそうですね。エレバンは、すっきりと晴れない天気が続いています。来月1日に新元号が公表されますが、当日はエイプリルフールだから、元号をネタにしたジョークが溢れ返りそうです。

米大統領選絡みのロシア疑惑ですが、ロシアとの共謀の証拠なしと判断されて、トランプ大統領は、「潔白が証明された!でっち上げた奴らに報復する!」と息巻いていますね。別に彼を擁護するつもりではなく、私は最初から民主党とメディアの謀略っぽい気はしました。というか、どこよりも他国の選挙や政治に裏で関与しているのはアメリカなので、空々しい茶番にしか見えませんけど…

右手首の腱鞘炎で病院に行ったら、やはりドケルバン病でした。なんと診てくれた医師は、そのドケルバン病に関するウィキペディアのアルメニア語版を書いた人で、とても気さくで親切な先生でした。とりあえず手を固定するサポーターと炎症を抑える飲み薬をもらって様子見。これで少しでも改善してくれたらなあ…

さて先週は、私が日本の有志の方々と運営する民間組織 「アルメニア友の会」 にとって嬉しいニュースがありました。友の会が初めて行った招聘プログラムに参加したアルメニア人学生が、今年4月から埼玉の短期大学に晴れて入学することになったのです!

彼女の名前はロザさん。私の元学生で、6年前に友の会の学生招聘プログラムに参加して初来日しました。10日間の滞在は彼女にとって夢のような時間だったらしく、アルメニアに帰国する日は、「もっと日本にいたい…」と大泣きしたそうです。そして、大好きな日本に留学したい!という思いを一層強くしました。

その後、文部科学省の留学プログラムに何度か挑戦するも合格できませんでしたが、日本語ガイドとして働いてお金を貯めて、昨年初めに仙台にある日本語学校に入学しました。先週その日本語学校を卒業し、来月から大学に進学して、さらに日本で勉強に励むそうです。大学は奨学金を取って通うと聞いています。

自力で道を切り開いて夢を実現させたロザさんは本当に偉いと思います。特に、人があまりやらなかったことに挑戦した勇気に感心します。アルメニアで日本留学というと、文科省の国費留学プログラムなどの手段ばかりが注目されがちです。もちろん、その方が条件や環境は整っていて安心ですが、合格するのは簡単なことではありません。

でも、とにかく日本に留学したいのであれば、そういう公的プログラムだけに拘らず、ロザさんのような方法も十分ありだと思います。プログラム合格を待って何年も費やすのではなく、お金を貯めて渡航して、十分な日本語能力を身に付けたら、自分で奨学金や大学を探して入学する…大変な道のりですが、そのプロセス自体が人生の大きな糧になるはずです。

イチロー選手も引退会見で、「できると思うから挑戦するのではなく、やりたいと思えば挑戦すればいい。その時にどんな結果が出ても後悔はない」と言っていました。新たな世界に踏み出すのは誰にとっても勇気のいることですが、「やりたい!」という気持ちを何よりも大切にするべきだと思います

あらゆる物理的条件が満たされても、自分の情熱が冷めてしまえば行動に移すことはできません。私も、世界一周に旅立つ時や日本語を教えにアルメニアに行く時に、不安と葛藤しながらも、いつも最後には、「とにかくやりたい!」という心の声に従いました。そのお陰で、悔いのない幸せな人生を生きることができています。

ロザさんが頑張って夢への一歩を踏み出せたのは、「日本に留学したい!」という情熱があったからこそ。そして、その強い情熱を持つきっかけの一つとなったのは、6年前の来日体験です。友の会が彼女の夢を叶えるお手伝いができたことを嬉しく思います。改めて、会を支えて下さっている方々に感謝です。

ロザさん、大学進学おめでとう!これからも頑張ってください!心から応援しています!

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友の会の招聘プログラムで来日したロザさん。たくさん素晴らしい体験をしたそうです。

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この6年前の体験が夢を実現する原動力になりました。

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ロザさん、本当におめでとう!夢に向かってひたむきに頑張る彼女をこれからも応援したいと思います。

社会奉仕の日なのにゴミだらけ… 

昨日は雨がちな天気でしたが、今日は午後から雪が舞っていて寒い!季節の変わり目だからか、どうも天候が不安定です。

沖縄の辺野古に新たな土砂が投入されましたね。県民投票で埋め立て反対が7割を超えたのに、その民意を無視した国による暴挙。こういうのを見ると、中国や北朝鮮のことを非民主国家と偉そうに批判なんてできませんよね…しかも日本の場合、米軍基地のためにやっているんだから余計にひどい話です。

右手首の腱鞘炎は週末にちょっと改善が見られたんですが、やっぱり痛いまま…仕事でどうしてもパソコンを使うから絶対安静は難しいし、痛みで生活に支障が出てきたし、明日病院に行くつもりです。

