アルメニア・リトルシンガーズのCD制作 

昨日と一昨日は久しぶりに晴れ間が広がりましたが、今日はまた曇りで寒い。太陽の光が差しているだけで暖かく感じましたね。冬の青空は澄んでいるので、清々しい気分になりました。また昨日は、雪を被ったアララト山の雄姿も見ることができました。

でも、その変わりやすい天気など関係なく、ここ数日はずっと心が洗われるような素敵な経験をさせてもらっています。毎日忙しいですが、本当に気持ちは充実して幸福感で満ちています。それは、前回の記事で書いた私の会社JASCの大事な仕事のお蔭です。

その仕事の詳細を公表します。実は、今春にビクターエンタテインメントから、アルメニア・リトルシンガーズのCDが発売される予定で、弊社は昨夏からずっとコーディネートをさせて頂いているのです。リトルシンガーズが日本のポップスや歌謡曲を美しいコーラスで歌った画期的な作品です。

きっかけは、昨年リトルシンガーズが出演した「のど自慢 THEワールド!」。その歌声に強く胸を打たれたビクターのプロデューサーの方が、是非ともリトルシンガーズのアルバムを作りたいということで、当ブログ経由で私に連絡して下さいました。というのも、彼らが番組に出演するために渡航する直前、私は日本語発音のチェックを依頼されたので、その出来事をブログに書いたのです。(その過去記事)

記事を読まれたプロデューサーの方から連絡を頂いた時に、私はちょうど会社を立ち上げようとしていたので、弊社の記念すべき最初のお仕事として有難くお引き受けしました。面識のない私のことを信頼して、こんな大きな仕事を依頼して下さったプロデューサーの方には心から感謝しています。

そこから約半年間ずっと、双方の仲介役としてコーディネートをせて頂いています。いろいろ大変なこともありましたが、今やっとレコーディングやPV撮影というプロジェクトの山場を迎えることができました。現地に来られたプロデューサー、アレンジャー、サウンドエンジニア、カメラマンの4名の方々が、少しでもいい作品を作ろうと頑張って下さっています。

そして、リトルシンガーズの子供たちと指揮者の方も、積み重ねてきた練習の成果を形にするため一生懸命に頑張ってくれています。慣れない日本語の歌を感情豊かに歌う子供たち、そして彼女たちの力を120%発揮させようと指揮する指揮者。その真剣な姿と天使のような美しい歌声に感動して、思わず泣きそうになってしまう瞬間が毎日あります。

指揮者の方は、ティグラン・ヘケキャンというアルメニアではかなり著名な音楽家で、仕事には一切の妥協を許さない厳しさを持っていますが、普段はとても気さくなお人柄。日曜は私たちを夕食に招待して下さって、一緒に楽しい時間を過ごしましたし、昨晩はリトルシンガーズのスイス公演の映像を基に作られたドキュメンタリー映画の上映会にも招待して下さいました。その映画については、以前ブログでも紹介したので、どうぞ過去の記事をご覧ください。(こちら)

レコーディングはあと半分ほど残っていますが、この仕事に関わることができた喜びと感謝の気持ちで一杯です。両国を音楽で繋ぐこのプロジェクトが成功するよう、また日本でリトルシンガーズやアルメニアのことを広く知ってもらえる素晴らしい作品を作れるよう、全力で頑張りたいと思います。

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レコーディング前日の練習風景。指揮者の厳しい指導に真剣に聞き入るリトルシンガーズの子供たち。

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練習後に、誕生日を迎えたばかりの仲間にハッピーバースデーを歌って祝福する様子。みんな明るくて可愛らしいです。

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一昨日は、リトルシンガーズの指揮者のヘケキャンさんのご招待でアルメニア料理を堪能しました。仕事にはすごく厳しいですが、普段は気さくで優しい方。とても楽しい時間を過ごしました。

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昨日はPVに使用する映像撮影のため郊外に出かけたのですが、暈雲を二つも被ったアララト山を見ることができました。まるで歓迎してくれているような雄大な景色に感動しました。

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昨晩の映画の上映会で、現地テレビ局の取材を受けるプロデューサーの方。他の招待客も、今回のCD制作のプロジェクトを、「素晴らしい!」と喜んでくれていました。

ハイハイしようと頑張るレオ 

昨日はまた雪が降って、かなり寒かったです。けっこう積もりましたが、今日は思っていたより寒くありません。と言っても、マイナス5℃ぐらいですけどね。この寒さと仕事や育児の疲れからか、昨晩は授業を終えた時に何だか風邪気味…でも、明日から大事な仕事が始まるので、「風邪なんて引いてられるか!」と気合で治しました。まさに病は気から!

