聖サルキスの日 

風邪を引いてしまいました…先週、妻も友人たちも風邪を引いたので、どうも流行っているようですが、今週は大切な仕事があったので、「絶対に引いてたまるか!」と気合で風邪ウィルスを撃退していました。しかし、仕事が終わった途端に気が抜けたのか、風邪でダウン…「病は気から」とは、正にこのこと。皆さんも、気をつけてください。

そんな状態なので、今ベッドに横になりながら記事を書いています。実は、来週テレビに出演するので、そのお知らせぐらいは書いておこうと思ったのです。

1月29日(火) 午後5時~5時49分
NHK・BS1「ほっと@アジア」

昨年12月に行った桜植樹式と、カノンという楽器についてお話する予定です。どうぞご覧ください。

と、ここで記事をアップしようと思いましたが、先ほどFacebookで自分の学生の投稿を見て、アルメニアのある面白い習慣をご紹介することにしました。

今日は、アルメニアで聖サルキスの日。サルキスはキリスト教の聖人で、イースターの約2ヶ月前の土曜日が、彼を称える日となっています。別名「愛の日」とか「恋人の日」と呼ばれているのですが、それは前日の晩に、アルメニア人がある面白い習慣を行うからです。

前の晩、独身の人たちは、塩っぱいパン(お菓子)を食べて、水を飲まずに寝ます。そして、夢の中で誰かが現れて水をくれたら、今年結婚できると言われています。また、その水をくれた人が、将来の結婚相手だそうです。なかなかロマンティックな夢占いですね。ちなみに、妻はその夢占いで私を見たことはないそうです。

他には、小麦粉を盛った皿を家の前に置いておくという習慣もあります。これは、馬に乗った聖サルキスが訪れると良いことがあると言われていて、その足跡を確認するためだそうです。

まあ、当然これらはただの迷信ですが、実際にやったアルメニア人はたくさんいるかもしれませんね。

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エレバンにある聖サルキス教会。週末は、ここでたくさんのカップルが式を挙げます。

ガタ作りに挑戦! 

最近は寒さが少し和らいでいます。普段は、今頃からすごく寒くなるんですけどね。といっても、今もマイナス2,3℃で十分寒いですが…

さて、前々回の記事で、「日本人旅行者がドラ焼きでカメラを作ってくれた」と書きました。彼は、林周作さんという24歳の若者。日本でお菓子職人として働いていた後、フランスに1年住み、各国の郷土菓子を探求する旅に出ました。

その旅というのが、パリから上海までの自転車旅行!訪れた国々の郷土菓子を研究し、それを毎月新聞にして、日本のカフェなどに無料配布しています。すごい!

今月初めからアルメニアに滞在していますが、最初会った時には、すでにアルメニアのお菓子や料理の情報がノートにたくさん書かれてありました。本当に好きなんですね。下は、林さんのHP。クリックして、ご覧になって下さい!

郷土菓子研究社

その林さんが、アルメニアのガタの作り方を知りたい!とのことで、私の結婚式の仲人さんに聞いてみたら、彼の親戚が経営しているレストランで教えてくれることになりました。同じく料理が大好きな、日本人会・副会長も参加しました。

ガタというのはアルメニアのお菓子で、丸いパンのような形をしています。ガルニ神殿やゲハルト修道院のものは有名で、おばさんたちが観光客向けに売っています。

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ゲハルト修道院のガタ。「ゲハルト」とアルメニア文字で書いてあったりします。

約束した日時に行くと、仲人さんがコニャックを持って登場。「エッ!今日はお菓子作りでは?」と思ったら、準備に少し時間がかかるということで、それまでちょっとした宴会となりました。ほろ酔い気分になった頃、レストランのシェフが登場。ガタ作り教室の始まりです。

さすがシェフ、手馴れた感じで素早く作っていきます。それを、時折質問をしながら真剣に見つめる林さんと副会長。形を整えて、オーブンで7,8分焼いたら出来上がり。早速食べてみると、焼きたてでめちゃくちゃ美味しい!

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今回教えてくれたシェフ。ガタは、小麦粉・砂糖・バター・卵だけで作るシンプルなお菓子。簡単そうに作っていましたが、やはりそれは手際がいいからなんでしょうね。

美味しく頂いた後、シェフがレシピをもう一度説明してくれました。それを真剣にメモする林さんと副会長。林さんは、ここで実際に自分で作ってみて、発行している新聞の記事にするそうです。どんな記事になるのかな…

アルメニアに来られた時は、是非このガタというお菓子を試してみてください!

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みんなで記念撮影!しかし、私コニャックで顔が真っ赤…

国立図書館に寄贈 

寒い日が続いています。雪は降っていませんが、道が凍っていて危ない、危ない。それに、妻が風邪を引いてしまいました。私も、来週は大切な仕事があるので、気をつけないと…

さて、久しぶりに「アルメニアに本を送る会」の活動についてご報告したいと思います。昨年4月に会役員・支援者の方々のお陰で、ヨーロッパ教育大学内の言語センタ-に、無事に図書を移管して日本文化センターを開設することができました。現在も、同センターに図書は保管されています。(こちら)

しかし、一昨年10月に諸事情により閉鎖した日本文化センタ-の図書は、新たな移管先が中々見つからず、ずっと妻の家に置いていました。日本の方々が善意で寄贈して下さった図書なので、有効活用されない状態が続いていることを大変申し訳なく感じていました。

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早く何とかせねば…と思いつつ、積まれたままの図書

それに、ずっとダンボール箱に入れて山積みにしておくと、本も傷んでしまいます。いくつか候補はあるものの、すぐに移管するのは難しく、「一体どうしたものか…」と悩んでいたら、とても有難い申し出を頂きました。なんと、国立図書館に置けることになったのです!