さて、先週の土曜日は社会奉仕の日でした。アルメニアの領土管理省が、「クリーンアルメニア」というプログラムの一環で始めたもので、多くの市民がボランティアで清掃や植樹など社会への奉仕活動を行いました。パシニャン首相をはじめとする多くの政治家も参加しました。

これはとてもいい活動だと思います。正直、アルメニアの公衆衛生の意識はまだまだ低いと言わざるを得ず、道にはけっこうゴミが落ちていたりします。エレバン中心部は、市に雇われた清掃員が掃除するので比較的きれいですが、それ以外の地域の道端はゴミだらけです。

私が住んでいる地域もそうで、アレンが小さい時に近所を一緒に散歩すると、道端のゴミを興味本位で拾おうとするので大変でした…道端の至る所にタバコの吸い殻などのゴミが落ちていて、あの時は清潔な日本が羨ましくなりました。仕事で一緒に日本に行ったアルメニア人たちも、道にゴミ一つ落ちていないのを見て驚いていましたね。

たとえ年に1日でも、みんなで自主的に奉仕活動を行うことで、アルメニアの公衆衛生の意識が少しずつ向上してほしいと思いますが、そんな時に残念な報道を目にしました。市の清掃業者が、その社会奉仕の日にちゃんと仕事をしていないというニュースです。

サニテックというこの清掃業者については、ちゃんと回収に来ないから集積所がゴミだらけになることが多く、1年以上前からずっと問題になっていました。革命後の選挙で当選した新しいエレバン市長は、サニテックが状況を改善できないようなら、別の清掃業者との契約を検討すると言っていました。

にも関わらず、全国規模で市民が清掃を行った日にちゃんと回収作業をせず、多くの集積所がゴミだらけという状況…うちの近所の集積所もゴミが溢れたままでした。「さすがにこれはひど過ぎる!」と非難する投稿などをネット上でたくさん見かけました。また、エレバン市長も強い不満を表明して、別の清掃業者を真剣に検討すると述べました。いや、もうマジで何か手を打ってくれ!


パシニャン首相が家族や市民と清掃活動を行う様子を伝える現地ニュースの映像

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近所のゴミ集積所。基本的にいつもこんな状態ですが、さすがに国民みんなが掃除を頑張った日にアカンやろ、これは…

ちなみに、アルメニアではゴミの分別がありません。また焼却ではなく、エレバンの郊外にある巨大な埋め立て地に捨てられます。昔そこに行ったことがあって当ブログにも記事を書きましたが、エレバン中のゴミが集まるので、けっこうすごい光景でした。(過去の記事)

あの異様な光景を見ると、ゴミを清掃したり、ちゃんと回収するのも大切ですが、まずゴミを減らす努力が必要じゃないかと思ってしまいます。まあ、アルメニア人のゴミ排出量なんて日本とかに比べたら大したことないでしょうけど…そういえば、現政府は使い捨てプラスチックを規制する方針などを表明しているので、今後ゴミに対する意識も変わってくるかもしれませんね。

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週末は家族で買い物に出かけたついでに、子供たちを遊ばせました。右手首が痛い私は見学のみ…

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レオはトランポリンを気に入ったみたいで、うちに帰ってからもずっと「ジャンプ〜」と言っていました。

エレバンのオペラ周辺のカフェが強制撤去 

今日は春分の日で、日本はお休みですね。アルメニアもどんどん日が伸びていて、7時半頃まで明るいです。でも、朝晩はけっこう空気が冷たくて、また耳あてやマフラーをしています。そういえば、イチロー選手が引退を表明したそうで…本当にお疲れさまでした。

ところで、日本に行く前から違和感があった右手首の状態が悪化して痛い!ネットで調べてみると、明らかにドケルバン病という腱鞘炎の症状。しかし、ドケルバン病って響きはちょっと…もし何も知らずに医者に宣告されたらビビるやろなあ。

手首をひねったり、強く力を入れたりしなければ大して痛くないんですが、重いものを持てないし、子供を抱っこできないし、ギターやピアノも弾けないし、寝起きの時は激痛だし…やはり何かと不便です。あまり改善が見られないようなら病院に行くつもりです。

さて、革命後の選挙で刷新されたエレバン市当局は、街の緑化計画を進めており、オペラ周辺も緑の多い自然豊かな公園に戻そうとしています。そのために先週、オペラ近くのカフェの一部が強制撤去されました。市当局者や警察が重機と共にやって来て、カフェを解体したのです。抗議するカフェのオーナーや従業員らと警察が衝突して、負傷者や逮捕者が出たそうです。

こう書くと、市当局がやたら乱暴に思うかもしれませんが、撤去されたのは敷地の賃貸契約が終了したカフェで、半年以上前から移動するように伝えられていたようです。結局その通達に従わなかったため、仕方なく強制撤去したとのこと。まあ、オーナーや従業員にすると仕事を失うかもしれない事態なので、そう簡単に納得はできなかったんでしょう。

