民族舞踊を習いにアルメニアへ 

今週に入ってから、またナゴルノ・カラバフの国境地帯で緊張が高まっています。今回は日本でほとんど報道されていないようですが、アルメニアとアゼルバイジャン両軍の間で激しい衝突が起こったのです。一時停戦の合意から3週間も経っていないというのに…一刻も早く事態が収束してほしいと思います。

また、月曜の夜10時頃、エレバン市内の路線バスが爆発、2人が死亡、8人が負傷しました。近くの建物の窓ガラスが割れるほど凄まじい爆発だったようで、車両の半分が完全に吹き飛びました。日中に私も時々利用するバスだったので、他人事とは思えません。

テロの可能性も疑われましたが、捜査の結果、容疑者が個人的な怨恨から身内を殺すために引き起こした犯行だったそうです。それが真相だったとしても、無関係な人たちが巻き込また悲劇…負傷者には子供や妊婦もいたと聞き、本当に胸が痛みます。

物騒なニュースが続いていますが、ここ最近はいろいろな人と出会う有意義な日々でした。前回の記事にも書きましたが、アルメニアの民族舞踊を習いに沖縄から来られた女性もいました。金城多寿子さんというプロのベリーダンサーで、花嫁がパーティーで踊る「ウズンダラ」というダンスを1週間ほど勉強されました。

当ブログを見つけて連絡を下さり、私と妻の方でレッスンの手配をさせて頂きました。しかし、「ベリーダンスが専門なのに、なぜアルメニアの民族舞踊?」と疑問だったので、率直に聞いてみると面白いお答えが返ってきました。

金城さんの尊敬するベリーダンスの先生は、ニューヨーク在住のアルメニア系移民の女性。その先生の手の動きなどが美しく、理由を訪ねてみたら、「アルメニアの民族舞踊の影響だ」と教えてくれたそうです。それがきっかけでアルメニアに興味を持ち始め、先生からいろいろな話を聞いたり、自分で調べたりして、実際に行って踊りを習ってみたい!と強く思うようになったとのこと。

ベリーダンスを通じた不思議な縁で、アルメニアと繋がったんですね。踊りだけではなく、沖縄出身の金城さんは、アルメニアの過酷な歴史にも興味を惹かれたそうで、実際に来てみると、やはり何か共感するものがあったそうです。虐殺記念日に彼女とお話して、私も戦争や平和などについて考えさせられました。

無事にレッスンも終え、楽しく充実した滞在になったみたいで、「またアルメニアを訪問したい!」と仰っていました。是非ともまたダンスを習いに戻って来てほしいですし、いつか日本でアルメニアの民族舞踊を披露して下さるチャンスがあればと思います。

CIMG1569armenia16-4-30.jpg 
剣道の前野先生も参加されて、みんなでアルメニア料理を食べました。


金城さんが習ったウズンダラの踊り。いくつか他の民族舞踊も習ったそうです。

アルメニア人虐殺記念碑に献花 

昨日はとてもいい天気で暑いぐらいでしたが、今日はずっと曇り空で少し肌寒かったです。

さて、昨日4月24日はアルメニア人虐殺記念日、今年は101周年でした。アルメニア人はよく、「その日は空も泣いて雨が降る」と言いますが、今年は一日中きれいに晴れていました。記念碑に行く日なので、やはり雨より晴れている方がいいですね。

ということで、今年も記念碑に行って献花してきました。アルメニアに住み始めてから毎年欠かしていないので、今回で7回目となります。虐殺によって多くの命が失われたことは事実でしょうし、ここに住んでいる限り、なるべく記念日には追悼に行きたいと思っています。

節目の100周年だった昨年は、妻と息子と一緒に献花しましたが(こちら)、今年は妻が身重なので家族を連れて行きませんでした。しかし、アルメニアの民族舞踊を習いに来ている日本人の方と一緒に行ってきました。例年より人が少なかったお蔭で、丘の上に建つ記念碑にスムーズに辿り着けました。

