「アルメニア友の会」日本招聘プログラムの選考結果 

この3日ほど独身生活をしています。というのも、私以外の家族はみな郊外に泊りがけで出掛けているからです。私はキャンセルできない授業があるので、家でお留守番。経済的に不安定な身なので頑張って働かないと…しかし、久々の一人暮らしは気楽でいいもんですね。それでも電話で息子の声を聞くと、早く会いたいなあと思ってしまいます。

さて、日曜はまた映画のエキストラの仕事をしました。今回もバレエダンサーの河上君と一緒。しかし、その人材派遣会社がいい加減すぎ…「事前に撮影場所を伝える」と言ってたくせに、全く連絡がありません。予定の撮影時間が過ぎて、キャンセルになったのかなあと思っていると、電話が掛かってきて、「今すぐこの場所に行って!もう撮影隊がいるから急ぐのよ!」と一方的に急かされました。

「おいおい、事前に電話するって言うたやろ!」と怒ると、「ああ、忘れてたのよ」で終わり…その言い方も、ペロと舌を出しながら「エヘ!やっちゃった!」って感じで反省や謝罪の気持ちなどちっともありません。アルメニアらしいと言えばそれまでですが、本当に呆れました。

とにかく急いで河上君と待ち合わせをして、撮影場所へ向かいました。かなり遅れたので迷惑かけたかなと心配しましたが、全くお咎めなし。まあ、こんな風に全体的にゆるいから、超適当な仕事のやり方でも大丈夫なんでしょうね。同じ撮影に参加した韓国人も、「10分前にいきなり呼び出された」と言っていました。無茶苦茶やな…

今回の役柄はツーリストで、主役のタクシードライバーと車に乗っているシーンでした。主役のムコというコメディ俳優はとても有名で、何度もテレビで見たことがあります。かなり大柄でしたが、とても気さくでいい人でした。彼が運転するタクシーの中で、「日本の曲が流れ始めたらノリノリで踊ってくれ!」と監督から指示を受けました。

そんな変なツーリストおらんわ!と思いましたが、まあコメディ映画ですからね。河上君と頑張って演じました。そして何と一発OK!気温が40℃を超えた当日は、車中もサウナ状態だったので、すぐ撮影が終わってホッとしました。いろいろ振り回されたけど、有名人に会えたし面白い経験ができました。

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着いてすぐにメイクされました。ちょっと芸能人気分に浸れました。

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有名なコメディ俳優ムコさんとのツーショット。なぜか怪我をしている設定です。すごく気さくで優しい人でした。

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この車の中で、ノリノリに踊る演技をしました。しかし、暑かった…

実は、その日の朝は大事な仕事がありました。それは、私が日本の方々と運営している「アルメニア友の会」日本招聘プログラムのスカイプ面接。両国の人的交流活動の一環として、今秋にアルメニア人学生を10日間ほど日本に招待する予定なのです。今年は6名も希望者がいたので、エッセイと面接で選抜することになりました。友の会は、2年前に最初の招聘プログラムを実施しています。それについては日本人会ブログの記事をご覧ください。(こちら)

いろはセンターのご協力の下、私の学生3人といろはセンターの学生3人の面接を行いました。全員、6月にエッセイを日本に送っています。皆かなり緊張した様子でしたが、会役員の方々がゆっくり分かりやすく話して下さったお蔭で、あまり問題なく受け答えができたようです。(ちなみに私は選考には関わっていません)

そして、気になる選考結果は…私の学生二人に決定しました。これは誰もが予想していた通りの結果でした。学習歴が長いこの二人は日本語能力がずば抜けていて、エッセイの出来も素晴らしかったんです。面接でも好印象だったらしく、満場一致で決まったとのこと。しかし、どの学生もすごくいい子だったので、「できれば全員を日本に呼んであげたい…」と、役員の方々は申し訳なさそうに仰っていました。

私もそうしてあげたいのは山々なんですが、会費と寄付だけで細々と活動している小さな民間団体ですから、そんな余裕はありません。残念ながら今回選ばれなかった学生たちには、日本へ行く夢を叶えるために、ぜひ来年も応募してほしいと思います。そして、選ばれた学生たちには、夢だった日本で素晴らしい時間を過ごしてほしいと願っています。本当におめでとう!