その大事な仕事というのは、日本企業とアルメニア・リトルシンガーズが進めているプロジェクトのコーディネートで、ついに山場を迎えるのです。以前ブログにも書きましたが、私が昨年設立した会社JASCの最初のお仕事です。詳細はまた後日書きますが、日本とアルメニアを音楽で繋ぐ素晴らしいプロジェクトで、大変なことも多いですが、責任とやりがいを持って取り組んでいます。無事に成功裡に終わるよう全力で頑張りたいと思います。

さて、風邪を引いていた長男アレンも、昨日から幼稚園通いを再開しました。子供って風邪で熱があっても普通に元気というか、いつもよりテンションが高いぐらいなので、ここ数日は家で全くくつろげませんでした。可愛いけど、マジで疲れる…まあ、子供が幼稚園や学校に通い始めると、どうしても病気を貰ってくることってあります。それは覚悟しないといけませんね。とにかく元気になってくれて良かったです。

次男レオは元気にしています。栄養たっぷりの母乳を飲んでいるお蔭か、赤ん坊の方が抵抗力があるのかもしれません。首も座ってきて、寝ている姿勢から自分で起き上がろうとします。もちろんまだできないので、真っ赤な顔でウーン、ウーンともがくだけですが…また、うつ伏せに寝かすと、顔を上げてハイハイしようと頑張ります。これもまだ苦しそうにもがくだけなんですが、その一生懸命な姿が可愛らしい!

子どもの成長って本当に早いですから、そのうちハイハイやお座りなどができるようになって、今よりもっと目が離せなくなってくるでしょうね。やはり二人の子育ては大変ですが、長男の成長の過程を振り返れるし、その時の喜びや驚きをまた味わえるので幸せなことだと思います。

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ハイハイしようと頑張るレオ、そして長男アレンと妻。今はやんちゃなアレンもこんな時があったんだよなあ…

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首が座ってきて、けっこう上まで顔を上げられるようになってきました。そのうちハイハイできるようになるかな?


頑張ってハイハイしようとするレオの動画。まだ無理だけど、必死な姿が可愛らしい!本人は、「なに苦しい思いさせてんねん!」と怒っているかもしれませんが…

またまた家族でテレビ出演 

一昨日あたりから寒さが和らいできたように感じます。といっても、日中の温度がマイナス5℃ぐらいになったというレベルですが、マイナス10℃を下回るのが普通だったので、けっこう大きな変化です。このまま暖かくなってくれればいいんですけど…

昨晩、トランプ米大統領が誕生しましたね。8年前のオバマ大統領の就任式に比べ、ホワイトハウス前に集まる人々の数もかなり少なかったし、抗議デモも発生して歓迎ムードではなかったようです。そんな初日から、TPP離脱を正式に表明したりと公約を実行し始めているので、既存の政治家とは異なる破天荒な大統領の下で米国が今後どうなっていくのか注目したいと思います。

冬休みモードがなくなってきて、寒さも和らいできたからか、幼稚園に通う子供が増えてきました。長男アレンが幼稚園通いを再開した週は、いつも子供が5、6人程度で閑散としてましたが、最近は冬休み前と変わらない賑やかさです。ただ、風邪を引いてるっぽい子供もいて、アレンが鼻風邪になってしまいました。

「自分の子が病気っぽかったら、幼稚園に連れて来るなよ!」と迷惑に思いますが、生活のために家族みんなが働いていて、余程のことがない限り、幼稚園に子供を預けざるを得ない家庭もあるでしょう…最近の記事に書いた、「他者への理解や想像力」というのは、こういうことなのかもしれません。

よく問題になる日本の生活保護も、不正受給する行為はもちろん許されませんが、生きていくために仕方なく受給している人たちもたくさんいると思います。どんな制度にも不備や綻びがあるもので、それを修正していく必要はあるにしても、理解や想像力を欠いて、やたら他者を排除する方向に向かってしまうのはちょっと…「困っている人を社会全体で助け合おう」という相互扶助の精神が基本にある訳ですからね。

ちなみに次男レオは、お陰さまで病気一つせず、元気にしてくれています。「お前は相撲取りか?!」ってぐらい丸々太って、体重は完全に標準超え…少し肥満児気味ですが、今冬はかなり寒いし、脂肪を蓄えるのは自然な生存本能かもしれません。それに、赤ん坊は痩せているよりポッチャリしている方が可愛らしい!