きっかけは、昨年10月に片岡さんがいらっしゃった時に、「桜を公共の場所にも植えたい」という計画を話すために、アルメニア文化省を一緒に訪問したこと。片岡さんが文化省の方に、「3年前に、アルメニアに本を送る活動を通じて…」と、私と出会った経緯を説明されたところ、「で、今その本はどうなったの?」と聞かれました。

「残念なことに、ずっと家に山積みになっているんです」と私が答えると、「それなら、国立図書館に話してみようか?」と言って下さいました。偶然の流れから出た話ですが、こちらとしては有難い限り。後日、日本の会役員の了承も得て、「宜しくお願いします!」と伝えました。

数日後、文化省から「あの件は問題ない」と連絡を頂き、図書館長にもお会いして確認しました。ただ大変なのは、書籍名・著者名・ジャンルをアルメニア語に翻訳しなければいけないこと。図書館側が本を管理するために必要なんです。英語・ロシア語なら大丈夫ですが、日本語ができる職員なんていません…

なので、妻の協力を得て、少しずつ翻訳を進めています。本当に妻にはいつも助けられています。彼女が日本語が堪能で良かった…とりあえず、昨年末までに、約300冊の本を寄贈しました。妻の風邪が治ったら、また翻訳を始めたいと思っています。

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書籍名などをアルメニア語で書いた紙を1冊ずつ貼っていきます。

面倒な作業ですが、図書館でちゃんと本を管理してもらうためです。逆に、安心して任せられるということですよね。とりあえず、新たな移管先が一つ見つかって良かったです。図書が有効活用されることを祈っています。

新年会 

ここ数日、すごく寒いです。朝方はマイナス15℃以上の時もあります。これから2月上旬までが一番寒くなるんですよね…桜、頑張ってくれ-!

昨日13日はアルメニアの旧正月、そして妻の誕生日だったんですが、お菓子職人をしている日本人旅行者が、面白いものをプレゼントしてくれました。

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なんと、ドラ焼きで作ったカメラ!かなり本物に近く作られていました。実は、先週その旅行者と食事に行った時に、私がタクシーの中に妻のカメラを落としてしまったんです。それで、このプレゼントを思いついたそうです。どうもありがとうございます!もったいなかったですが、後で美味しく頂きました。

さて、先週木曜に、日本人会の新年会を副会長宅で開きました。昨年まで住んでいらした日本人の方が、ちょうどアルメニアに来られたので、その方もお呼びして大人数のパーティーとなりました。

手巻き寿司や餃子など、たくさんのご馳走が並びました。どれも、とても美味しかったです。お酒も進んで、本当に楽しかったですね。

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しかし、せっかく日本人会の新年会、何か日本らしいイベントをしよう!ということで、みんなで餅つきをしました。日本人の方々に、「餅ついたことありますよね?」と聞くと、皆さん「まあ、子供の頃に…」という答え。私もそうです。

日本だと、どこでも餅なんて売っているし、餅つき機もあるので、わざわざ臼と杵でついたりしませんが、海外だと、逆にこういう伝統的なことをしたくなるものなんです。少しでも日本的な雰囲気を味わいたいですからね。

アルメニア人たちも喜んでくれて盛り上がりました。しかし盛り上がりすぎて、下の階の人が「一体、何の音だ?!」と文句を言いに来ましたが、「一緒にどうぞ!」と誘うと、訳分からんまま餅をついて、ワインを飲んで楽しそうに帰って行きました。まさにミイラ取りがミイラになるってやつですね。 

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餅つきの動画。文句を言いに来た近所の人が参加しています。

できたお餅をこねて、あんこ餅で食べたり、ぜんざいで食べたりしました。つきたては本当に美味しかった!大成功だった餅つきは、毎年やりたいなあと思っています。アルメニアで、こうやって日本風のお正月を迎えられるのはすごいことですよね。

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ぜんざい、すごく美味しかったです。副会長が前日から準備して下さいました。いつも色々とありがとうございます!

本当に楽しい新年会となりました。多くの人と素敵な時間を共有できて、素晴らしい新年のスタートを切ることができたと思います。今年もいい出会いがたくさんありますように!

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雪の下は暖かい? 

今週に入ってから、ほぼ毎日雪!昨晩も降り続いて、家の周りはかなり積もっています。今日、明日の最低気温はマイナス10℃以上!ただ、昼間はそれほど寒さは感じないので、やはり今年は例年ほど寒くないと感じます。

とはいえ、この寒さでのことが少し心配です。マイナス20℃、30℃なんて寒さにはなりませんが、やはり気がかりです。しかし、なんと雪の下というのは、ほとんど0℃以下にならず暖かいのだです。

雪の下はすごく冷たくて寒いイメージがありますけど、逆に保温性があるとは意外でした。だから、動物は冬に雪の下で眠ったりできるのか…桜にとっても、この雪は悪いことではないのかもしれません。それでも心配は心配なので、「頑張れ!」と声をかけています。

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桜は見た目には何も変わっていません。大丈夫であることを祈っています。

さあ、今日はアルメニア日本人会の新年会です。せっかくですから、臼と杵で餅をつこうと思っています。楽しみ、楽しみ!