しかし、エレバン市内の広場や公園はカフェだらけで、「ちょっと増えすぎちゃうの?こんなに必要?!」と以前から思っていました。夏場は賑やかで華やかだけど、どうも落ち着きがないし、あまり文化的ではありません。多くの市民も同じ不満を持っていたので、街の緑化計画には賛成です。昔のエレバンの写真を見ると、もっと緑が多くて美しい…散歩したら気持ち良さそうです。

昨年夏に家族でクロアチアに行った時、首都ザグレブの市内には緑豊かで芝生に座ってのんびりできそうな公園がたくさんあって、妻も羨ましがっていました。子供にとっても、そういう環境の方が絶対いいですもんね。

ちなみに、パリで初めてカフェを開いたのはアルメニア人。1672年にパスカルというアルメニア人が、仮設の小屋でコーヒーを飲ませる商売をやったのが始まりだそうで、アルメニア人にとってカフェは縁深いものなわけです。

う~ん、でも、やっぱりカフェ多すぎ…革命前はカフェを経営する許可を与えたり、土地を貸したりすることで利益を得ていた輩が多かったから、やたらとカフェが増えたのかもしれませんね。今回のような強制撤去という事態はなるべく起こってほしくないですが、緑化計画は推進してほしいと思います。


カフェが解体される様子を伝えた現地のニュース映像。JAZZVEというアルメニアのコーヒーチェーン店です。

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カフェが撤去された場所。何もない更地になっていました。

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うちの近所はあまり公園がなくて、子供たちが可哀想…小さくてもいいから、いろんな所に公園を作ってほしいです。

騒がしいけど幸せな我が家 

ここ数日は雨がちの天気で少し肌寒いですが、季節の変わり目の雨だと思います。冬も終わり、もうすぐ春がやって来るのでしょう。

ニュージーランドで悲惨なテロ事件がありましたね。女性や子供まで撃たれて50人もの命が奪われたそうで、強い哀しみと怒りを感じます。この事件を機に、ニュージーランド政府は銃規制の強化に向けて動くようです。一番の原因は差別や憎悪の心ですから、根本的な解決になる訳ではありませんが、所詮、銃は人を殺す武器…同じ悲劇が繰り返されないよう、できる限りの対策は取るべきだと思います。

金曜の夕方は、いろはセンターでひな祭のイベントがあったので顔を出してきました。学生たちは、折り紙で雛人形を作ったり、ちらし寿司を食べたり、カラオケで歌ったりと楽しい時間を過ごしたようです。みんな上手に雛人形を作っていたし、ちらし寿司も美味しかったです。

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見た目もきれいですが、味も美味しかったちらし寿司。ご馳走様でした。

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学生たちが折った雛人形。初音ミクの顔をした雛人形もあります!

さて、前回の記事に書いたように、妻が村上春樹の「ノルウェイの森」の翻訳を終わらせたので、子供たちも何だか嬉しそうです。ママがもっと心に余裕を持って遊んでくれたり、一緒にいてくれたりしていると感じているのかもしれません。私も日本で大きな気づきがあって、子供たちのことをもっと愛おしく感じるようになりました。

その気づきについては、また機会があればブログに書きたいと思いますが、とにかく、子供たちは人生というものを教えてくれる存在なんだと分かりました。そのことに気づいてからは、子供の理不尽さや子育ての苦労も、自分にとって大切なものだと自然に思えるようになりました。

ところで、最近レオは一人でできることが増えてきました。自分で服や靴を脱いだり、ちゃんとゴミをゴミ箱に捨てたり、語彙も増えてきたように感じます。でも、まだほとんど話せないんですけどね…なのに、日本語と英語とアルメニア語で100まで数字を言えたり、私も知らない惑星の名前を知っていたりと驚かされます。

できることが増えたお陰で、もっとアレンと一緒に遊ぶようになり、家の中はかなり賑やかです。危なっかしくてヒヤヒヤすることもありますが、兄弟で楽しそうに遊んでいる姿を見ていると、その騒がしさも大きな幸せに感じます。改めて子供たちの存在に感謝する今日この頃です。

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ママの傘を自分で持とうとするレオ。それだとママが濡れちゃうけど…

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掃除機をかけるレオ。興味があることは何でも真似したがります。

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お風呂に入るレオにお湯をかけるアレン。二人ともお風呂が大好き

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アレンに靴を履かせようとするレオ。上手くできないんだけど、優しいなあ。とても微笑ましい光景でした。


兄弟で仲良くおどけている動画。レオはお兄ちゃんのアレンがすることを何でも真似して喜んでいます。騒がしいけど、これも微笑ましい光景でした。