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顔も手足もプックプク!母乳をたくさん飲むし、何時間も寝つづけるし、健康そのものでいいんですけど、ちょっと太り過ぎちゃうか…

ところで、昨日の朝、現地のテレビ番組に家族で出演しました。「また?!アンタら、出たばっかやん!」と思われますよね…私も妻も連絡を受けた時は同じように呆れてしまい、今回は断ろうかとも考えたんですが、「30分ほどの取材だからお願い!」と言うので引き受けてしまいました。実際は1時間以上かかりましたけどね…

テーマは前回と同じ、「アルメニア人と外国人の国際カップル」。黒人とのカップルがアルメニアで少し議論を巻き起こしたので、いろいろな国際カップルを取材したようです。記者の質問も、私たちの馴れ初めや国籍の違いで何か問題があるかなど大体同じで、私たちは「特に何も問題ない」と答えました。私は外国慣れしているし、妻は日本語がペラペラな上に、控えめで穏やかな性格ということもあって、国籍の違いによる摩擦や苦労って本当にないんですよね。

しかし、たった1か月の間に3回も取材を受けました。日本だったら一度テレビに出演すると、ネタ的に新鮮じゃない、面白くないということで取材対象にはならないのに、逆にアルメニアでは、「このネタ、いけるで!」と飛びつくようです。さすがにこうも続くと次は遠慮したいですが、結果的に偏見や固定観念を持っている人たちにとって何か考えるきっかけになれば嬉しいです。


放送された番組の動画。アルメニアは、放送した番組をテレビ局が翌日とかにネットに掲載します。私たち家族は59分頃に登場します。

妻の誕生日パーティーと鍋会 

日本も寒波が来て寒いそうですね。それでもマイナス3度ぐらいと聞いたので、エレバンよりもかなり暖かそうに感じます。小さい子供もいるので、家の中はセントラルヒーティングで暖かくしていますが、先月はガス代だけで何と2万円!光熱費が嵩むと予想していたとはいえ、懐がマジで苦しい…

ところで、今週はトランプ米大統領が誕生しますね。就任式のボイコットを表明する議員が出てきたりと、すでに波乱の幕開けになりそうです。先日の会見では、CNNの記者からの質問を拒否、「ひどいマスコミだ!偽ニュースだ!」と非難したことが話題になりました。ちょっと感情的すぎる対応だったように思いますが、CNNのマスメディアとしての体質は確かにひどい。

選挙中もずっとCNNだけがクリントン優位と言い続けていたし、アメリカの外交関連のことになると国民を扇動するような偏向報道が多いです。湾岸戦争の時には、国内のスタジオで撮影したものを現地からの生中継のように捏造して流していたなんて内部リークもあります。トランプ氏のロシア絡みの疑惑の真偽は分かりませんが、とりあえずCNNの報道なので、個人的には鵜呑みにするつもりはありません。

さて、昨日は次男レオが初めての予防接種を受けました。私は同行しませんでしたが、やっぱり大泣きしたそうです。そりゃ、いきなりブスッと注射されるんだから、痛いし訳わかんないし泣いちゃいますよね。必要なことだから仕方ないけど可哀想…ちなみに身長64cm、体重8.5kgだったらしく、3ヶ月半にしてはかなり大きい、というかデカすぎ!まあ、とにかく健やかに成長しているみたいで安心しました。

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予防注射で痛い思いをしたにも関わらず、あまり高い熱も出さず、機嫌よくしてくれているレオ。

先週の金曜はアルメニアの旧正月、そして妻の誕生日だったので、友人や親戚を招待して夕食会を開きました。私もちらし寿司や春雨サラダを作りましたが、妻の作った肉ジャガが絶品でした!夜遅くまで、みんなで食べたり飲んだりしながら楽しい時間を過ごしました。昨年二人目を産んでくれた妻もすごく喜んでいたので、パーティーを開いてよかったです。リリット、いつも傍にいてくれて本当にありがとう!