このような有意義な活動ができているのも、偏に会の役員や会員の方々のお蔭。誠にありがとうございます!当会活動の継続や充実のために、随時寄付を受け付けておりますので、ご協力頂ければ幸いです(下記のサイトをご参照ください)。よろしくお願いします!

アルメニア友の会 HP

久々に我が家で焼肉パーティー! 

今週は、いろはセンターで日本語を教えています。普段教えている日本人会の南江副会長が一時帰国したので、私がその代打をやることになりました。みんな一生懸命に勉強しているいい学生たちです。

今晩は我が家で久々に焼肉パーティーを開きました。というのも、私が1年ぐらい家庭教師で日本語を教えていた学生たちが、来週アルメニアを去ることになったのです。彼らは、内戦のためにシリアから逃げてきたアルメニア人。幸い父親はずっと前からクウェートで商売をやっているので、経済的な苦労はあまりないみたいです。

それでも、子供の頃から住んでいたシリアがあんな悲惨な状況になり、人生が大きく狂ってしまったことは確か…もし国が平和になれば、すぐにでも戻りたいと言っていました。大のアニメファンの彼らは、ずっと日本語を勉強したいと思っていて、アルメニアに私という日本語教師がいることを聞き、「ぜひ教えてほしい!」と依頼してきたのです。

それから約1年、彼らの家に行って教えてきました。実は、学生の一人は生まれつき足の障害で杖なしでは歩けません。それで、私が彼らの家に毎回通っていました。今回アルメニアを去ることになった理由の一つのは、彼が歩けるようになるため、フランスで足の手術を受けることが決まったからです。

中々会えなくなる彼らと最後に楽しい時間を過ごしたいと思い、焼肉パーティーを開くことにしました。初めて食べる日本の焼肉を、「とても美味しい!」と言って、たくさん食べてくれました。学生のお兄さんはピアノがとても上手で、美しい曲を弾いてくれたし、みんなでいろんな話に花を咲かせました。

彼らと別れるのは寂しいけれど、またアルメニアに戻ってくるかもしれません。その時は、また日本語を教えたいと思っています。そして、また一緒に楽しい時間を過ごしたいと思っています。彼らと出会えて本当に良かったです。いつかきっとまた会おうね!

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何度か彼らの家で一緒に食事をしました。

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みんなで美味しく焼肉を食べました!

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お兄さんがピアノを弾いてくれました。

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彼らと出会えて本当に良かったです。みんな元気で頑張ってね!どうもありがとう!

いろはセンターの七夕イベント 

最近少し暑さが和らいだと思っていましたが、今日はまた暑かった!真夏ですから当然ですけどね。それでも乾燥しているので、朝晩は過ごしやすいです。

懲りずにまた安保法案の話題。個人的にどうも引っ掛かるんですよね…それは、今回のプロセスに問題があると感じるからです。だって、憲法第9条をどう読んでも集団的自衛権は認められない内容ですし、それを合憲とした判例も砂川判決含めてありません。たとえ当時の米国政府の押し付けだったとしても、憲法は全ての法律の上に立つもので、国のあり方を定める根本。それを時の政府が自由に解釈変更できるなら、憲法の存在意義がありません。

私はガチガチの護憲派でもないし、安保法案もちゃんと国民の理解と合意を得ているなら成立することも認めます。それが民主主義というものですから。ただ、正式なプロセスを経ずに政府が憲法解釈を変更してしまうのは頂けません。政府としては、憲法改正というプロセスはハードルが高いから閣議決定や強行採決という手を使ったんでしょうけど、やはり立憲政治を蔑ろにする悪しき前例になるのではないでしょうか…

さて、月曜の夜は、バレエを見に行ってきました。ブログでも紹介した日本人バレエダンサーがまた招待してくれたんです。今回は、ストーリーはなく、次から次へと様々な踊りを見せる内容でした。分かりやすくて、とても楽しめました。招待してくれた河上君は、全体の半分ぐらいの踊りに参加する大活躍でした。本当に見応えのあるバレエを見せてくれて、どうもありがとう!