私が「今年はけっこう人が少ない」と言うと、彼女は「エッ!これで少ないんですか?!」と驚いていました。参列者の多い少ないを比較できる私と違って、彼女は初めてですし、100年以上経った今もあれだけ大勢の老若男女が追悼のための足を運ぶのは確かにすごいことです。

献花してエレバン中心部に帰るまでの間、彼女といろいろお話することができました。沖縄出身の彼女は、「アルメニア人が経験した歴史や置かれている現状に、どこか共感する部分がある」と言っていました。沖縄も悲惨な戦争の歴史があり、米軍基地の問題などでずっと苦しんでいる土地。6月23日は沖縄戦の犠牲者のための慰霊の日となっていて、追悼式典が毎年行われています。

被害者の気持ちや受け止め方、そこから何を学び後世に伝えていくべきか…そういったことを、彼女と言葉を交わす中で深く考えさせられました。戦争や虐殺の記念日には、犠牲者を追悼すると共に、過去の悲劇について様々な視点で考えることも大切だと思います。それが歴史を風化させないため、また平和を築いていくために、今を生きる私たちに課せられた使命なのかもしれません…

CIMG1619armenia16-4-26.jpg 
虐殺記念碑に献花に訪れる人々。例年より人が少ないように感じました。

CIMG1618armeia16-4-26.jpg 
途中、現地のテレビ局の取材を受けました。やっぱりアジア人は珍しいんでしょうね。

CIMG1623armenia16-4-26.jpg 
午後3時頃だったので、すでに無数の花が置かれていました。アルメニア訪問中のジョージ・クルーニーも献花したそうです。

CIMG1626armenia16-4-26.jpg 
次々と献花するアルメニア人たち。今年でもう7回目になりますが、この光景を見ると、いつも何か胸に迫るものがあります。

ジョージ・クルーニーがアルメニア訪問 

昨日プリンスの訃報が飛び込んできましたが、まだ少し信じられません。作曲能力、演奏能力、表現力、カリスマ性どれもが素晴らしく、まさに天才という言葉がふさわしいアーティストでした。ファンとして本当に残念…心から冥福を祈りたいと思います。


彼の大ヒット作「パープル・レイン」のライブ映像。ギターソロが圧巻!やっぱり天才!

さて、明日4月24日はアルメニア人虐殺記念日。昨年は100周年ということで、有名なロックバンド、システム・オブ・ダウンが野外ライブを行うなど大イベントとなりました。(こちら) 今年は何と、俳優のジョージ・クルーニーがアルメニアを訪問しています。

というのも、彼は虐殺撲滅運動に取り組んでいて、今年のオーロラ賞授業式の司会を務めるからです。このオーロラ賞は、人権の促進や擁護に多大な貢献をした人に贈られる賞のことで、オーロラ・マルディガニアンというアルメニア人虐殺を生き延びた女性の名前から付けられています。

彼女は、自分が目撃した悲惨な虐殺の様子を証言し、それを基に作られたサイレント映画「霊魂の競売」の主役も演じました。英語名の「Ravished Armenia」で検索すれば、画像や映像などたくさん情報を見ることができます。

今年も、私は虐殺記念碑に献花をする予定です。毎年のことですが、あの虐殺がいかにアルメニア人にとって忘れがたい悲劇であるかを痛感させられます。争いが絶えない世界ですが、悲惨な歴史が繰り返されないことを、犠牲者の冥福と共に祈りたいと思います。

CIMG1578armenia16-4-23.jpg
虐殺では多くの女性や老人、小さな子供たちも犠牲となりました。愛する息子が生きていく世界が平和であってほしいと願います。

前野先生の書道教室 

毎日天気が良くて、昼間は少し暑いぐらい。アララト山もきれいに見えています。この陽気のお蔭か、風邪もだいぶん良くなりました。

さて、2週間ほど前から剣道七段の前野先生が、わが家に滞在しながら剣道普及の活動をされています。今はほとんど毎日、合気道道場で教えていらっしゃって、7,8名が熱心に稽古に励んでいるそうです。いつも私の授業時間と重なっているため、なかなか見に行けていないのが残念…