あと、日曜は友人のルザンさんのお宅で鍋会が開かれたので、家族で参加してきました。材料はルザンさんが全て用意してくれたんですが、鶏つくねまであって本当に美味しかった!やっぱり寒い冬は鍋ですね。アレンもつくねが気に入ったのか、美味しそうに食べていました。日本酒も飲めたし、体も心も温まりました。ルザンさん、どうもありがとうございました!

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妻の誕生日パーティー。私がギターを弾いて、みんなで歌ったりして盛り上がりました。

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妻の誕生日ケーキの火を吹き消そうとするアレン。

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ルザンさんのお宅で開かれた鍋パーティー。すごく美味しかった!鍋だと肉も野菜もたくさん食べられていいですね。レオも連れて行きましたが、ずっとおねんねしていました。

国際結婚カップルとして現地TVに出演 

日中でもマイナス10℃に達する寒い日が続いています。さらに気温が下がるという予報が出ていて、今年の冬はどんだけ寒くなるねん!って感じですね。

さて、今日1月13日はアルメニアの旧正月、そして妻の誕生日!おめでとう!いろいろ料理を作って、友人や知人を呼んでお祝いする予定です。この機会に、いつもそばで支えてくれて、昨年二人目の子供を頑張って産んでくれた妻に感謝の気持ちを伝えたいと思います。

ところで、少し前にアルメニアである議論が起こりました。ここの有名な写真スタジオで、黒人と結婚した女性が、ご主人とお子さんと一緒にアルメニアの民族衣装を着て撮った写真をネットに載せたら、「アルメニア民族の純血を守れ!」、「なぜアルメニア人と結婚しないのか?!」など批判的なコメントが寄せられたそうです。

もちろん、その家族を擁護する意見も多数ありましたが、国際結婚が一般的になった時代にこんな議論が巻き起こるとは、さすが保守的なアルメニア…とにかく、それがけっこう話題になったため、ある現地テレビ局が私たち夫婦を取材したいと連絡してきたのです。

妻と子供二人と共に取材を受けましたが、質問には、「アルメニア人と結婚することについて、どう思ったか?」、「自分の日本人の血や遺伝子が、子供たちに受け継がれていると思うか?」といった内容のものがありました。

アルメニアに移り住む前から海外生活が長かったこともあって、私にすると、好きになって結婚しようと決めた女性がたまたまアルメニア人だっただけ。それは妻も同じ考えです。また子供たちについては、日本語がちゃんと話せるようになってほしいとは思いますが、民族的なアイデンティティーは自分自身で模索していけばいいんじゃないでしょうか…

あとで放送された番組を見たら、私たち夫婦のことを国際結婚のいい例として紹介してくれていました。ただ私は、今回の問題の主な原因は単純に批判されたカップルのご主人が黒人だったからではないかと思います。だって、ここはロシア人との結婚はよくあるし、たとえば写真に映っていた男性が欧米の白人とかだったら、こんなことは起こらなかったような気が…

「じゃあ、単なる人種差別じゃないか!」ということなりますが、日本含め、どこでもそういうことってあると思います。世界中を旅して偏見はない方だと思う私も、「自分は差別意識など全くない」と断言する自信はありません。気づかないうちに、性別や人種や職業などで他者をどこか見下してしまうことってあるんじゃないでしょうか。

かといって、差別や極端な民族主義を肯定するつもりは毛頭ありません。大切なのは、誰でも偏見や差別意識を持ってしまう危険性があるという認識を持って、他者への理解や想像力を忘れないようにすること。これって、自分をリベラルだ、平等だと信じている人も同じで、意見や思想が合わない人を対立構造に置いたり、自分のプライドを守ろうとして上から目線だったりなど独善的になりがちです。

こうやって記事を書きながら、「ああ、自分もそういうとこあるなあ…」と反省しますね。今回のことは、いろいろ考えさせられるきっかけになったし、自分への一つの戒めになったかもしれません。とにかく、せっかくいい例として紹介されたので、民族や文化の違いを超えて、いつまでも家族仲良く暮らしていきたいと思います。


アルメニア語ですが、放送された映像です。私は、「アルメニアとアルメニア人が好きだ。経済的に大変なこともあるが、ここが気に入っている」というようなことを話しています。