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満場の拍手を浴びるダンサーたち。本当に素晴らしかった!

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バレエ終了後、舞台裏に挨拶に行きました。厳しい練習の成果を、一瞬の舞台で見せる彼らには感服します。

あと、日曜はいろは日本文化センターで七夕のイベントが行われたので、妻と一緒に行ってきました。まず織姫と彦星の劇がありました。学生たちは全て日本語で演じましたし、けっこうコミカルな内容になっていたので面白かったです。その後は、みんなでそうめんを食べました。いやあ、美味しかった!やっぱり暑い夏には最高ですね!

また、南江副会長が抹茶セーキを振る舞ってくれたり、みんなで短冊に願いごとを書いたり、浴衣を着た学生たちがエレバン中心部を練り歩いたり、盛りだくさんの内容でした。とても楽しい時間をありがとうございました!

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織姫と彦星の劇をする学生たち。全て日本語で演じた彼らもすごい!

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劇が終わった後に、みんなで記念撮影。

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みんなでそうめんを食べました。学生たちも気に入って、たくさん食べていました。本当に美味しかった!

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南江副会長による抹茶セーキの紹介。いつものゆるい感じの説明が楽しかったです。それに、抹茶セーキも美味しかったですよ。

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願いごとを書いた短冊を木にかける学生。願いごとは何かな?

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浴衣を着た学生たち。暑い昼間だったので、あまり人はいませんでしたが、やっぱり注目を集めましたね。今年も日本人会で浴衣祭をしないと。昨年の浴衣祭の記事はこちら

ドバイに発つ友人の送別会 

日本では、新国立競技場の建設計画が白紙になったことが話題になっていますね。本当にお金の無駄でしかなかったので良かった、というか極めて当然の決定です。あのまま進めていたらアホすぎでしょう。しかし、これが騒がれる一方、もっと重大な安保法案についての報道が少ないのでは…と疑問に感じます。

大体、安保法案を強行採決した直後に白紙撤回を発表するというのも、何だかずるいタイミングのような気が…「国民の声に耳を傾けて決めた」と言うのなら、安保法案だって、もっと真摯に国民の声に耳を傾けて慎重に進めるべきだと思います。

ちなみに報道の自由度ランキングというのがあって、日本は安倍政権になってから53位、59位と急落しました(第一次安倍政権の時も51位と低かった)。今年は過去最低の61位まで落ちて、78位のアルメニアに近づく勢い…このランキングがどこまで公正なものか分かりませんが、日本はマジ大丈夫やろかと心配になります。

国境なき記者団による報道の自由度ランキング2015年

話は変わって、今週は毎年恒例のエレバン国際映画祭、通称ゴールデンアプリコットが開かれています。今年は、「キャット・ピープル」や「パリ、テキサス」などで印象に残る役を演じたナスターシャ・キンスキーがゲストとして訪れています。私の大好きな女優の一人。とか言いながら、今年は忙しくて、一度も映画を見に行くことはなさそう…数年前まで映画祭は2週間だったのに、最近は1週間と短いです。

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映画祭が開かれているモスクワ映画館。世界各国の映画が上映されています。明日が最終日なので、何か見に行きたいですね。

さて、昨晩はレストラン櫻田で友人の送別会が盛大に開かれました。ここで3年働いていた方で、以前長く住んでいたドバイにまた戻られることになったのです。3年前、その方の引っ越しのお手伝いも兼ねて、ドバイに妻と遊びに行ったことがありますが、いろいろお世話して下さったお蔭で素敵な新婚旅行になりました。(過去の記事)

今回の送別会は、なんとその方の全て奢り!「お世話になった人たちにお礼をしたい」ということで、みんなで有難く参加させて頂きました。美味しい和食が次々と振る舞われ、日本酒や焼酎なども飲み放題!会話にも花が咲いて、とても楽しい時間を過ごすことができました。私たちからも、記念にプレゼントをお渡ししました。こちらもお世話になりました!ドバイでも、体に気を付けて頑張ってください!

