ラヴァシュが無形文化遺産に! 

昨日・今日は朝から晴れていて、久々に気持ちのいい天気です。寒いことは寒いですが、青空が広がって明るいと何だか暖かく感じますね。

さて、今週はアルメニアにとって嬉しいニュースがありました。アルメニアのパン「ラヴァシュ」が、ユネスコの無形文化遺産リストに登録されたのです。過去にアルメニアからは、縦笛ドゥドゥクとその音楽、ハチュカルという独特の十字架石が登録されています。とにかく、アルメニアにとって誇らしい出来事ですね。

このラヴァシュは、小麦から作る薄いピザ生地のような伝統的なパン。麺棒や手で薄く延ばした生地を、トニルと呼ばれる地面に掘った窯の内壁に貼り付けて焼きます。田舎に行くと、今もこの伝統的なラヴァシュ作りを見ることができます。アルメニア人はそのまま食べたり、肉や野菜を巻いたりして食べますが、今日は面白いラヴァシュの食べ方をするアルメニア料理をご紹介します。

DSCN0138armenia14-4-16.jpg 
エレバン近くの村で見たラヴァシュ作り。中央の穴はトニルと呼ばれる窯。

それは、ハーシュという伝統料理。牛足を長時間煮込んだスープで、寒い季節によく食されます。見た目こってりしていますが、一口飲んでみたらあっさりというか、ほとんど味がなくて物足りません。というのも、それ自体は味付けされておらず、食べる人が自分で塩とニンニクを入れて味付けするのです。

ここからが面白いのですが、ハーシュにはパリパリに乾燥させたラヴァシュが必ず付いてきます。そのラヴァシュを手で細かく崩して入れるのです。アルメニア人は、スープがほとんどなくなるまで入れて、スープの浸み込んだラヴァシュを食べます。時には、乾燥していないラヴァシュですくって食べたりもします。

これではひたすらラヴァシュを食べているだけのような気がして、私は「スープをそのまま飲みたいなあ」と正直思ってしまいます。味付けしたスープは豚骨スープみたいで美味しいので、アルメニア人の食べ方は何だか勿体ない気がするんです。でも、彼らにするとスープだけ飲むなんて邪道で、やはりハーシュは大量のラヴァシュで食べるもののようです。

あと、ハーシュを食べる時はウォッカを飲むというのも習慣です。まあ寒い時期の食べ物ですしね。でも、酒好きのアルメニア人が、強引に飲む理由をこじつけているような気がしなくもないんですけど…とにかく、正にこれからはハーシュの季節。アルメニアに来られたら、一度お試しください。もちろんアルメニア伝統の食べ方で!

DSC00584armenia14-11-30.jpg
こってりした見た目のハーシュ。でも、初めは味が付いていないので、あっさりと感じます。

DSC00585armenia14-11-30.jpg
そこに大量の乾燥したラヴァシュを投入!スプーンで混ぜて、スープの浸み込んだラヴァシュを食べます。

DSC00586rmenia14-11-30.jpg
知り合った日本人バックパッカーと最近食べに行ったのですが、重くて二人とも半分食べたらお腹一杯になりました。

息子とペット 

昨日は初雪でした。といっても、ほんの少し積もった程度で、その後降った雨のせいですぐ溶けてしまいました。寒いのは嫌ですが、「雪が降ったら息子は喜ぶだろうなあ」と、今年の冬はけっこう楽しみにしています。

さて、我が家は犬と猫を飼っています。ハムスターも飼っていた時期があったのですが、なぜか急に死んでしまいました。家の犬と猫は全く喧嘩などせず、問題なくペットとして共存しています。

息子にしたら、その二匹の動物は何だか不思議な存在。まあ、まだ犬とか猫とか言っても分かりませんからね。見ると近づいていって触ろうとします。優しく撫でている分にはいいんですが、いきなり興奮してバシバシ叩き始めたりするので、見ていて危なっかしい…

「アレン、ダメダメ、優しく撫でてあげな。ほら、こうやって…」と諭してあげると、真似して撫で始めます。その姿は何とも可愛らしい…ですが、油断すると次の瞬間またバシバシ!動物に限らず、何でも叩いたりするので全く悪気はないんですけどね。

犬はともかく、小さい猫にするとけっこう痛いのか、「せっかくのんびりしている時に何だこいつは!」と次第に不機嫌になっているのが分かります。そんなことお構いなしにちょっかい出してくるので、たまに爪を立てて反撃しようとするんですよね。その瞬間、驚いた息子はウワーンと大泣き。いやいや、お前が悪いんやぞ!