その前野先生が、いろはセンターで書道教室を始められました。先生が何となく、「ひまな時間に、学生たちに書道でも教えたいなあ…」と仰ったのを聞いて、いろはセンターのルザン会長に提案してみたら、やっぱり大喜び!さっそく昨日から始めて頂きました。

「教えられるようなレベルじゃないから、学生たちに書道で遊んでもらう」と謙遜されていましたが、とても達筆でお上手でした。しかし、剣道でも何でもまず楽しんでもらうのが一番!というのが前野先生のモットーなので、筆の使い方でいろんな表現ができる面白さなどを和やかな雰囲気で教えて下さいました。

その後は、それぞれ自由に「日本」と書いてもらい、それを見比べながら、いかに文字に個性や気持ちが表現されるかということを分かりやすく説明して下さいました。書道を通して、学生たちも楽しい時間を過ごしたようです。

中々じっくりと学生たちに書道を教える時間はないので、前野先生の書道教室はとても有意義な日本文化体験になりそうです。楽しみながら、字が上手になってほしいと思います。前野先生、どうもありがとうございます!

CIMG1560armenia16-4-21.jpg
力の加減を変えれば、筆一本でいろいろな太さの線が描けることを教える前野先生。

CIMG1566armenia16-4-21.jpg
それぞれ自由に、「日本」と書いてもらいました。

CIMG1567armenia16-4-21.jpg
学生たちの作品。先生の仰る通り、やっぱり個性が出ていますね。でも、みんな上手に書けました。

前野先生の歓迎会と誕生日会 

熊本県で起きた大地震ですが、いまも強い揺れが続き、土砂災害などの危険もあるため、多くの住民が不自由な避難生活を余儀なくされています。被災された方々にお見舞い申し上げると共に、これ以上被害が拡大しないことを祈っています。

アルメニアでも報道されたようで、「家族は大丈夫か?」と心配してくれました。私の実家は兵庫県なので全く問題ありませんが、その優しさに胸を打たれました。東日本大震災が起こった時も、道で私を見かけた友人がわざわざ車を止めて降りてきて、「今回の悲劇に心から同情します」と言いながら、手を強く握ってくれました。あの時は感動して涙が溢れました。

さて、話題は変わりますが、第二子を妊娠中の妻が今朝すこし胎動を感じたそうです。確かにそろそろ感じ始める時期なので、胎児が元気に育っていることが分かり安心しました。しかし、アレンの時に経験済みなのに、やっぱり命の誕生って不思議だなあ…と思いますね。

また昨晩は、前野先生の歓迎会と私の誕生日祝いということで夕食会を開きました。友人や知人を集めて、みんなで楽しい時間を過ごしました。素敵なプレゼントも頂き、話にも花が咲いて、最後は久々にカラオケもしました。前野先生も美声を披露して下さいました。

前野先生の剣道講習も始まり、十数名が熱心に学んでいるそうです。昨年の短いご訪問がきっかけで、まさか七段の先生が本格的にアルメニアで教えて下さるようになるとは…人の縁というのも、本当に不思議なものですね。これから少しずつ剣道が普及していってほしいと思います。

CIMG1541armenia16-4-17.jpg
初めて我が家に来た人たちもいたので、カレーを振る舞いました。みんな、「美味しい!」と言って食べてくれました。

CIMG1543armenia16-4-17.jpg
最後はカラオケで盛り上がりました。ルザンさん、相変わらず上手い!

CIMG1544armenia16-4-17.jpg
前野先生も大変お上手です。

CIMG1546armenia16-4-17.jpg
いろはセンターの学生も混じって、「翼をください」を歌いました。

CIMG1548armenia16-4-17.jpg
アレンも、大好きな「ABCの歌」をかけるとマイクを握りました。ほとんど歌ってなかったけど…