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大勢が集まった送別会。食事もお酒も美味しかったし、とても楽しい時間でした。

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日本人会からアルメニア文字の刺繍をプレゼントしました。お名前が刺繍されています。本当にありがとうございました!

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もちろん送別会にはアレンも参加。パーティー用の冠をかぶって喜んでいました。

アレン、初めての水掛け祭! 

今日、安保法案が強行採決されました。しかし、なぜかその今日に限って、NHKは国会中継をしなかったそうです。これだけ国民の関心が高い法案の審議を、公共放送が中継しないって意味分からん!NHK側は「独自の編集・編成判断に基づいて…」と答えていますが、何かしら変な意図がある偏った判断としか思えません。

多くの国民が反対している中、安保法案成立に向けて現政府は突き進んでいます。安倍首相自身も、「国民の理解が進んでいない」と述べたそうですが、こんな大事な時に国会中継が行われないことからして、内心では「国民の理解なんかいらへんわ!」と思っているような気がします。

さて、前回の記事に書いたように、日曜はヴァルダヴァルという水掛け祭でした。11時過ぎに歓声や叫び声が聞こえ始めたので、外を見てみると子供たちが水を掛け合っていました。毎年行われる行事なので、6年アルメニアに住む私にとっては珍しい光景ではありません。しかし、今年は息子を連れて外に出ました。

息子アレンはなぜか水が大好きで、ただの水たまりを見つけた時も、「みじゅー!」と言って興奮します。だったら、この祭はきっと喜ぶだろうと思ったんです。まるで戦争のようなエレバン中心部と違って、家の近所は、子供たちが楽しそうに水を掛け合う和気あいあいとしたものですから、まだ小さい息子でも安心です。

バケツや水鉄砲を手にびしょ濡れで走り回る子供たちに、アレンは驚いた様子でした。そして、水鉄砲で水を掛けられると、さらに驚いて一瞬泣きそうになってしまいました。それで、私と妻が手桶でお互い水を掛け合うの見せて、「ほら、今度はアレンがパパに掛けて!」と言うと、楽しそうに水を掛け始めました。

その後は、妻や義祖母、近所の女の子にも水を掛けて、初めてのヴァルダヴァルを楽しんだようです。しかし暑いとはいえ、冷たい水で服が濡れるとだんだん寒くなるため、途中でアレンもぐずり始めました。まあ、初めてはこれぐらいで十分でしょう。本人は一体何だったのか分かっていないかもしれませんが、きっと面白い経験になったと思います。

来年は、アレンも近所の子供たちと混じって、バケツや水鉄砲で水を掛け合うようになるかもしれません。今のアレンを見てると、そんな姿ちっとも想像できませんけど、子供の成長は本当に早いですからね。楽しい以上に疲れるので一度参加すれば十分な祭ですが、アレンが来年どうなっているかは今から楽しみです。

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すでに近所は水浸し。でも、子供たちが楽しそうにしているのは可愛らしい。

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水を掛けられるたびにギャーギャーと大騒ぎ!まあ年に一回の無礼講ですからね。

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アレンもいきなり水を掛けられて、一瞬に泣きそうに…事情が分かっていないから、そりゃ驚きますよね。

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でも慣れてくると、楽しそうに水とたわむれ始めました。手桶を持って嬉しそう!

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よくアレンを可愛がってくれる近所の女の子にも水を掛けました。今年は和気あいあいとした感じで、心が和みました。