まだまだ小さいので、こんなことが起こったりしますが、ペットを飼うことは子供の教育にとって良いのだそうです。ペットとの触れ合いを通して、他者への共感や思いやりを育んだり、感情抑制を学んだりという効果があると、科学的にも検証されているらしいです。今は見ていて危なっかしいですが、ペットが息子にとってそういう大切な存在になってくれればと思います。

DSC00571armenia14-11-26.jpg
犬は少々叩かれても、全く意に介しません。それでも優しく撫でてあげるように言いますけどね。

DSC00557armenia14-11-26.jpg
しかし、猫はたまに怒ります。子供がやることとはいえ、そりゃ腹も立つよなあ…

後世に残すもの 

ここ毎日、朝からどんよりした曇り空で、起きても何だか目覚めが悪いです。午後には雲の切れ間から少し日が差してきて明るくなるんですけどね。早くきれいな晴天を拝みたいものです。

先週カラバフ軍ヘリコプターがアゼルバイジャン軍によって撃墜されましたが、その後ずっと墜落地点付近では、両国軍の激しい攻防が続いているようです。そのため、いまだに国際機関も近づけず、操縦士3名の安否も確認できていない状況です。(残念ながら、ほぼ確実に死亡しているでしょう…)

この事件は近年起こった中でも最も深刻な衝突で、両国間の緊張も高まっています。しかし、専門家は「大規模な戦争に発展する可能性はほとんどない」と分析していて、実際に私もそう思っています。

なぜなら、お互いに失うものが多過ぎるため、アルメニアもアゼルバイジャンも全面戦争を始めるつもりなどないからです。第二のドバイを目指して経済発展を続けるアゼルバイジャンは、ほぼ100%その気はないでしょう。そして、この領土問題を自国の影響力強化や武器輸出のために利用している大国にとっても、小競り合いが続く膠着状態の方が好都合なはずです。

もちろんアルメニアに住む私にしても、戦争など絶対に起こってほしくありません。しかし、半永久的に解決される見込みのない今の膠着状態が続くのも辛く感じます。結局、私たちの子孫に大きなツケを残すことになるのですから…

自分も父親になった今、子供たちは私たちの未来であり希望なのだと、子育てする中で実感する瞬間があります。国同士の争いや原発事故のような後世に負の遺産となる問題は、目先の利益などに振り回されずに、なるべく早く解決すべきです。そして、少しでもより良い世界を残していかなければいけません。

ネイティブ・アメリカンのある言葉をご紹介します。 「大地を大切にしなさい。それは親から与えられたものではなく、子供から借りているのだ。大地は先祖の遺産ではなく、我々の子孫のものなのだ」

DSC00545armenia14-11-22.jpg
掃除機に興味津々のアレン。とにかく今は何でも興味を持つので目が離せません。でも、そんな無垢な子供の姿を見ていると無性に幸せを感じます。彼らのために、自分たちが今できることは何でしょうか…

バッサリ切りました 

最近少し天候が不順で、雨がしとしと降り続いたりします。季節の変わり目で、まさに今秋から冬になろうとしているのかもしれません。

さて、先週水曜日、アゼルバイジャン軍の攻撃によってナゴルノ・カラバフの軍ヘリコプターが撃墜されるという事件が起こりました。領土を巡ってずっと争っているアルメニアとアゼルバイジャンの緊張が一気に高まりましたが、幸いその後大きな衝突には発展していません。

アルメニア側は訓練飛行中に一方的に攻撃を受けたと言い、アゼルバイジャン側はヘリから攻撃を受けたので応戦したと言い、相変わらず双方の主張が異なっている状態で、何が真実なのかは分かりません。しかし、死傷者が出て和平が一層遠ざかったことは確かです。これ以上、憎悪の連鎖がひどくならないことを祈ります。

話はガラリと変わって、また親バカな記事を書きたいと思います。先週末、半年ぐらいずっと切っていなかった息子の髪をバッサリ切りました。かなり長く伸びていたので、そろそろ切らなきゃと思っていたんですよね。

今夏に帰国した際、子供用の散髪ハサミやバリカンを買ってきたので、今回は妻がバリカンを使って切ってみました。ウィーンという機械音を怖がって嫌がるかなあと思ったら、意外に大丈夫でした。ただ一時もじっとしていないので、切ろうにも中々切らせてくれません。

とりあえず、パソコンで子供用の歌やアニメを見せて気をそらせながら、バリカンで刈り上げていきました。初めてにしてはスムーズにいっていたんですが、途中から息子の落ち着きがなくなって、結局前回と同じく前髪を短く切りすぎてしまいました。これから寒い冬だというのに…

ただ、息子本人はさっぱりしたのか何だか嬉しそうです。見慣れてしまうと、これはこれで可愛いらしいし、何だか男の子らしくなりました。どうせまた長くなりますしね。次は上手に切ってあげたいと思います。

DSC00509armenia14-11-17.jpg 
アニメの動画を見せて大人しくさせようとしましたが、どうしても動くので切るのはとても難しい。

DSC00529armenia14-11-17.jpg 
また前髪を短く切りすぎちゃいました。でも、何だか男らしくなった感じです。

DSC00543armenia14-11-17.jpg 
友人に貰ったチョコレートを食べてこんな顔になったアレン。どう食べたら、こんなにベタベタになるの?子供って面白い。

くみさんのお好み焼きセミナー 

朝晩はかなり寒いですが、昼間は晴れていてけっこう暖かいです。今週は仕事で地方に行ったのですが、思ったよりポカポカしていました。

さて、先週パリから尾崎くみさんがアルメニアに来られていました。毎年2~3回、アルメニアの子供たちに日本文化を伝える活動をされていて、今回は日本文化センター「いろは」でお好み焼きセミナーを開いて下さいました。私と妻も子供を連れて参加してきました。

2年前の2月にも、くみさんはお好み焼きセミナーを開いて下さって、その時は私と妻が協力しました(こちら)。たくさんの人が参加してくれて盛り上がりました。

今回は名古屋風お好み焼き!くみさんの出身地・名古屋では、普通キャベツなどの具材を生地に混ぜないで、さらっとしたウスターソースをかけるのだそうです。関西と反対なんですねえ。お好み焼きも、いろいろと地方色があるようです。

いろはセンターのキッチンで行われたセミナーでは、ルザン会長の通訳を通して、くみさんが丁寧に作り方を教えて下さいました。いつものように、全て現地にあるもので作れるように工夫されています。早速教えてもらった通りに作って食べてみると…「美味しい!」 もちろん日本のソースとは違いますが、十分美味しく食べられます。アレンも気に入って、たくさん食べていました。

最後の回のセミナーだったので、余った材料を全部使って、お好み焼きをたくさん作りました。そして、くみさんが野菜炒めも作ってくれて、みんなで美味しく頂きました。いつも頑張って活動を続けるくみさんのアルメニアに対する情熱には頭が下がります。今回も本当にありがとうございました!

DSCN0559armenia14-11-14.jpg
丁寧に作り方を説明して見せてくれるくみさん。

DSCN0562armenia14-11-14.jpg
さっそく妻も挑戦。アレンも興味深そうに見ています。

DSCN0568armenia14-11-14.jpg
ミニお好み焼きなので、ひっくり返すのも簡単。初心者でも大丈夫です。

DSCN0570armenia14-11-14.jpg
美味しそうに出来上がりました!

DSCN0567armenia14-11-14.jpg
日本の味に大満足のアレン!いい顔してるなあ。

DSCN0571armenia14-11-14.jpg
みんなで美味しくいただきました。

DSCN0573armenia14-11-14.jpg
今回のセミナーも楽しかったです。くみさん、いつもありがとうございます!

DSCN0775armenia14-11-14.jpg
くみさんから頂いたトトロのタオル。アレンのお気に入りです。